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【FX】トレンドorレンジ相場の見分け方と勝てない理由|レンジで有効な手法
FXにおいてはトレンドに沿った方向に乗る順張りがセオリーとされています。
私自身も長期的なトレンドに対する押し目買い・戻り売りといったトレンドフォローを基本戦略としているわけですが、日々のトレードをしていると必ず遭遇するのが上にも下にもどちらにも動かない「レンジ相場」というやつです。
正直に言うとレンジ相場というのは
・利幅を伸ばしにくい
・含み益が発生するまでにダラダラ時間がかかることが多い
・順張りも逆張りも難しい
という”勝てない要素”だらけなので
「レンジ相場はそもそもやらない」
という選択肢が最も賢明と言えます。
レンジ相場では手を出さずそれが崩れるのを待って「保ち合い放れに付け」というのがFXのセオリーです。
仮にレンジ相場になったとしても複数の通貨ペアを監視しているのであれば他のチャートを見てもっと分かりやすい部分を取っていけば良いだけです。
が、どの通貨ペアを見てもレンジ相場ばかりで仕方なくトレードをするしかないという日もあったりします。
そこで、こちらでは
・なぜレンジ相場では勝てないのか?その理由
・「あまり勝てない危険なレンジ相場でやらない」という選択肢を取るための見分け方
・どうしてもレンジ相場でやらなくてはならない時の為の有効な戦略・手法
ということをお話していきたいと思います。
レンジ相場で勝てない理由①レンジの真ん中から途中乗りの順張りは失速する
まず、レンジ相場というのは明確なトレンドが発生していないということですから大きな流れに乗る順張りがうまくいきません。
具体的に言うと、レンジの中で小さなトレンドが発生したとしても
「いつトレンドが失速するかわからない状態」
と言えます。
強いトレンドが発生している時というのは、多少エントリータイミングを間違えても時間が経つことでトレンドに回帰して結局勝てるということがありますが、レンジ相場においては時間経過による長期トレンドの波の力を借りることが出来ません。
例えば、長期的なトレンドが発生している際にタイミングを逃して乗り遅れた場合には「中段保ち合い抜け」で途中乗りするという方法があります。
![](https://assets.st-note.com/img/1706691203712-qC726hnYow.png?width=1200)
こんな風に押し目買いの上昇トレンドの途中で作ったレンジの上抜けで入っていくという戦略ですね。
しかし、長期的なトレンドの力に委ねることの出来ないレンジ相場においては
「ある程度トレンドが発生してからの途中乗り」
というのはご法度です。
![](https://assets.st-note.com/img/1706772843035-nzdh6XZEL1.png?width=1200)
例えばこういう感じでボックスレンジの中で小さな押し目買いが出来そうな形になったとしても、この押し目買いは長期的なトレンドの力を借りることが出来ずにそのまま失速する可能性が高いということです。
![](https://assets.st-note.com/img/1706773036536-j129vrHU9u.png?width=1200)
レンジ相場というのは上限から下限へ、下限から上限へという単純な往復をするわけではなくよくわからない挙動をすることが多いので真ん中からの途中乗りエントリーというのは危険が大きくなります。
つまり、素直に順張りをしていると勝てないことが多いということです。
そういう意味では、レンジ相場におけるエントリーは
「一瞬のチャンスを逃してしまったらもうエントリー出来ない相場」
とも言えますので、こういう相場での忙しいトレードそのものを無視して明確なトレンドが出るのを待つ方が賢明だったりします。
レンジ相場で勝てない理由②安易な逆張りはブレイクに巻き込まれる
レンジ相場においては真ん中からの途中乗りがご法度なわけですから、逆に言うと
「上限に引き付けて売る」
「下限に引き付けて買う」
というギリギリまで引き付けての逆張りが基本戦略になるわけですが、これも良く考えずに安易にやってしまうと危険なトレードになります。
例えば、レンジ相場の逆張り戦略としてありがちなのが
「水平線を引いてチャートがタッチしたら即エントリー!」
というものです。
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こういうラインタッチ即エントリーというのは
ブレイクに巻き込まれる危険がある
という理由からあまり推奨出来ません。
そもそもレンジ相場というのは売りと買いの双方の注文が拮抗することで形成されるわけですが、レンジ相場が長く続けばそれだけ他のトレーダーのポジションが溜まっていくということでもあります。
レンジの中で売買する層も一定数いるわけですから、その中で売りポジションと買いポジションのどちらも蓄積されていくことになります。
そして、何かのきっかけでどちらかに動いた時に溜まったポジションの損切りを巻き込んで大きく伸びていきます。これがレンジブレイクの仕組みですね。
売りと買い双方のポジションのどちらも多く蓄積されているため、レンジ相場の後はどちらに行ったとしてもその方向に伸びやすくなるわけです。
これがいわゆる「保ち合い放れにつけ」という相場格言の本質でもあります。
例えばレンジ相場の代表的な存在と言える「三角持ち合い」なんかはブレイクした方に付いて行けばいいというのがセオリーとしてありますね。
上記の「ラインタッチ即エントリー」の逆張りというのは、その後でレンジ下限付近にさらなる小さなレンジを作って下に大きくブレイクするという危険があります。
![](https://assets.st-note.com/img/1706774906898-RFxy823hlt.png?width=1200)
実際のチャートパターンで見てみると以下のような形で出現したりします。
![](https://assets.st-note.com/img/1706774982004-hTqcOT58SB.png?width=1200)
節目ラインとして引いた水平線をレンジ下限と見立ててラインタッチで安易に逆張りロングなんてことをしていると最終的に下にブレイクされることになります。
そのことを知っていれば、猶更レンジ相場の中でガチャガチャやるよりも
「ブレイクしてからその事実に後乗りすればいい」
という結論で解決するのですが、事実が明らかになる前に安易にポジションを取ってしまうというのが人間の性です。
ラインタッチエントリーは損切り出来ずにズルズル引っ張る危険もある
また、このラインタッチ即エントリーを推奨できない二つ目の理由として
「損切り出来ずにズルズル引っ張ってしまう危険がある」
というのもあります。
![](https://assets.st-note.com/img/1706868966015-vH2ATxkNFc.png?width=1200)
例えばこんな風にライン際でうまく反発せず、かといって明確に下に抜けたとも言えないグダグダとした値動きになった場合に損切りの機会を失うことになるわけですね。
上記のような相場でレンジ下限と見立てたラインタッチを根拠にエントリーということは、逆に言うと
「ラインでの反発が不発に終わって逆行した時」
には即損切りをすべきということでもあります。
損切りというのはエントリーの根拠が崩れた時にするべきものですからね。
なので、本来であれば数pips程度の非常にタイトな損切りラインを設定しなければならなくなります。
ところが、多くの人間はこういうグダグダとした値動きになれば最初に見立てた損切りラインを下にずらすという愚行に走ります。
まだ完全に下抜けたとも言えないので、ここから反発することに希望を見出してしまうわけですね。
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そうやって損切りラインをずらすということを一度許容してしまうと、次に明確にブレイクしてしまえばその損切りラインをもさらにずらすということもやりかねない危険があります。
![](https://assets.st-note.com/img/1706869590614-K1o5PjC5gR.png?width=1200)
トレンドが出にくいレンジ相場の基本戦略は
「上限に引き付けて売る」
「下限に引き付けて買う」
の逆張りであることは間違いありませんが、安易にやってしまうとそのままズンズン逆方向に抜けてとんでもないブレイクに巻き込まれる危険も孕んでいるわけです。
トレンドとレンジの違い・レンジ相場の見分け方
恐らく、トレンドとレンジの違いや見極め方を知りたいという方は
「何をもってトレンド発生とするか」
「レンジ相場の定義とは」
のように、トレンドとレンジを「0か100か」で明確に線引きしようとする人が多いと思われますが、実際にはレンジとトレンドの境界線というのは非常に曖昧で、これらを明確に線引きする定義のようなものはありません。
マルチタイムフレーム分析の説明においては
「全ての時間足が同じ方向にトレンドが発生したらエントリー」
のような説明をされることがたまにありますが、これはあくまでも”理想論”であって、実際にはすべての時間足の目線が一斉に揃うようなことはほとんどありません(複数の移動平均線を使ったパーフェクトオーダーでのエントリーなど)。
これは要するに、
「どこかでの時間足で見れば必ずレンジ相場になっている」
と言い換えることが出来ます。
ただ、例えば4時間足チャートで見ると方向感のないボックスレンジだったとしても、1時間足チャートにスケールダウンさせれば4時間足より規模の小さな1時間足レベルのトレンドは発生しているはずで、その4時間足のボックスレンジの上限下限を目安にしたトレードも出来るはずです。
特に私のようなデイトレーダーであれば1日に20pipsも確保できれば十分なわけで、その程度の規模のトレードにおいては4時間足、日足、週足レベルでレンジになっていたとしてもその間を取っていく余地は十分にあります。
狙っていく利幅やトレードのスケールによって「レンジかトレンドか」の判断の仕方は異なってくるわけですね。
極論を言えばFXのチャートというのは日本でFXが解禁された2007年から現在値の最高値・最安値の間を行き来するレンジ相場なわけです。
その上で「レンジ相場の見分け方」についてお話していこうと思います。
レンジ相場の見分け方として有効な方法は色々ありますが、私が良く使うのは
「日足レベルのはらみ線(インサイドバー)」
が出現した時にレンジ相場とみなすというものです。
はらみ線(インサイドバー)というのは2本のローソク足が確定した際に
「2本目のローソク足実体部分が1本目のローソク足の高安にすっぽりはらまれている状態」
のことを指し、これを日足ローソク足で判断するわけです。
これは私自身のトレードがエントリーからクローズをその日で終わらせる「デイトレード」を主軸としていることが大きな理由になっています。
つまり、どのようなトレードをするにしても
「まずは前日足を基準に考える」
というのが基本戦略であり、日足レベルのはらみ線(インサイドバー)というのはその戦略から派生した考え方と言えます。
前日足が前々日足の高安に挟まれてはらみ線(インサイドバー)が確定した時点で、その次の日の基本戦略はそのレンジ上限と下限を意識したトレードになります。
レンジ相場で上限下限に引き付けてエントリーする手法
・長期的なトレンドの力を借りられず”途中乗り”は失速する可能性がある
・売り買い双方のポジションが溜まっていることで逆方向のブレイクに巻き込まれる可能性がある
という風に順張りも逆張りもどちらもやりにくいという厄介なレンジ相場なので、本来であれば
「レンジ相場は全く手を付けない」
というのが最も賢明な選択肢だと思います。
実際私自身もレンジ相場であれば基本的には手を付けないのが基本的な戦略なのですが、日々トレードをしている中で明確なトレンドが出ずにこのレンジ相場の中でトレードせざるを得ないということもあります。
たった1日くらいレンジ相場だったとしてもそれを我慢することは出来るでしょうが、それが数日間にも渡って続くと段々イライラしてきてついエントリーしたくなってしまうというのが人間の心情でしょう。
そこで、レンジ相場が続いたとしてもイライラせずに済むレンジ相場攻略法を少しお話したいと思います。
まず、レンジ相場の基本戦略として
「上限まで引き付けて売る」
「下限まで引き付けて買う」
というのを念頭に置くというのは間違いありません。
とはいえ、安易な逆張りも怖いので何らかの”サイン”を確認してからエントリーする必要があります。
ただ、レンジ相場の小さな箱の中でダブルボトムやダブルトップのような反転サインが形成されるのを待っていると、そのネックラインの位置がすでにレンジの真ん中らへんにあって失速しやすい「途中乗り」になりかねません。
以上を踏まえた上で結論を言いますと
「レンジのブレイクアウト失敗のサインを見つけて逆張りエントリー」
というのがレンジ相場における最も安全な手法だと思います。
![](https://assets.st-note.com/img/1706694278383-TX9XMsF51T.png?width=1200)
例えばこんな風にボックスレンジを形成してそのレンジを下抜けしようとしている相場があるとします。
この時には安易に手を出さず、この後でどういう値動きをするかを観察します。
この後で再びレンジ下限として定めた水平線の上に乗り上げた際に「レンジの下方ブレイク失敗」とみなして逆張りの買いで入っていくわけです。
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例として「レンジの下方ブレイク失敗」を挙げましたが逆に「上方ブレイク失敗」であっても上下反転させて全く同じことを考えます。
そして、もしレンジ下限のラインに乗り上げることなくそのまま下抜けしていくようであればそれは静観します。
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このエントリーであれば
・レンジ上限or下限に限りなく近い位置でのエントリーが出来る
→途中で失速しても逃げられる余地がある
・ブレイクアウトに巻き込まれるのを防ぐことが出来る
→サインが出るまで安易に逆張りはしないので何もサインがなければ静観することになる
という風にトレンドが伸びにくく、いつブレイクされるかわからないというレンジ相場の2つの危険をうまく回避できる方法となり得るでしょう。
では、次に具体的なチャートで説明していきたいと思います。
![](https://assets.st-note.com/img/1706698502257-5psfCqcGhU.png?width=1200)
こちらはポンドドル1時間足ですが、少なくともこのチャートを見る限りでは明らかに方向感を失ったレンジ相場と言えますね。
とはいえ、微妙に高値安値を切り上げたり逆に切り下げたりしていて教科書通りの「ボックスレンジ」のような形には見えません。
こういう時に私は、まず最初に
「そのチャートを見ている時点での前日の高値安値」
に着目するようにします。
基本的にエントリーから利食いまでを1日で済ませるデイトレードをしているので「前日の高値安値」というのはその日のトレードの主軸に置いて考えています。
そして、その日のチャートで
「前日の高値安値を抜けきれない時」
にレンジのブレイク失敗とみなして逆張りでエントリーしていきます。
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私は1時間足チャートに日足のローソク足も同時に表示しており水色orピンクの点線で背景に描かれているものが日足のローソク足なのですが、それをガイドにオレンジ色の丸で囲った部分でエントリーしていくわけです。
これは1時間足チャートなので実際には5分足や15分足といった下位足のチャートを見てより具体的なエントリータイミングを計っていきます。
私のトレードは長期的なトレンドを背景にした押し目買い・戻り売りを基本戦略としているわけですが、特に明確なトレンドがなくて押し目買い・戻り売りが出来ないようなレンジ相場が続くような場合にはこの「ブレイク失敗」の逆張りをよく使います。
ただし、あくまでも
・長期的なトレンドに明確な方向性がない
・レンジの小さな箱の中では逆張り
であることを加味すると、途中で失速する危険を考えてあまり利幅を取ろうとせずにそこそこで利食いする必要があります。
個人的にはこういうトレードにおいては15~20pipsも取れれば御の字と考えています。
それでもデイトレ規模で取れる利幅としては十分と言えるでしょう。
この「水平線ブレイク失敗」の手法というのは別記事にて詳細をお話しているので良かったら参考にしてみてください。
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