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一日一首2022

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なんとなく毎日を歌に。私小説ならぬ徒然の歌。
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2022年8月の記事一覧

素粒子が見れば真砂の一粒も無限に迫る硬い岩壁

2

相談と罵詈雑言の吹き溜まる袋小路にルンバを放つ

3

コンタクトレンズ外せばゲジゲジもムカデも派手目なミミズ扱い

1

紫陽花の手毬が浮かぶ黒塗りの碗に喜ぶ君を尊ぶ

4

真っ白なフッ素配合積乱雲湧き上がる朝二人並んで

台風もコロッケもない国に来てホームシックの何たるか知る

重厚に人の心を打ちのめす数の暴力isオーケストラ

ハッカ油に浸した爪で心臓をくすぐる指の心地好いこと

3

詐欺師から不誠実だと褒められる 誠心誠意騙してるのに

3

コンビニの短い箸で餅を切るような静かに侘しい苛立ち

永遠に明けない夜の暗さより 開かないドアの重さが恐い

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夢色のかわいいゴミで飾り立て 捨てたもんでもないとか笑う

3

花一輪咲かせるために行く先は焼け野原から海の底まで

八月のレモンパウンドケーキなら酸味強めのグレイズドでしょ