Just Can't Get You Out of My Mind

Spinners/1973

トム・ベル プロデュースによる最初のアルバムの最初のナンバーは、アイドルの楽曲かと思う程に瑞々しく可愛らしい、これぞ“新生スピナーズ ”と呼べる1曲。
…が、コレ実はとても複雑に要素の絡み合った珍曲(名曲)なのです。

キャッチーなイントロからボビーの可愛いvo.で掴みフィリップも可愛いく合わせる。まさにアイドル歌謡の王道のような展開なのですが、2番の終わり辺りからこの曲の正体が明らかに…w

この曲にはリフレイン以降のメイン譜が3つあるのですね。
(1)フィリップのインプロ譜
(2)ボビーのコーラス譜
(3)バックのストリングス譜

(1)は普通に考えればメインですが、なにぶんアドリブ性の強いインプロにつき、口ずさむことが難しく印象に残り辛いw
(2)はキャッチーなメロに乗せてタイトルを連呼するので印象に残り易いのですが、如何せんコーラスw
(3)は詞こそありませんが、(2)を凌駕するキャッチーさ。しかもストリングスを駆使して圧倒的印象を残すw

という訳で、メイン譜はストリングス(若しくはトム・ベル)であるという結論に達しました(ボビー、フィリップ、ごめん🙏)。

古今東西それなりに音楽に接して来ましたが、こんな曲には初めて出会いましたねw
以後も瑞々しいリリックとキャッチーな美メロに包まれた難曲が続々リリースされるのですが、これこそがトム・ベル&スピナーズの(誰も真似の出来ない)唯一無二の世界なのでしょう。