第7話うどんこ先生ガンガン日誌 なんで腕章しているの?
退院してから2日目の朝、予定どおり、病院へ
向かうことになった。
この日もまるみちゃん(妻)の運転に身を任せ
助手席でのんびりと、うたた寝。
でも、時々、道路の凸凹が容赦なく病人に挨拶を
するので、仕方なく、お腹を押さえて
「うっ・・・!」と返事をしてあげる。
『では、メッセージをどうぞ』とDJ。
『・・・お母さん、いつも産んでくれてありがとう』
「いつも産む」はおっかしいだろう?
でも、この表現、変だけど、よく聞くよなぁ。
そこへDJが
『産んでくれて、いつも、ありがとう、だよネ!』
どうでもいい話なんだけど、なんかスッキリした。
そうこうする内に病院へ到着。
再来診の手続きをして、待合ホールを見たら
看護師さんたちが、みんな腕章を付けて動き
回っている。
賃上げ闘争でも始まったのかい?
よ~く見てみると、腕章にはこう書かれていた。
『患者確認の徹底!』
あれっ!? アイツだ。西棟め、他でも
やりやがったな!
糖尿病にされた患者たちが、一揆でも起こしたん
じゃないか?
興味津々で「何かあった?」と看護師に聞こうと
思って周りを見たが、顔見知りが残念なことに
いなかったので、一旦は諦めることにした。
診察の順番が回って来たので、先生のいる部屋へ
入っていった。
「調子はどう?食欲は?動ける?」
矢継ぎ早に質問される。
よっぽど心配だったのか・・・?
不安は広がるばかり。
「先生、傷口はこんな感じなんですが、
どんなもんでしょう?」
「綺麗ですね、体の中の切ったところは、
もっと綺麗ですよ」とキッパリ言われた。
体の中を見たのは2週間前なのにナンデわかるの?
まあ、いいや。
主治医がそう言うなら、安心しておこう。
でも、しっかり傷口がふさがったのは退院して
かなりたってからだった。
こうして、これから5カ月にわたっての
「リハビリ生活」が始まったのでした。
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