土佐山アカデミーと、言葉vol.06「水の人」
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土佐山アカデミーが大切にしている「言葉」と「価値観」を一つづつ掘り下げ、一冊の本を作っていく新企画です。
東京在住のサポートメンバー髙木健太さんに、第三者視点でレポートしていただいています。
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「遊びと学びの境界線、ありますよね(笑)」
月一定例のオンラインミーティング。リニューアルされたHPを見ながら話をすると、まだ色々やりようはありそうなんですよね、と吉冨さんは言っていました。
いずれにしても「境界線を無くそう」という表現への努力、線を左右に動かせるという遊び心には「土佐山アカデミーらしさ」を感じました。
(リニューアルされたページはこちら。ぜひ、境界線をいじってみてください笑)
「遊びと学びの境界線をなくす」を掲げる土佐山アカデミー。年度末をどんなふうに過ごしていたのか?聞いてみると開口一番、吉冨さんは安堵のため息と合わせてこう話してくれました。
「人を呼べないゆえの出稼ぎを終えました」
高知県の観光ポスター完成、高知大丸リニューアルの広告展開開始、それらにまつわる各種報告…。
3月の終わり、土佐山アカデミーのfacebook投稿で知った満開の桜は「よくやったね」と二人の少数精鋭を労ってくれているように思えました。
世の状況も、同様に春の外出を促すような空気になりつつあった年度初め。
改めて今年の4分の1を振り返ると「水の人として、(コロナもあり)土佐山との接続ができていなかった」とのことでした。「水の人」とは、もう土佐山アカデミーと関わりのある方にはすっかりお馴染みの言葉とは思いますが(お馴染みであってほしい)「外から来て、新しい視点や技術をもたらしてくれる『風の人』と土佐山の文化を受け継ぐ『土の人』。それらをつなぐプレイヤー」という意味です。
広大かつ、課題=お宝満載のフィールドを持つ土佐山アカデミーの得意分野の一つが「研修プログラム」。企業や団体の要望によってそれは、チームビルディングやビジョンシェアリングなど、それこそ水ように価値の形を変えて提供されてきました。しかし、それも来る人あってのこそ。人を呼べない時期だったので、「出稼ぎ」と言ってたわけですね。
そんな中、2019年から関係を構築してきたJALとの種がひとつ、厳しい状況にも関わらず芽吹いた、という春の報せ。
直近行われた「JAL連携:子どもだけキャンプ」の話をしてくれました。学校も学年もばらばらな子どもたちが「自分の責任において自由に遊ぶ、遊びから学ぶ」という趣旨のもと、高知県内と首都圏から集まった、と。場所とノウハウがあることの強みに加え「水の人」であることの意義を改めて感じたそうです。
「世界最速?!そうめん流しみたいなことができたらいいな」
そのツッコミどころ溢れるタイトルは、2017年から3年間続いた、
土佐山地域の
①竹林が拡大しすぎているという課題
②急傾斜で効率の悪い棚田という現状を
③世界最速のそうめん流しというアイデアで人を巻き込み、人を巡らせ遊びながら学ぶ、というイベントのもの。当時から繋がりのあったJALの流体工学に詳しいエンジニアを招聘し、行政、学校、地域の団体を巻き込み、大人の本気(土佐山アカデミーでは、大人の才能のムダ遣いと呼んでいますね)を子どもたちに見せることにも、チャレンジしてきました。
ここでいう「みたいな」というのは、課題を資源と捉え、場所を生かし、アイデアで「遊びと学びの境界線をなくす」という方程式、と言いましょうか。そんな、攻めの企画をもっとやっていきたい、と強い言葉で話してくれました。
リニューアルされたページにはコンサルなどのお堅いメニューも並んでいますが、水の人ならではのイベントレポートも、きっと今後は充実していくはずです。
桜で気分は華やぐ季節にも関わらず、地震が多発し、戦争が始まり、仕事では担当者や関係者の突然の異動・退職なども目白押しだった春。
「本当に、いつ何が起こるか?ますます分からなくなってきたからこそ、オモシロガッテおかないと」と下元さんは言いました。
何をもってオモシロガッテいることになるの?と聞くと、とても印象的な答えが返ってきました。それは、
「『やっておいてよかったな』そう思えることを繰り返すこと」。
これは、何かを判断する時に、とても大事な指針になると思います。背を押し、足を前に出してくれる言葉。やらなかった後悔は、誰でも思い当たることがありますからね。
そんな言葉を受け、「新年度、何を始めますか?」と聞いてみると「オモシロガリストのリストを作る」と吉冨さん。「Instagramにテーマを持たせ1日一つ発信をしていく」と下元さん。それらの集積がきっと「オモシロガリストの極意」になっていくのだと思います。一つ一つ、やっておいてよかったな、になっているのかな?と、ぜひみなさんも土佐山アカデミーの活動を日々チェックしてもらえたらと思います。
春を経て、間もなく初夏。フィールドの賑わいは、より鮮やかに肌で感じられるようになってくるでしょう。
どうか水らしく、繰り返し多様な養分を送り届け、土を肥やして巡るようなイメージで。さらにたくさんの花を咲かせ、実りの多い新年度にしてもらいたいです!
ごきげんでおなじみ 髙木健太
土佐山アカデミー東京代表
プランナー/コピーライター/コーチ
日本大学芸術学部卒業後、設計デザイン事務所、飲食業などを経て広告代理店のクリエイティブ・プランナーに。2019年企画屋として独立。身近な人、モノ、コトからごきげんにできるように企画・コミュニケーションの力を使いたいと考えています。「なごやかに、すこやかに」が信条。趣味と生きがいは余興。5歳児の父。
●ごきげんでおなじみ https://gokigen-inc.jp/
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