小池都政 虚像と実像~第3部・有識者が見る1期4年(1)/職員に政策の納得感与えよ/早稲田大学名誉教授北川正恭氏
【都政新報2020年5月1日号】
新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない中、都政の命運を決める都知事選が2カ月余りに迫ってきた。現職の小池知事はこれまで進退を明らかにしていないが、再選出馬が確実視されている状況にある。来期は新型コロナ感染症の終息と経済の立て直し、五輪延期問題の対応など難題が山積する。シリーズ「第3部」では有識者に小池都政1期目の総括と課題、展望を聞く。
新型コロナウイルス感染症対策を巡って、小池知事が他府県に先駆けて店舗への休業要請と協力金給付を実施した点は評価している。他県が事業者への経営支援の財源を確保できないことを理由に、当初は休業要請に後ろ向きな姿勢を示していた中で道を切り開いた。
国は7日に新型コロナ特措法に基づく基本的対処方針を改定し、国との事前協議などを盛り込んで都道府県知事の権限を縮小した一方で、16日に緊急事態宣言を全都道府県に発令するという地方自治を軽視した対応をとっている。今こそ、全国の知事が力を合わせて、国に意見しながら新型コロナ感染症を乗り越えるべき時だ。都知事には筆頭に立ってほしい。