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森の種


「森の種」なるものを作ったのには訳があります。森を利用するばかりでなく、森に還せるものを作りたかったからです。

私は駆け出しの苔農家です。所有林とはいえ、タネゴケに使う苔は山から頂きます。その度に森に悪いことをしている気がして、後ろめたくなります。

事実、森の苔は微生物や苗木を育むという大切な役割をしています。熱帯雨林ではたった1gの苔に、30万匹近い原虫や微生物がいたという報告も。苔は落ちてくる種子を優しく受け止め、苗木に守り育てます。苔のお陰で、森は湿度を保ち、豊かな植物網を紡ぎます。これが、苔が森のゆりかごと呼ばれる所以です。

日本は苔を古くから文化として取り入れてきました。そして今、苔テラリウムや苔玉、盆栽、苔庭がとても人気です。
苔農家として、そうした場に栽培した苔を提供する一方で、森にお還しできる作品も作りたいなと思いました。苔への理解がある日本人だからこそ、本来のあるべき場所に苔を還すことができる、苔インテリアを提案したいのです。

ヒノキの間伐材で作った「森の種」は、細部の見た目にも拘って、プロの木工職人さんに加工をお願いしました。仕上げに、ゆっくり育てた栽培苔と山の植物で仕立てました。可愛らしい見た目と、天然の森の香りに癒されます。
万が一枯らしてしまっても大丈夫。山に還ればきっと資源になります。還す山が無い、という方は作者にご返送ください。責任を持って所有林にお還しします。

慌ただしい日常の隅っこで、森の種を、ゆっくり育む生活、始めてみませんか?

Shop: https://koketoriko.official.ec/
Instagram: @naomi.akimoto

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