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【都議会】主要5会派幹事長に聞く/コロナ条例改正など論点に/知事・自民の距離感も注目【2020年第3回定例会】

※都政新報2020年9月25日号掲載

 都議会第3回定例会が18日、開会した。都は新型コロナ対策条例の改正案や約3400億円の補正予算案を提出しており、新型コロナ感染症対策などが論点となる見通し。小池知事は16日、自民党都連所属の国会議員に対する協力要請会を行い、23日には菅義偉首相と面会するなど、自民党との距離感にも変化の兆しが見られる。都議会の主要5会派の幹事長に新型コロナ対策の評価や五輪延期の対応、小池都政との向き合い方などについて聞いた。

 3定でも引き続き、各会派が注視するのが新型コロナ対策の動向だ。特に都側は今回、新型コロナ対策条例の改正を提案。感染対策の努力義務を課す方針だが、都民ファが独自に準備している条例案と異なり、罰則は付いていない。

 都民ファの増子博樹幹事長は都の改正案について、「感染対策の実効性を高める意味では同じ方向。努力義務だけで効果が出れば一つの成果だが、それで済まない場合もある」と説明。「今後、感染が拡大した場合でも、経済活動を全て止める対応は難しく、ルールを守れない人に厳しい対応を取るという話になる。コロナによる死者数を抑える一方で、経済的に絶望して自殺者が出ることも防がないといけない。基礎疾患を持つ人や高齢者を守るなど、個別の対策の組み合わせになる」と解説する。

 一方、自民党の山崎一輝幹事長は都の改正案について、「基本的には賛成したい」と断った上で、「法律に明記されていることを単純に都に置き換えるだけでは、条例をなしているのか」との疑問も口にし、「実効性を高めるため、もっと知事の権限を明確にすべきでは」と提言。公明党の東村邦浩幹事長は都民ファの独自条例案を念頭に、「国が新型コロナ措置法を改正しない限り、都独自での罰則は難しく、努力義務化がギリギリの選択だ」と評した。

 共産党の和泉尚美幹事長は、努力義務を課す条例案を専決処分したプロセスを「乱暴」と問題視。新型コロナ特別委員会を設置し、議論を深めたい意向を示した。立憲民主党の中村洋幹事長は「努力義務とはいえ、都民と事業者の権利に制限を加えることとなる」とし、慎重な議論を求めた。

■協力要請会の評価

 3定を前に、小池知事は国の施策と予算に関して自民党都連所属の国会議員と意見交換する協力要請会を5年ぶりに「復活」。これまで対立を深めてきた自民党都連との「歩み寄り」が模索されている。

 知事による自民党都連への協力要請に関し、都民ファの増子氏は「都側はこれまでも、各政党への要望活動を行ってきたはず。小池知事が変化したというよりは、受ける側の自民党の変化ではないか」と指摘し、都議選に向けて「小池知事の東京大改革を継続するのであれば、都民ファを選んでいただかないと元に戻ってしまうことを都民に訴えていく。小池知事にも理解していただけると思っている」と述べた。

 一方、自民の山崎氏は「率直に言って、(協力要請会を)開催できて良かった」と評価する。「コロナ対策や五輪延期、災害対策など、国の支援がなければどうにもならないこともある。党都連に対して、都議会自民党としても一緒にお願いに行く立場。都民が国に何を望んでいるかを聞く協議の場は必要だ」とした。

 来年の都議選に向けては、都民ファと自民、公明の関係も注視されているが、公明の東村氏は「これからの各会派との距離感や、都議選直前の政治状況に基づく判断になる」。共産の和泉氏は「知事選で広がった野党共闘を都議会で定着させる上でも重要な選挙」とし、国政で新党が誕生した立憲の中村氏は都議5人が新党に参加するとし、「より協力しやすくなる」と期待感を示した。

都民ファーストの会/増子博樹氏/4年間の成果、地道に訴え

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 ─幹事長として4年目に突入しました。

 第1会派の幹事長を3年務めた例は過去にないと思う。議会運営は引き続き、できる限り公平・公正に、各会派の意見が反映する形で努めたい。都民ファ内では、新人も議会人としてのスキルを上げており、良い提案がたくさんできると思う。

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