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EMI-輻射ノイズの考え方

EMI測定時、電波暗室内の測定環境はしっかりしたもので、DUTのどこから輻射ノイズが発生しているかはっきり示してくれます。
そして測定結果が悪かった場合(VCCIなどの規格に通らなかった場合)、何らかの対策をおこないます。
定番としてはフェライトコアなどのノイズフィルタ、ガスケットや銅箔テープでのGND強化でしょうか。ここで苦労するのは「モグラたたき」と言われるような、輻射ノイズの周波数が変わってしまうことですかね。
いろいろ対策をして、それでも規定値に収まらなかったら「設計が悪い!」と電波暗室で叫ぶことになります。

さて、設計が悪いといってもどこが悪いのか?
エレキの人はメカが悪いと言い、メカの人はエレキが悪いと言います。それもそのはず、設計製造をやり直してひと月かかり、Fコストは数十万円以上です。試作だから……という言い訳は経営陣や営業には通用せず、責任を負いたくない気持ちも分かります。

実際のところ輻射ノイズの根幹は電子部品と基板(分布定数回路)にあり、伝搬してケーブルや筐体から輻射しています。
EMIの基本は以下のとおりです。
発生源 × 伝達経路 × アンテナ
エレキとメカどちらが悪いということではなく、有識者は「エレメカ連携を!」と、何年も前から提唱しています。そしてより効果的な方法でパラメーターのいずれかを抑える設計ができれば、試作を繰り返すことなく部署間も友好な関係を築くことができます。

さて、ネットでも書籍でも、わりと簡単に調べられるEMIの知識ですが、いざ実設計に活かせるものを探そうとするとなかなか見つかりません。
各分野の専門家が知見を、といった雰囲気で、エレキからメカまで包括したものがあまり無い(あるいはページ数が多くまとまっていない)という印象でした。それなら自分でまとめてみるかと思い至った次第です。

以下、有料記事として公開させてください。
pdfのダウンロード形式+EMI関連のトピックスを不定期に追加しています。

まとめるにあたって、何冊か書籍購入したのが負担になってしまい今回は有料記事にしました。そこまでEMIは求めてないけど?という方は別の無料記事の方をご覧ください。

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