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カムキトオルという流れに乗ってもらえたら嬉しい、僕はそんなタイプの流れです。

佐渡ヶ島に着いて早速あの浜辺を覗いた。昨年の滞在時間は30分。心惜しい気持ちで島を出ざるを得なかった隠れ家的スポット。砂浜と海の青がいい感じにマッチしてやっぱり素晴らしい海岸だ。その海水浴場とポツンと建つ海の家の運営を知人のMさんが任されている。一つ前の夏から始まって今年で2年目となる。

海の家といっても料理の注文やBBQなどはできない。Mさんに話を聞くと、市営のため有料で飲食の販売はできないということらしい。簡単にいうとセルフ海の家。市民が自由に使える海の家ということだった。ええ、でしたら、俺が焼きそば焼いてもいいんですか?と聞くと、そうだよ。と二つ返事をもらった。誰にでもというわけではないが広く貸し出しているそう。

やった。焼きそばが焼ける!夏は決まって実家の海の家で過ごしたあの頃を思い出す。デカイ鉄板でジュージュー豪快なやつをご披露したい。そんな話をしていると、夕日どき、誰もいない浜辺に夕日が沈んでいった。

週末を迎え天気は快晴。LINEに、焼きそば作るって聞いたよーご飯持たずに行くからよろしくね、とメッセージが来ている。風の噂が立っているようだ。気合いを入れて焼きそばに取り掛かる。

おおよそ50人前の焼きそばを焼いた。焼いてる間中汗をかいてフラフラする。でも、とても気持ちいい。用意した材料も綺麗さっぱり使い切り、油の飛んだキッチンも拭きあげ、爽快な心地でフィニッシュした。

帰り道、信号待ちをしているとちょうど赤から点滅信号に変わった。それを見て、そうだよなあ、流れがあるんじゃなくて自分が流れてんだよなあ、ナイスタイミング!は、来るんじゃなくてそこに在るんだよなあ、と思った。

動く車と動かない信号の関係性にピンと来て納得したのは、最近、人生相談を聞いていたというのもある。人生100年。この日々をどのようにすれば上手に生きていけるのか、という漠然とした話だ。知っての通り答えはないし上手な生き方なんて100万通りある。多分、上手な生き方をいくら知っても気持ちは晴れない。探しているのは好きな生き方だろうと思う。

自分自身が流れという考え方をするのが僕は好きだ。己自体が流れであり、なので流れに乗るという言い方を、自分にはしない。流れに乗るのは他者だからだ。カムキトオルという流れに乗ってもらえたら嬉しい、僕はそんなタイプの流れです。運もそうだなぁ、自分が運そのものだとしたら、えっさほいさと訪ねて行きたいタイプの運です。

かむきとおる
please say yes!日誌より


嘉向徹28歳、11月24日生まれのサジタリウス。推薦で受かった大学を入学前に自主退学。以来、数々の職業的なものを転々とし、目下人生勉強中。好きな言葉「朝に道を聞かば、夕べに死すとも可なり」。心身ともに至って健康。愛車のハンドル握り今日もゆく。