ライフイズストレンジ2感想(ネタバレあり)

ライフイズストレンジ2をクリアし、気持ちの消化のために書きます。

物語は序盤で、ごく普通の子供の兄弟に残酷な出来事が起こり、それは最後まで一貫して残酷であり続けたので、僕は彼らが普通の人生を送り続けられたときの未来を想像してしまい、どの分岐のエンディングもやりきれない気持ちが残る結果に終わりました。

特に兄のショーンは幼い弟に代わってすべてを背負ってるようで、弟を心の支えにしながら普通じゃできないくらいの奮闘を見せ、苦しいこと、辛いことを乗り越え続けてきて、それでついにたどり着いたあの場所でのあのラストはなんとも辛すぎます。

世の中には理不尽なできごとがあり、それに一生を翻弄され続けてすべてハッピーエンドにはならない人々がいることも解るし、この物語にも一定の救いが用意されていることも解るんですが、どのエンディングも純粋で愛らしいあの兄弟があの兄弟のまま、そのまま大人になっていく姿は見ることができず変わるしかない結果になってしまい、誰が悪いと責めることもできないし、親のような気持ちになってしまって悔しいばかりです。

物語全体としては巧みでよく練られた話だったと思いますが、ひとつだけどうしても納得できない点があります。
おそらくはアメリカ人のメキシコからの移民に対する差別がベースにあり、彼らの父を撃ってしまった警官にも一定の同情の余地はあるんでしょうが、一方で主人公の家族のように普通で、健全で、善人の人々もいるということも描かれており、それでいながら、メキシコを目指した彼らがメキシコにたどり着くには変わるしかない、全体を通して選択肢を選ぶ際に少しずつ心を不道徳に傾けていかないとメキシコにたどり着けず、たどり着いたら必ず健全とはいえない暮らしに身をやつし、姿も眼差しも変わってしまうエンディングしか残されていない矛盾に近い作りになっています。

結局、物語を通して彼らの目指す彼らの生きる道である故郷のメキシコのプエルト・ロボスが、たどり着くのが本当に幸せなのだろうか?と思ってしまう作りです。たどり着かなくても弟は幼くまだ人生を続けられますが、着かなければあのあどけなさの残る情にあふれて前向きな強い心を持った素晴らしい兄貴が人生の長い時間を棒に振ってしまいます。

あるいは、エンディングで彼らと、彼らを助けてくれた絆のある人々のその後が描かれたら気持ちは違ったかもしれません。ああ、この生き方をしていても彼らの心の根っこは変わっていないんだな、絆は切れていないんだな、幸せに生きられているんだなと思うことができたと思います。
が、海外の作品に多い、エンディングが少し味気ないような内容になっており、気持ちを整理し切ることができません。前作はもっと遥かに味気なかったのでだいぶマシにはなってますが…。

今作では、前作に強く関連するキャラクターも出てきており、最初に前作の結末を選んでからスタートする作りになっています。作中で前作のキャラクターのその後を垣間見ることができ、そこに少し救いがあります。
彼らの未来に希望を感じられるような話が次回作に織り込まれているよう願うばかりで、それまでは一旦心の片隅においておこうと思います…。