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塾講師としての最盛期は〇〇歳

プロサッカー選手のピーク(山頂の意。転じて最盛期を示す)は20歳前後。23,24になるとベテランの域だとか。
体力、スピードが必要とされる競技のためだ。サッカー選手の中でもゴールキーパーはやや異なり、経験や反射神経がより重要となるため年齢を重ねても活躍できる選手はそれなりにいる。現日本代表のゴールキーパーである川島永嗣選手は38歳だ。

一方、塾講師のピークは何歳なのか。
今回はそれを検討する。あいにく都立入試には直接関係ない。

◆ずばり40~45歳

まず小中学生対象の塾で考えてみよう。

<20代の講師>
生徒人気。これは若い先生に軍配が上がる。
若さはそれだけで武器だ。子どもたちにとっては年齢が近いお兄さん、お姉さん感覚。特に意識の高くない生徒は教務内容よりも「楽しく塾に通うこと」を重視する傾向がある。ゲーム、アニメ、音楽など話題の合う若い講師は子どもにとって都合がいい。
また、気力・体力も十分だ。1日徹夜するくらいなんてことはない。最近は少なくなっているだろうが、塾の仕事が終わってから日付が変わるまで外で飲み遊び、次の日もきっちり仕事をする。そんなパワフルなことができるのも若さゆえ。
では弱点は何か。ずばり「経験」だ。
学生時代から塾講師バイトをしてきたとしても、教科指導、進路指導の経験と知識はヴェテラン講師には及ばない。
また、保護者はたいてい年上。40~50代の父母から見ればヒヨっこである。そんな保護者に臆せず物申せる若手は少ない。逆に言えば若い講師でも保護者に響く言葉をズバズバ言えるようなら本物だ。

<30代の講師>
大抵は室長や教務主任など役職を持っているだろう。30代でただのイチ講師だとしたら転職組で経験が少ないか、能力不足を疑ってもいい。
20代には劣るが気力・体力も大丈夫。結婚して子を持っている者も増えてくる。「親」の視点を持てる塾講師は保護者から見ると頼りになる。
一般的には教務経験も積んでいるので、言葉に重みが出てくる。
30代講師にもなると質の優劣が徐々に見えてくる。気の抜けた表情をしている講師は危険。30代ですでに気力がないようなタイプだ。

<40代の講師>
室長や、大手塾なら複数校舎を管轄するような立場に立っている。
独立した個人塾塾長も多くなる(30代塾長ももちろんいるが)
自分の子も小中学生という講師も増える。お客さん(保護者)よりも年上であることが増え、どんな講師であっても言葉にも説得力が出るように見える。
経験も申し分ない。
問題は気力・体力が衰え始めること。
徹夜がキツい、1週間連続で仕事をするとキツいなど。休日も家庭の用事をたすため疲れが回復しないなど。
逆に言えば40代でも、元気でバリバリ運動してます、日曜は地域の少年サッカーのコーチやってますよ。とかエネルギッシュな講師なら頼りになる。
※ぜひ塾探しの際は「先生はお休みの日ってどう過ごしているんですか」と聞いてみるといい。寝てます家でゲームしてますって講師はダメだと思う。

<50代の講師>
50代だと、ただ教えるだけの講師はめっきり少なくなる。
中学受験や大学受験の教科プロフェッショナルのようなタイプくらいだろう。
気力・体力はめっきり衰える。最新の情報に目を向けているか、タブレットやスマホなどデジタルツールを使いこなしているかを見るといい。そういうものにも対応できるヤワラカ頭の講師は尊敬する。

一方で経験はあるし、人間が丸くなるので生徒人気は悪くないはず。
まゆ毛が伸び放題、服装に無頓着なオッサンは女子に敬遠される。妻に言ってもらえないなら自分で気づくしかない。

◆見た目より若いのは…

各年代で得手不得手はある。
大切なのは講師自身が自分の武器に気づいているか。武器を磨いているか。この2つ。何も考えずに生きてきた講師は、顔に現れる。
40代にもなって幼い顔つきをしている講師は危険だ。人間、修羅場を切り抜けてくれば表情に出てくるもの。特に男性は。
社会人を10余年もやっていれば、それなりのピンチをくぐり抜けてきているはず。それをせず逃げてきた男はそういう顔をしている。「見た目より若い(幼い)男性講師」は注意した方がいい。例外はあるがね。
女性は分からん。

Every man over forty is responsible for his face.
アメリカ大統領エイブラハム・リンカーンの言葉と言われている。
「40歳以上の男は、自分の顔つきに責任を持たねばならない」といったところか。


◆どんな年齢でも、矜持があるかどうか

塾に行ったら、最後に一言「先生の特技って何ですか」と聞いてみたらいい。
その言葉に塾講師としての矜持が表れると思う。ここで「テニスです」とか塾に関係ないことを言い出すようなら、相手の望むことをくみ取れない講師だと判断できよう。

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