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一日一首2022

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なんとなく毎日を歌に。私小説ならぬ徒然の歌。
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2022年9月の記事一覧

やわらかにまるくしたたる水を浴び 命にそっと近づいた夜

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誰のせいだか知らないが長いこと目を貰えないだるまが家出

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扇風機タイマーかけず寝落ちしたせいだと思いたい咽頭痛

おとなだし、八月三十四日とかいわない。今日から陰暦でいく。

2

命なぞ手遅れだから手をおくれ首もおくれよ上手く使うよ

2

反省と半生過ごし知ったこと 省みるだけじゃ進まないこと

1

とりどりの綺麗なごみに囲まれて笑うあなたが一等キレイ

ぷっくりと赤い茗荷の味も香も食べる前から思い出せない

2

春先の筍よりもひそやかなフラグを全て踏み抜くチカラ

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深海に悠々自適出世魚 誰も知らないままの名前で

2

草を食む羊は無垢で、無垢なまま大地を枯らし飢えてただ死ぬ

2

夢見頃もうそんなのは飽きたかと思いきや、否、妄想ばかり

暗がりで通りすがりの前髪を掴む度胸も良し悪しの運

1

陽射しから逃げた夜道に照る月の光が落とす影の暗さよ