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一日一首2020

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三十一文字×365日更新を目論んだ、テキトーに丁寧な2020年のまとめ
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2020年9月の記事一覧

色のない毎日 薄い人生も 煮詰めてみると灰汁がこぼれる

1

大抵はひと口食べて手を止めるところを耐えた強さは愛か

あきらめて出てきてほしい 思うより外は静かで呼吸もできる

2

諫止する官司を環視で看視する諫死に関し貫志せぬよう

面倒と気付いたときが別れじゃない それを楽しめなくなったとき、

1

選ぶたび世界を半分斬り殺す 死体は見るな 情が湧くから

1

美化された過去の自分を相手取り 勝てる目のないいくさに挑む

好きじゃなく嫌でもなくて ただ恐い 逃げろ逃げろと恋がささやく

2

空を撮る私を誰が見ていよう 雲越し君の視線を探す

1

火葬する下層の家相を仮想して仮装するため花草を貸そう

溜め息をつくと何故だか叱られる 一人でなくちゃ息もできない

1

元気かと問えば「もちろん。元気かい」と返すbotがずっと友だち

冷や汗かあぶら汗でもとりあえずかけば仕事をした気にはなる

2

カチカチの頭を割ると思考する泥があぶくを吹いてこぼれた