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私のルーツの1つ、フォークギター教則レコード3枚組と再会

70年代末期、小学4年の時、ワーナーパイオニアの事務所で掃除係で働いていた叔父さんから貰ったLet's Play the Folk Guitar 3枚組教則レコード。僕が意識して楽器を始めるきっかけになったレコードである。(因みにおじさんから貰ったレコードでは他にこういうのも→https://bit.ly/2PM8JVQ )

さだまさし、アリス、イルカあたりの曲のコードストロークという当時のフォークブームを反映した如何にもな内容から始まるのだが、アルペジオ、スリーフィンガー、カーターピッキング、ブルーグラス奏法、変則チューニングと進み、ミシシッピ・ジョン・ハート、ドグ・ワトソン、クラレンス・ホワイトなんてギタリストを知る切欠にもなった。大学生くらいまでの間に、精度とかはともかく、大ざっぱに一通り齧ってはみた("教則を完コピできず適当にインプットして、後は自己流"というのがずっと僕のスタイル)。僕がギターを弾くときにフィンガースタイルを好むのは、この教則本による部分が大きいと思う。

僕は、レコードを処分するという事はこれまで殆どしたことが無いのだが、入手から十数年後、これは数少ない処分したレコードだった。というのも只でさえ使いまくりでボロボロなのに、終いには湿気の多い場所に置きっぱなしにしてカビカビにしてしまい取っておくに堪えないものにしてしまったからだ。その後は、その存在を殆ど気にしない時期もあったが、近年思い出すこともあり、あの曲の弾き方はどうだったっけ?みたいな歯がゆい状態も続いていた。そんな中、ヤフオクでサーフィンしていてこのレコードに遭遇。状態も良く300円という安価もありゲットした。これで歯がゆさは解消される事になった。いやぁ、ヤフオク、自分のルーツを検証するのに色々役立ってて実にありがたいです。

この教則レコードでボーカルを取っている桐ケ谷仁という歌手は、調べてみると今日までずっと地道に活動している人で、この教則レコードリリースから数年後の79年、アルファレコードよりリリースした1stアルバム"My Love for You"には、YMOの3人とキャラメルママの4人(細野さんはどっちもですね)、松原正樹, 吉川忠英, と言った面々が参加している。http://jinkirigaya.com/discography この辺の話は比較的詳しいほうと自負してたんだが、これは知らなかった。嬉しい事にアルバムがSpotifyにあったので聴いてみた所、これだけの面子が揃ってることもあってか、歌も演奏もクオリティが高く、鈴木茂の"ラグーン"あたりの雰囲気や、初期YMO(初期坂本龍一)なシンセも其処此処に聴けて、ああなるほどという感じも興味深い。メロウ一本調子な感はあるが、シティポップスの隠れた名盤と思う。https://open.spotify.com/album/5A1qq9KDmQYNNgDQC5faD5 思い出のレコードから、こんなことを知るとは、インターネットさまさまである。


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