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一日一首2021

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単調な毎日を短調な三十一文字に切り詰める、2021年のまとめ。
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2021年10月の記事一覧

ティーバッグ越しに浮立つ茶柱のお陰でほんの少し幸せ

3

片われの消えた穴あき靴下よ 全き唯一無二の存在

たかがゴミ、でもそのゴミは僕なのだ。どうして捨てることができよう。

3

花を知りそこに集まる虫を知り 学んでもなお春を知らない

2

どうでもいいあれこれだけど 頼まれることを頼りに背中を伸ばす

大輪の頭状花序にうずまって一人じゃないと言い張ってみる

3

7光年先の光は見えるのに君の横顔見れない、なんで

欲しいもの一つひとつのきらめきが反射しあって何も見えない

1

百年もあればクラスの大半は骨になるだろ しばらく待つか

3

誰一人、似てたとしても同じじゃない 喜怒哀楽の形も色も

3

一人でも足りないとすぐ分かるけど 誰だったかは思い出せない

1

聞こえないふりを強要したりせず、モスキート音使って話せ

満足を味わうために薄苦い不満足から飲み込まされる

ゼンマイが弛みきってもあと一音響かせてから止むオルゴール