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[RとStataによるデータ分析入門]スポーツ経済学に関する文献紹介

本コラムではプロ野球を中心としたスポーツ経済学の文献を紹介します。

佐々木勝「経済学者が語るスポーツの力」
コメント:因果推論手法にも触れながら多角的に最新のスポーツに関する経済分析を紹介しています。

次に、プロ野球チームの勝率の決定要因分析、「Stataによるデータ分析入門」(および2024年はる刊行予定の「Rによるデータ分析入門」)で紹介した谷岡(1995)です。

谷岡一郎「3割打者と防御率3.0の投手のトレードはどちらが得か--日米プロ野球20年間のデータによる勝率決定要因のパス解析モデル」大阪商業大学論集
コメント:データ分析に加えて現役のプロ野球指導者へのヒアリングなども引用されているエッセー風の論文、データ分析初心者には読みやすい論文、残念ながらネット上では閲覧できないので大学図書館等でコピーを取り寄せるしかなさそうです

樋口美雄編著『プロ野球の経済学』日本評論社,1993 年
コメント:樋口ゼミの学生さんの卒論を再構成して出版したもの、日米の野球の仕組みを調べ、また丁寧にデータを収集しています、こちらもデータ分析初心者にも読みやすい一冊、あいにく絶版なので大学図書館で探してみてください

大竹文雄「プロ野球選手の生産性と監督」『ビジネスレビュー』第40 巻 第4 号 1993 年5 月 pp.2-9
コメント:こちらも大学図書館や国会図書館でないとアクセスしずらいかも

https://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I3499401-00

大竹文雄・安井健吾「プロ野球監督の能力」日本労働研究雑誌No.537,  2005年4月
コメント:大竹(1993)のUpdate版、PDF版がダウンロードできます

https://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2005/04/pdf/023-025.pdf

Fumio Otake, Yasushi Okusa, “The Relationship between Supervisor and Worker; The Case of Professional Baseball in Japan," Japan and the World Economy, Vol.8, No.4, 1996, pp.475-488

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/0922142596002198

Fumio Otake, Yasushi Okusa, “Testing the Matching Hypothesis: The Case of Professional Baseball in Japan with Comparison to the US,” Journal of the Japanese and International Economics, Vol.8, No.2, 1994, pp.204-219

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0889158384710112

Bloom, M, 1999, The Performance Effects of Pay Dispersion on Individuals and Organizations, Academy of Management
コメント:メジャーリーグのチーム内年収格差がチーム成績に及ぼす影響、組織内に給与格差があるほうがチームのパフォーマンスが上がるのか、組織論としても面白いトピック

Yamamura, E. [2015]“Wage Disparity and Team Performance in the Process of Industry Development,” Journal of Sports Economics, 16 (2): 214-223.

https://journals.sagepub.com/doi/full/10.1177/1527002512471539

Jリーグのチーム内給与格差がパフォーマンスに及ぼす影響、概要は論文著者の著書の紹介文を引用します。

経済学者のピーター・リーソンによると、世界で最初に民主主義が出現したのは海賊船の中だという。(中略)興味深いのは、利益は全員平等に山分けされるという点である。(中略)海賊船の中は閉鎖された社会で、さらにむき出しの欲望と権力が渦巻いている。だからこそ、独り占めのような行動はご法度になる。(中略)しかし、優秀な社員が、その活躍に応じた給料yが支払われなければ、ヤル気をなくして、会社の業績は低迷するだろう。(中略)いずれが正しいのだろうか?
そこで、私はJリーグのチームパフォーマンスが、チーム内の年俸の格差にどの程度影響を受けるか分析した。その結果、少なくともJリーグの技術水準が世界レベルに達する前は、チーム内の年俸格差が大きいと、チームの勝率が低下することが分かった。

山村英司「義理と人情の経済学」

一小路 武安, 2018, 「危機状態と危機寸前状態の組織におけるリーダー変更と危機疲れの影響:サッカーJリーグにおける2部降格チーム・降格寸前チームの比較分析」, 組織科学, 51(3), 4-18.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/soshikikagaku/51/3/51_4/_article/-char/ja/

渡辺雅仁「スポーツ経済学研究の展望と課題」東京国際大学論叢 経済学研究 第 2 号 2017 年 3 月

https://www.tiu.ac.jp/about/research_promotion/ronsou/pdf/2_economic_3.pdf

春日 教測 , 穴倉 学「不確実性と需要者行動について ― スポーツ経済学における分析視点と手法の変遷 ―」甲南経済学論集 60 (3・4), 15-44, 2020-03-20

https://konan-u.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=3511&item_no=1&attribute_id=22&file_no=1

谷口 昭彦「スポーツ経済学へのいざない」環境と経営 第26巻 第2号(2020年)
コメント:主として理論的な考察が中心だが、実証研究の研究紹介もある、以下のURLをクリックするとPDFファイルがダウンロードされます

https://shizusan.repo.nii.ac.jp/?action=repository_uri&item_id=1775&file_id=22&file_no=1

筒井 隆志「スポーツによる地域活性化 ~直接の効果と外部経済効果~」経済のプリズム No102 2012.7

https://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/chousa/keizai_prism/backnumber/h24pdf/201210201.pdf

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