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表面実装部品のスタブについて

ちょっとマニアックに、表面実装部品のスタブについて紹介します。
題材はQSFP28コネクターでこんな断面、

見るべきポイントは端子の基板接触部です。

推奨パッドサイズを見ると、1.8mmとちょっと長めですね。

このとき、配線の引き出し方向次第で端子がスタブになります。

バックフィレット側から配線を引き出すと良くないということですね。QSFP28でそんな配線はしないよ、と思われるかもしれませんが、端子形状がガルウィングかつ10GHz超の伝送ならICでもコネクターでも気に留めておく必要があります。

では実際、何mmからスタブの長さを気にしなければいけないのか。題材のQSFP28は差動1レーン25Gbpsです。ここでは単純に半分の12.5GHzを動作周波数としましょう。すると波長λは以下のようになります。
λ=12mm
注意点ですが、これは空気中の伝搬ではありません。伝搬速度は基板内に合わせて計算してあります。
では電位差最大となるλ/4は?
λ/4=3mm
では推奨パッドの長さ1.8mmはどの程度、というと
1.8÷3x100=60%
ですね。分布定数として考えると、電位差最大ではないものの無視できないものだ、と分かります。実際この影響でeyeは閉じます。

ビアスタブと比較して考えると身近かもしれません。一般に超高速伝送のビアスタブは1.0mm以下に抑えるので、1.8mmでは影響があるぞと実感して貰えると思います。

まとめですが、部品形状大事です。面実装部品だからと推奨パッドだけを見るのではなく、3D的にスタブや時としてクロストークなども考える必要があります。

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