大学院でアートマネジメント(知的財産権法・契約法)の授業をやった話
(トップ画像はSlackアプリ「ほうむくん」です。)
慶応大学の文学部大学院のアートマネジメント分野専攻で知的財産権法・契約法の授業(前期のみ)を行いました。
どんな授業をしたか
ケースメソッド中心の授業です。例えば、バンクシーが賃貸ビル(オフィスビルでテナントが1階に入居している)の壁に作品を描いた場合(こちら ↓ ではないです)、
- 作品の所有権はビルオーナーにあるか
- テナントが壁を壊して作品を持ち去ったらどうなるか
- テナントは原状回復義務を負うから、退出時に壁を修復しておけば契約違反はないのでは?
- 著作権はどこまで及ぶか?ステンシルで描かれた部分だけを切り取ったり移動させたりすることは作家の意図に反しないか?作家は何かいえるか?
などを、①常識的な感覚、②アートと捉えた場合の視点、③法的観点(民法、特別法、契約)、④取り得る対策、から検討しました。
他にどんなケースを検討したか
他に取り上げた話題は、ジェフ・クーンズのバルーンドッグ、山本伸樹の金魚電話ボックス、REVOKのグラフィティ作品とH&M広告、ポールマッカートニーと著作権ライセンスの終了権、広瀬香美のYoutube「歌ってみた」、パーマ大佐 「森のくまさん」(替歌)、バスキア展とZOZOTOWN配送段ボール、JASRAC vs 音楽教室訴訟第一審判決、アーン・スヴェンソンの「The Neighbors」シリーズ、表現の不自由展、などなど。
来年もやります
コロナ禍のため5月開始、全12回の授業をフルリモートで行いましたが良い経験になりました。来年も前期開講を予定してます!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?