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日本ダービー 血統考察

イクイノックス

キタサンブラック産駒という事もあり、まだ特徴が掴みきれていませんが母シャトーブランシュはマーメイドSの勝馬、半弟ヴァイスメテオールはラジオNIKKEI賞の勝馬と中長距離を主戦に戦っていた一族という点、またLyphardの4×5×5+母母父トニービンという欧州色が非常に濃い配合なのでスタミナや持続力といった『馬力』の面ではかなり優れた馬だと思います。
しかし、ここ2年は『ディープインパクト×母父、米国系』のシャフリヤール、コントレイルがダービーを制覇しているように母系から米国系のスピード力、仕上がりの早さが求められるレースとなっている日本ダービーにおいて欧州色が非常に濃いイクイノックスは血統面だけで考えるとあまり評価し難い1頭です。

ダノンベルーガ

現在、日本ダービー4連覇中のディープインパクト産駒ですがダノンベルーガの父ハーツクライ産駒もサリオス、スワーヴリチャード、ワンアンドオンリーなどが好走し、日本ダービーと相性が良い種牡馬と言えるでしょう。
ダノンベルーガは父ハーツクライ×母父Tizwayとスワーヴリチャード、ワンアンドオンリーのような『ハーツクライ×米国系』の組み合わせであり非常に日本ダービー適した血統だと思います。
また母父父Tiznow(マッチェム系)はコントレイルの母母父でもありダノンキングリーの母母父も同じマッチェム系だった事から日本ダービーとは相性の良い米国系と言えるでしょう。
日本ダービーの舞台には非常にマッチした血統だと思います。

ドウデュース


ダノンベルーガ同様『ハーツクライ×米国系』のドウデュース。
母ダストアンドダイヤモンズが米国ダート短距離路線で活躍した母という事もあり日本ダービーに適した『母系から求められるスピード』という面において評価出来る血統配合だと思います。また、母母父も米国系のGone Westと母系からスピード面が十分過ぎるほど強調されている中でのLyphardの4×4のクロスと近親にダンシングブレーヴがいる母母のラインが活かされていて非常にバランスが取れている血統配合だと思います。


ジオグリフ

米国のダート短距離で大活躍したドレフォンに母は秋華賞、エリザベス女王杯など牝馬中距離路線で好走を残したアロマティコとの配合という事でジオグリフはスピード面と馬力面の両面を上手に兼ね備えた素晴らしい馬だと思います。
ただ、日本ダービーというレースは競馬関係者の誰もが目指すレースでありサンデーサイレンスが日本の主流血統と呼ばれるようになったのは『日本ダービーで勝てる』のがきっかけとも言われています。それが現代に変わりディープインパクト、キングカメハメハ、ハーツクライなどが日本の主流血統と呼ばれる由来も『東京2400m』が強いからです。
その点、ジオグリフは父、母父にサンデーサイレンスを持たないという血統背景はやはりマイナスであり過去10年の馬券内に好走した30頭のうち27頭は父か母父にサンデーサイレンスの血を持っていたというデータが日本ダービーというレースの血統傾向で証明している以上、ジオグリフ自身の能力は認めつつも血統面では評価を落とすことになるでしょう。

オニャンコポン

オニャンコポンはKingmambo≒サプレザの3×2のニアリークロスを内包しているという事もありNureyev=Sadler's wellsの特徴が良く出ていて全体な血統配合も欧州色が非常濃くスタミナ、パワーの馬力面において優れている印象が強いです。
しかし、スピードが求められる傾向が強い日本ダービーにおいて血統面からの適性は低く、近年、2分22〜23秒台の高速決着になりやすい日本ダービーは適性外のレースだと個人的には思っています。
乱ペースからの究極のスタミナ勝負や道悪などの時計がかかる馬場など例年とは違う特殊な日本ダービーにならない限り厳しいとは思います。

キラーアビリティ

母父父のアラジは2歳時に芝、ダート両方のG1を制覇した米国の名馬です。
仕上がりの早さ、芝、ダートをどちらもこなせるスピード力はまさに『THE 米国系』と言えるでしょう。また母母父も昨年のダービー馬シャフリヤールと同様の米国系のA.P.Indy系と母系から求められる『スピード、仕上がりの早さ』という面では日本ダービーに非常に適した血統だと思います。
更に父がディープインパクトと血統配合に関しては『文句無し』の評価となり、血統面の評価では確実に上位評価しなければならない1頭です。

アスクビクターモア

父ディープインパクトに母父は凱旋門賞馬のRainbow Quest+3代母父はRobertといかにも中長距離路線で活躍しそうな血統配合のアスクビクターモア。
東京2400mへの延長は全く問題はなく、むしろ菊花賞で期待してしまうような1頭です。
しかし、イクイノックスと同様に全体的に欧州色が非常に濃い配合で日本ダービーに求められる血統とは言えないでしょう。
弥生賞の時のような『上がりのかかるレース』を得意としている馬であり『早い上がりが求められる』近年の日本ダービーでは適性外の評価になりそうです。

マテンロウオリオン

今年のNHKマイルまでは優勝したダノンスコーピオンにクビ差の2着と健闘したマテンロウオリオン。
父ダイワメジャー産駒×母系にBlushing Groomの配合は非常に相性の良い配合でメジャーエンブレム、コパノリチャードのようなG1馬も輩出している配合です。
母母がオークス馬のレディパステルという血統背景から日本ダービー参戦という事でしょうが、血統面から日本ダービーという舞台では流石に評価し難い1頭です。

プラダリア

ディープインパクト×Vice Regent系は非常に相性良い配合でありダービー馬マカヒキをはじめショウナンパンドラ、レイパパレ、ステファノスなど数多く名馬を輩出している配合です。
『父ディープインパクト×母父Vice Regent』の配合で日本ダービーで結果を残しているのはマカヒキのみというのは気掛かりではありますが

父ディープインパクト
母父クロフネ(米国系)
母母父フォーティーナイナー(米国系)

という血統配合は日本ダービーに求められる『スピード、仕上がりの早さ』という要素を兼ね備えた血統だと評価しています。
プラダリアの場合は血統以外のローテーション、相手関係などで課題が多い1頭だとは思いますが血統面だけならば高評価すべき1頭だと思います。

アスクワイルドモア

父キズナ
ダービー(1着)
母父ゼンノロブロイ
JC(1着)、ダービー(2着)
叔父ペルーサ
青葉賞(1着)

と父、母父、叔父と東京2400mでの重賞で好走歴を残している血統背景のアスクワイルドモア。
そしてこの馬の血統で当然注目しなければならないのが『サンデーサイレンスの3×3クロス』だと思います。
近年『サンデーサイレンスの4×3クロス』はデアリングタクト、エフフォーリア、アリストテレス、オーソクレースなどG1で活躍する馬を多く輩出しています。
逆にサンデーサイレンスの3×3クロスを内包する馬にはトラスト、キョウヘイなどがいましたが『4×3クロス』ほどG1で勝負になるほどの馬は出てきていません。
ここからは完全に個人的な見解になりますが『サンデーサイレンスの3×3クロス』を内包している馬は種牡馬が限定されるという事もありますが、あまり積極的に生産していないような印象があります。血が濃くなり過ぎる事により発生するリスクなどを考えるとあまりにもギャンブル要素が強くなるのでしょう。
このような印象を個人的には抱いているのでどのようなレースにおいても『サンデーサイレンスの3×3クロス』を内包する馬を推奨する事は現時点では出来ません。
アスクワイルドモアに関しては『東京2400mを得意としている父、母父、叔父』という面より『ダービーに求められる血統面の質の少なさ』、『サンデーサイレンス3×3クロス内包』というマイナス面があまりに強い為、血統評価としては低い1頭となります。

以上、血統考察でした。

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