【FX】損切り貧乏の対策は「完全に根拠が崩れるまで損切りしないで待つこと」
FXにおいて必須なのが「損切り」というものです。
何か事業をやる上で絶対に必要なのが「必要経費」というやつですが、FXを事業と捉えるなら損切りは必要経費みたいなものですね。
損切りはFXにおいては絶対に必要なものですから「損切りしない」というのが論外なのは当然ですが、逆に「細かく損切りしすぎる」というのも”損切り貧乏”になってしまってあまり良くありません。
こちらでは、損切りとうまく付き合っていく方法や心構えについてお話していきたいと思います。
「全く損切りしない」は99回勝っても1回の負けで全てを失う
相場においてはたまに
「損切りしないで勝つ方法」
というものが取りざたされますが、これは株や仮想通貨などの現物投資ならまだしもレバレッジを利かせてトレードするFXにおいては使えない手法です。
まず、基本的に「損切りしないこと」というのは勝率を高めます。
どれだけ含み損を抱えたとしても、損切りしないで待つことでやがて元の価格に戻ってきて少なくともプラスマイナス0で逃げるということは出来るからです。
しかし、いくら勝率が高くなったとしてもたった1度の負けで全てを失うことになります。
元々FXというのがレバレッジを利かせて「自分の手持ちの資金の上限内で」トレードするものですから、基本的に含み損が資金の上限に達した時点でポジションは全てカットされます。
つまり、FXにおいて損切りしないという選択肢は勝率は高くなったとしても1回の負けに対するリスクが無限大なので本質的に無意味な戦術であり、損切りは必須となります。
損切りは相場に支払う保険料
損切りというのは基本的に
「この先の値動きがどうなるか分からなくなった時」
に”相場に対して支払う保険料”という風に考えましょう。
エントリーと損切りというのは表裏一体で、エントリーの根拠が崩れて
「上に行っても下に行ってもおかしくない運否天賦」
となってしまった時に相場に保険料を支払うわけです。
なので、当然ですが損切りした後に当初のエントリー方向に進んで
「もうちょっと持っていればチャラで逃げられたのに・・・」
という状況も往々にして起こります。
しかし、そのチャラ逃げ期待自体がすでに運否天賦のギャンブルとなってしまっているのでこの後悔自体が本質的に無意味です。
損切り貧乏とポジポジ病は表裏一体
FXを始めたばかりというのは「損切りすること」自体に抵抗があるので、損切りの癖づけという意味では細かく損切りすることはある意味では練習になって良いのですが、
「少しでも怪しくなったら損切りすれば良い」
という甘い考え方でエントリーすると、根拠に乏しいエントリーを繰り返しては細かく損切りするという”ポジポジ病”と”損切り貧乏”を誘発しかねません。
ポジポジ病の厄介なところは1回甘いエントリーを許してしまうと2回目、3回目はなし崩し的に同じことを繰り返してしまうということです。
そもそもの話
①甘いところでエントリーして細かく損切りする
②怪しいのでエントリーを見送ってチャンスを逃す
の二択であれば後者の方が良いはずなのです。なぜなら損失は0円なのだから。
損切り貧乏はそもそもエントリー根拠に自信がないから
「損切り貧乏は良くない」
とは言ったものの、損切り貧乏の癖がついてしまった人というのは恐らくそう簡単に治せるようなものでもないと思います。
そもそもなぜ損切り貧乏になってしまうのかというと、根本的ところでエントリーの根拠に自信がないというのがあります。
エントリーに自信がないからこそ、ちょっと逆行しただけで怖くなってちょこちょこ損切りしてしまうのです。
逆にエントリー根拠に自分自身が確信を持っているならば多少逆行して含み損になったとしてもどんと構えていられるものですし、経済指標絡みで多少乱高下したとしても自信を持ってポジションを持ち続けることが出来ます。
「エントリー根拠が完全に崩れるまでは損切りしない」という覚悟も大事
「いざという時の損切りは必須だが細かく損切りしすぎても損切り貧乏になる」
これを踏まえると
「エントリー根拠を厳選する代わりに多少のことでは損切りしないで待つ」
というのが現実的に最も良い損切りとの付き合い方になります。
つまり、エントリー根拠が完全に崩れたと言える時が来るまではそう簡単に損切りしないで待つ覚悟がいるということです。
エントリー根拠に自信が持てずにポジポジ病と損切り貧乏をしてしまってこれが出来ないのだとしたらエントリーを厳選して「エントリーに自信が持てるようになれば良い」という話ですが、そのための処方箋を一つ紹介したいと思います。
「エントリー根拠が完全に崩れる時」とは?
私は基本的にエントリーする際の根拠として
第一段階・・・長期足の事実
第二段階・・・下位足のエントリーサイン
という風に”二段階認証”で考えます。
長期足というのは、私のようなデイトレードであればそ1日の中で事実が確定する1時間足や4時間足のことを指します。
日足や週足の事実というのも重要ではありますが、これはより大きな視点での環境認識としての意味合いが強くなりますので、デイトレードにおける具体的なエントリー根拠としては1時間足や4時間足といった時間足を使うということですね。
例えば、以下の画像は私がポンドドルで「二段階認証」のトレードをした際のものですが
第一段階・・・1時間足ピンバー
第二段階・・・15分足の逆三尊
という風にしてエントリーしているところです。
このエントリーは1時間21SMAとチャートが接触する形で1時間足のピンバーが出現していることを第一段階にしているので、この1時間足ピンバーが下抜けされるまでは損切りしないで待つということです。
実際、このエントリーは15分足の逆三尊は成功したとは言えないものの最終的に押し目買いが成功したポイントです。
これがポジポジ病、損切り貧乏の人なら逆三尊が崩れた時点で損切りしちゃってると思いますが「完全に根拠が崩れるまでは損切りしない」ことで勝てたという典型的な場面です。
二段階認証トレードの利点”逆サンクコスト”
「サンクコスト」という概念を聞いたことがある方は多いと思います。
「費やした時間、労力、金に見合った見返りを求めてしまう」
という人間にはよくありがちな心理のことですね。
通常であればこのサンクコストというのはFXにおいてはあまり推奨されない心理状態なのですが、実は二段階認証のエントリーはむしろこのサンクコストの心理を逆手に取ることが出来ます。
つまり、エントリーを厳選することで
「これだけ詳細な分析してエントリーを厳選したのだから少しのことでは損切りしないぞ」
という風に一つのトレードに対して腹をくくれるようになるのです。
私はこの心理状態を”逆サンクコスト”と勝手に呼んでおり、私がこの二段階認証でエントリーを厳選することの大きな理由の一つがこの逆サンクコストです。
損切り金額は”今エントリーして完全に根拠が崩れるところまで逆行した場合”を考える
損切りで受け入れる金額というのは
「今エントリーして完全に根拠が崩れるところまで行った時にいくらになるか」
ということを考えます。これは要するに損切りラインまでの値幅が大きくなるにつれてロットを小さくするということです。
仮に押し目買いや戻り売りなどのように比較的損切りラインが近い位置に設定できるのであればその分ロットを大きく出来るということです。
私が押し目買いや戻り売りをする際の損切り幅というのは20~30pips程であることが多いですね。
逆に損切り幅が遠くなっている場合、つまりブレイクアウトに近いエントリーをすると損切りラインが50pipsくらいになってしまうことがあります。
損切り幅が50pipsという時点で
「リスクリワードが悪くなってしまったのでそもそもエントリーを見送る」
という選択肢もあるのですが、経済指標絡みの乱高下でボラティリティが大きくなっている時などは通常よりも動く値幅が大きくなりますし、その遠くなった損切りラインを加味してもなお利確ターゲットまでの値幅が十分に確保できるならそういったトレードもすることがあります。
ただし、その場合は大きくなったボラティリティのリスクを加味してロットを普段より小さくするということですね。
この
「損切りラインまでの値幅に合わせてロットの大小を調整する」
というやり方であれば
・完全に根拠が崩れるまでは損切りせずに勝負を諦めない
・損切りの金額を毎回一定の水準に収めることが出来る
ということが可能なので、私はこの損切りのやり方に落ち着いています。
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