名札を活用したCSのエコ化

 茨城DM交流会のとし(@toshi7m)です。
 今回は、CSにおける名札の応用手段についてご紹介します。
 マッチングツールとしてTCGマイスターを使うことを前提としていますが、他のツールでも条件次第で応用可能です。
 なお、今回は(ほぼ)ペーパーレスに焦点を当てた簡単なご紹介となっております。名札の作成方法や、バーコードを利用した勝敗登録に関しては深堀りしませんので、予めご了承ください。

0.はじめに

 茨城DM交流会が企画・運営するCSでは、参加者の皆様に名札の着用をお願いしています。

 これは、対戦外でもプレイヤーの顔と名前が分かる為、プレイヤー間の交流が育まれるという考えに基づいています。
 一般的なCSでは、マッチングQRやスコアシートなど、たくさんの印刷物を使って参加者への案内をしているかと思いますが、それらの情報を名札に集約してしまうことで人件費・材料費共に大きなコストカットを図ろうというのが今回の狙いです。

1.スコアシートレス化

 名札の表面にバーコードを、裏面に勝敗記入表を設けています。試合の結果報告はこの部分だけで完結しますので、予選中のスコアシート印刷・裁断・配布の手間が全て省けますジャッジの負担軽減に貢献します。
 勝敗の記入内容については、従来のスコアシートと全く変わりませんので、プレイヤーに余計な負担がかかることはありません。
 勝敗報告では、勝者のみがスコアキーパー卓に向かい、自分の名札を提示します。スコアキーパーは、提示された名札に印刷されたバーコードをスキャナを用いて読み込み、勝敗の登録を行います。提示された名札には勝者のバーコードしか存在しないので、両者の情報が印刷されたスコアシートと比較すると、勝敗登録におけるヒューマンエラーの可能性は極めて低いです。結果的に、登録ミスによる再マッチングの可能性も限りなく低下します。

2.掲示物・配布物の撤廃

 ここで示している掲示物や配布物というのは、参加者への案内を記載した紙であったり、オンラインペアリングページへ誘導する為のQRコードが印刷された紙を指しています。
 配布物に関しては、ドキュメントを電子化してオンライン上に展開した上で、そのドキュメントへのURLをQR化して名札に印刷することで、印刷コストのカットを行うことができます。
 掲示物に関しては、オンラインペアリングページへのQRをそのまま名札に印刷してしまうことで、同じく印刷コストのカットができます。また印刷物を掲示した時によく発生する、局地的な参加者の集中を防ぐこともできます。参加者にとっても、読み込むべき情報が手元にあるので、移動する手間が無くなります。
 しかし、いくつものQRコードを名札に印刷してしまうと、どのコードを読み込めばいいかが分からず、混乱を招く可能性があります。可能であれば、時と場合に応じてQRコードの内容がフレキシブルに変化することが望ましいです。
 そこでご紹介したいサービスが「可変QR」です。このサービスを利用して発行されたQRコードを読み込むと、「設定したサイトに案内する」中継地のようなサイトに誘導されます。
 CS中に変更することも難なくできますので、例として以下のような運用が可能です。
 予選ラウンド開始前のQR:電子化された配布資料のURL
 予選ラウンド中のQR:予選ラウンドのオンラインペアリングURL
 サブイベント中のQR:サブイベントのオンラインペアリングURL

3.運用方法

 イベント前日までに名札の印刷が完了していることを前提とします。
 当日、来場して頂いたプレイヤーに名札とホルダーを配布し名札入りのホルダーを首からぶら下げる形で携帯して頂きます。
 イベント開始時、マッチング発表の際にマッチングリストをオンライン上に展開し、名札に印刷されたQRを参加者に読み込んで頂きます。
 ゲーム終了後、勝者は自分の勝敗記入表左にある「□」に自分が勝利したことを示す為のチェックを入れます。その後、お互いに名札を交換して署名をして頂き、名札を返却してもらいます。
 勝者は、試合結果が記入された「自分の名札」をスコアキーパーに提示します。スコアキーパーは、提示された名札に印刷されたバーコードを読み込み、プレイヤーに返却します。プレイヤーは自分の名札をホルダーに戻し、自分の席に着席します。
 イベント終了後、記入されたネームカードを回収し、勝敗結果のエビデンスとして保管します。

4.メリットのまとめと、デメリット

 〇メリット〇
 ・スコアシートの印刷、裁断、配布が不要→スタッフの負担軽減
 ・オンラインペアリングへ誘導する紙の印刷、掲示が不要→スタッフ・参加者の負担軽減
 ・これらのメリットから、当日の印刷物が無い→プリンターの準備も不要    
 〇デメリット〇
 ・前日の準備が必要
 ・初回のみ、名札及びそれに印刷されるバーコードのデザイン工程が発生

5.おわりに

 今回は、「名札を活用したCSのエコ化」についてご紹介させて頂きました。
 初回の準備はかなり面倒ですが、1番に重要なのは当日の円滑なイベント進行ですし、当日の作業を限界までシンプルにするために行う事前準備は絶対にすべきと考えます。
 1つのミスで発生する時間のロスは非常に大きく、スタッフだけでなく参加者にも負担がかかります。当日の運営で苦労されている方々はぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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