第16話うどんこ先生ガンガン日誌 のび太君

「のび太君のところに行ってくるからね~」

昨年の夏休みから、1か月半に1回ほどの割合で
彼のところに行くのが習慣になっている。

そこには、何故か「花沢さん」のように全てを
取り仕切る女性もいる。

恐らく、その場所は彼女なしでは運営は不可能だ。

と、そこを訪れる誰もが思っていることだろう。

アニメのドラえもんとサザエさんをミックスして
イイとこ取りをしたようなことが起こる場所だった。

決して、漫画喫茶などではない。

薬の副作用を緩和することを目的に通っている、
れっきとした漢方医がいらっしゃる病院なのだ。

今年の春から始めた治療が原因で、副作用が
ひどくなって通院したときのことだった。

のび太「なぁるほど。その治療はね、少し前までは
入院してやっていたプログラムだよ。

最近は日帰り入院で可能になったなんてね。
じゃ、こうしよう…」

花沢「はい、もう準備できていますよぉ~。
早くこっちに来て~。やり方、教えるから。
・・・。あら、初めてにしては上手ね、その調子!」

終始、こんな感じで、この病院は花沢さんを中心に
回っているようだ。

花沢さん「じゃ、うどんこさん、20回分ね。
この箱の中に入れておくから。
今日はバイクでしょ? この箱に入れておけば
壊れないから、大丈夫」

それは、お菓子の箱だった。

次に来るときは、菓子折り持参かいな!?

診察室に戻ってから、のび太君がおもむろに言った。

のび太「ところで、うどんこさん。アンケートが
来ているので答えてくれる? じゃ、行くよ。

使ってみての効果について答えて下さい。
延命効果はどう?」

うどんこ先生「だって、先生、余命宣告なんて
受けてないけど…?」

のび太「じゃ、不明ってことで。続けて、
生きる気力が出てきたか?」

うどんこ先生「・・・。あとは先生にお任せしますんで
よろしくお願いします」

なんだかなぁ・・・。早く、天国にいる親父のところへ
行け!って言われているみたいな質問ばかりだった。

鎖につながった重りを引きずるようにして、病院を
後にした。

帰宅してみると、保険会社から、口座振り込みの
お知らせが届いていた。

やった!現金だ!!

しかも、諭吉さんが両手もきたぞぉ。

なになに、手紙を読んでみると

・・・ というわけで、手術後、順調に回復されて
いることと思います。
契約内容のとおり、1年が経過しましたので
「生存年金」を下記口座へ・・・

おいおい、今度は生存かぁ。

なんか今日は天使というよりは小悪魔たちに
いじくられているような感じだなぁ。

でも「あと3回は入金します」と書かれているので
頑張ってみるか! 

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