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一日一首2022

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なんとなく毎日を歌に。私小説ならぬ徒然の歌。
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#今日の短歌

人生はごっこ遊びの連続と割りきり、なり切り、やりきれば良し

1

洗濯も食事も一人淡々と済ませられても何も終わらず

完全を狙ってとりに行く時は静かに誰も起こさぬように

走れども走れどもまだ追いつけず亀の甲羅に袈裟斬りチョップ

空に飢え天を仰いで朝を待つ屋根にこぼれる月光を飲む

2

一度だけ許されるなら伝えたい おかえりなさい、ただ一言を

2

お疲れさん 昨日の僕の言付けはそのまま明日の僕へ手渡す

「愛すれど」母韻を探す書き付けと筆走る手をただ焚き付けろ

1

簡単に捨てたものほど惜しくなる なら丁寧にさよならしなきゃ

1

シュトレンを食べ切るまでのひと月はサンタクロースを信じて過ごす

ガリバーと同じようには馴れ合えぬ 顔の見えない小さな悪魔

1

おぼろげな痛みとともに懐かしき夢ひと握り夜風に散らす

1

繰り返す痛みを生の証だと言うなら君に分けてあげよう

心無い、心にもない嘘ですね 真面目な顔のほかは零点