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一次創作同人女がコロナ禍にひとりで原稿合宿をした話

今回、以前から憧れていた原稿合宿を1人で決行してきたのでレポートを上げたいと思い筆を取りました。お邪魔させていただいた土善旅館さんはTwitterなどで有名なお宿ですし、他の方が書いてくださったレポートもありますが、気になる方はどうぞご覧下さい。


ひとり原稿合宿のきっかけ


私は一次創作にのめり込むオタク女であり、イベントへのサークル参加もしていました。

今の世の“コロナ禍”でイベントは軒並み中止になりサークル参加も出来ずにいましたが、印刷業界の不況の声やらなんやらを耳にしているうちに「イベントに出なくても本を作りたい!」と思うようになり、本の中身にするつもりの小説を書いて過ごしていました。

小説を書いているうちに、「そういえば、原稿合宿にすごく行ってみたかったんだよな……」ということを思い出し、原稿合宿について調べてみたりしていると……「コロナで原稿合宿に行けなくなった」というツイートを見かけました。

そこでひとつ思ったのが、「コロナの収束待ってるうちに旅館潰れて行けなくなるくね?」ということでした。

さすがに今の時期に友人を誘って合宿をするのは気が引けるので、私ひとりでの原稿合宿を開催することにしました。合宿じゃなくてただの缶詰じゃないのかとも思いますが、合宿ということにしておきます。


土善旅館さんへ出発!


金曜に仕事を終え、ダッシュで電車に乗りこんだ私は、数時間かけて旅館に向かいました。

以前見たレポートでは、土善旅館さんの原稿合宿パックは3人以上から出ないと申し込みできないとありましたが、公式ホームページでは1人での利用も可能との記載があり、申し込みが出来ました。

「私ひとりで原稿合宿パックを2泊3日で申し込みたいんですが空いてますか」

「仕事の後に向かうので、多分チェックインが遅い時間になるかと思うのですが……晩御飯って出してもらえたりしますか?」

などと、事前に旅館さんと相談し合っていました。

何時に到着できるかも分からないので一日目の夕食についてはダメ元でしたが、土善旅館さんのご飯は美味しい!といえレポートを見ていたため、食いしん坊の私はご飯のことばかり聞いていました…………。

飯のことばかり気にしている食いしん坊にも優しく対応して下さり、「夕食はお出しできますよ。当日なんですが、遅い時間になるということで……駅から旅館までの間の送迎を致しますので、到着時間がわかり次第教えて頂いてもいいですか?」と送迎の提案までしてくれました。「エエーーーッ!いいんですか!!!お願いします!!」などと電話口ではしゃいでしまいましたね。

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電車に乗っている時に撮った風景。空がなんとも幻想的で周りには田んぼしかありません。原稿をするしかないですね。娯楽に逃げられません。

最寄り駅に着くと、土善旅館の女将さんが迎えに来て下さっていました。

「お仕事早く終わって良かったですね」

当日の私はいつもの倍くらい仕事に励み、定時退勤ダッシュを決め込んでいため、事前にお伝えしていた時間よりも早く到着していました。

「すごく!楽しみにしてたんで!!ヘヘェ!」

まともに人と話さないゴミ陰キャの私ですが、変にテンションが上がってしまい気持ち悪かったと思います。すみませんでした。

旅館に到着


19時過ぎに旅館に到着しました。

館内のルール説明とGoToの書類への記載を済ませ、事前に頼んでおいた浴衣を選びます。浴衣はどれもかわいくて、すごく悩みましたが青っぽい綺麗なやつにしました。尚、飯の写真を撮るのに必死で浴衣の写真は撮り忘れました。


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こちらは待合室?ロビー?です。旅館の歴史を感じさせる風貌をしている

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大きな本棚もありました。本棚に飾られているディスプレイには、過去に原稿合宿でここを訪れた方々の色紙をスキャンしたものがスライドショーで流れています

アメニティは手ぬぐい、タオル、歯磨きセットと浴衣の全てをつけてもらいました。


とにかく飯が美味い話


兎にも角にも飯か美味かった。普段自宅ではダイエットのために米を食べない生活をしていますが、ここの旅館のおかずは米に合うんです。朝夕に食事が提供されますが、毎食大きな茶碗に山盛り2杯の米を平らげていました。

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一日目の夕飯。SPF豚なる、まるで日焼け止めの表示みたいな名前をした豚を喰らいました。バターホイル焼きに特製のタレをつけていただきます。美味しかったです。

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二日目の朝。朝食らしいメニューです。真ん中にあるやつはゴロゴロとしたじゃがいもが入ったグラタンの上に卵を乗せたようなもの。名前が分かりません。美味しかったです。

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二日目の夕食。海鮮だらけだ〜!!甘く煮つけてある魚が柔らかくて美味しい。豪華すぎる……。美味しかったです。

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二日目の差し入れ。差し入れなんてあるのぉ!?とただただ驚いていました。地元の卵を使った自家製のプリン。美味しかったです。
…………三日目の朝。早く食べたすぎて写真を撮り忘れたまま全て平らげてしまいました。焼き鮭と、焼いたウインナーとパプリカ、サラダ、味噌汁とお漬物でした。確か。お漬物が本当に美味しい。自家製なのかも?美味しかったです。

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三日目の差し入れ。もう最終日なのに差し入れなんてあるのぉ!?になりました。あるんです、差し入れ。フルーツがたっぷり乗ったあんみつでした。すぐさま平らげてしまいました。美味しかったです。

おまけ

二日目の昼に、旅館から歩いて20分程度かかるとんかつ屋さんに行きました。

評判のお店のようで、このコロナ禍でも人が並んで待つほどです。店の入口で20分程度待って、よくばり定食なる定食を注文しました。私にぴったりですね!

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道中の川とだだっ広い田んぼ。ぼくなつの世界だ……。


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マグロ丼とSPF豚のとんかつのセットです。SPF豚は千葉県のブランド豚?らしいですね。私も千葉県の豚なので実質SPF豚です。美味しかったです。


こんなにいい思いをしてもいいのか……?ってくらいご飯が美味しかったです。旅館のご飯と言われると、お上品で出汁を活かした薄味のものというようなイメージを勝手に持っていましたが、土善旅館さんのご飯は何となく家庭のご飯寄りの味って感じでした。本当に美味しかった。


建物の内観について


まだ原稿の話せんのか?って感じですが、これはどうしても言いたい。

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世界観がぼくなつ!!!!!!!

興奮せざるを得ませんでした。渡り廊下からは中庭が見え、池では小さな鯉が泳いでいます。風流ですね。

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中庭です。夏は彩度が高い緑と青が見れていいですね。


肝心要 原稿部屋


ようやく原稿部屋の話をします。

旅館に泊まる数日前、女将さんから電話がかかってきていました。

「おひとり様になるので、6畳くらいの狭めのお部屋になってしまうのですがよろしいですか……?」

当然のことです。だだっ広くても一人でやることないですし……と私は快諾しました。

そして通されたお部屋がこんな感じ。いい感じの広さです。実家のような安心感さえ覚えます。

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早速机の上に色んなものを置きました。最早ここは私の家です。

3階にあるこの部屋で作業をしながら、二日目の夜まで過ごしていました。


しかし、二日目の夜に事件が起きます。

部屋に女将さんからの電話がかかってきて、何かと思うと

「広いお部屋の準備が出来ましたので、お移り下さい!お荷物はこちらで運びますから」


「ホ??????????????」


そうして移されたひとり原稿合宿の会場がこちら。

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いやひとりで作業をするような場所じゃねえよ!?!!?!?!?!


あまりにもびっくりしてしまい、ずっと「いいんですか!!!!?いいんですか!!!??!?!?」と騒いでいました。

「すみません狭いお部屋しか用意できませんで……ご迷惑をおかけしてしまいましたね……」

などと女将さんがぺこぺこと頭を下げていましたが、全く予想外の出来事に私はドゥフドゥフ鳴く事しか出来ませんでした。

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お部屋の入口にあるお茶セットと冷蔵庫。使い放題です。部屋の入口にはちゃんと消毒液がありました。

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部屋の中にはプロジェクターが備え付けられていました。見るものがなかったので今回は使いませんでしたが……友人と来る時は使いたいですね。

部屋には他にもテレビ、空気清浄機、電気スタンド、化粧水、乳液、洗顔料、ヘアスプレーなどが備え付けられています。

古めの旅館ですが水周りはリノベーションされており綺麗でした。トイレにはあの、音を流してくれるやつもついてました。


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これは旅館にこれ以上課金のしようがなかったために、苦肉の策で大量買いした飲み物たち。腹がたぷたぷになりました。

原稿の進捗はかなり順調で、遅筆の私でも2万字くらいは書けていました。凄まじい進歩!


ありがとう土善旅館


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帰りの電車でこれを書いていますが、本当に楽しい経験をしました。

こんなにすごいおもてなしをして下さる旅館なのにコロナで客足も減り、私以外のお客さんはいませんでした。


私が次に行く時もその先も、残っていて欲しいと思う旅館さんだったので初めてnoteを書きました。


コロナに負けず、たくさんのお客さんが訪れる素敵な旅館であって欲しいと願っています。




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