共感と違和感(2012年2月に書いたもの)

「まだラジオって放送しているんですか?」。

そんな言葉にもカチンときつつ、耐性も出来てきた三十路男です。

新番組の立ち上げから1年。

これまでの放送や、様々な反応などから最近強く感じているのは「共感」と「違和感」という言葉です。

Twitterなどネット上ではテーマや出演者、その発言に対して「共感」と「違和感」双方から発せられる言説が飛び交っています。乱暴な言葉も多いことから、一部ではこれらの言葉を利用者層の特徴に由来するものと決め付けて遮断する向きもありますが、それは勿体ない!

少しでも多くの反応に触れられるチャンスと捉え、One of them の意見に耳を傾けつつ、おもねらず、そして超然ともしない言うなれば「戦略的あいまいさ」が窮地に立たされているラジオの目指すひとつの未来ではないかと思い込み、日々番組を作っています。

戦略的あいまいさは幅の広さとも言い換えることができるでしょう。基本的にはニュース・情報を扱う番組ですが、月曜日から金曜日までの出演者やテーマの違いは昨今の細分化、専門チャンネル志向に一部逆行するものではあるものの、点在するニーズを満たしつつ、同時に効果的な偶然性を演出することが可能になっており、こちらも塩梅次第ではないでしょうか。

そしてこのあいまいさを支えるのが生放送という送出形態です。コスト管理という元来消極的な理由で録音よりも圧倒的に生放送の多いラジオですが、オンデマンド隆盛の今は逆にSNSなどで実況したり、参加しやすいという価値も生み出しています。

従来の電波に加えてインターネットという伝送路を開拓しつつあるラジオ。確かに旧いメディアですが、実は今もなお進化を続けているメディアでもあります。

「温かい」などと気休めを言われて安堵の表情を浮かべるだけではなく「熱い」メディアとしてのラジオを主戦場にしている人間が、ここにいます。

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