おばあちゃんの家

通勤途中に平屋の小さな一軒家があった
朝の決まった時間にその前を通ると、敷地から道路に出るちょっとした階段のところに、小さな小さなおばあちゃんがちょこんと座っていた
おそらくデイサービスのお迎えを待っていたんだな
私はそのおばあちゃんを見るたびに、今日もいるな、変わりはなさそうだな、と勝手に安心していた

しばらく月日が経って、おばあちゃんの姿を見ることがなくなった

そして今朝、その家の取り壊しが始まっているのを見た

故郷を離れ、祖父母の旅立ちを見送ることができなかった後悔が、波のように押し寄せた

でももしかしたら、離れた子供や孫たちに呼び寄せられて一緒に暮らせるようになったのかも

知らないおばあちゃん
あなたがどこかで幸せで、またニコニコとしていてくれますように


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