フォロワー1万人たる俺が大喜利の『フリップ』になるまで。

俺は久慈輝朝(くじてるあさ)、Xのフォロワーが1万人いるアカウント名『ゼンブイーネ』さ。Xのフォロワー1万人がどれくらい凄いかというと、「大体勝てる。」くらい凄い。大体勝てる。ちゃんと調査したことは無いが、大体すごいデカい顔が出来る。バイトしてて、出勤して、職場で周りを見渡す。多分、大体勝てる。そう思っていい。俺はそう思っている。全員に優しく出来る。余裕だから。余裕で勝てるから。仮に、フォロワー3万とかの人が居たら職場を変えるか、ゴマをすればいいだけ。でもする必要ない。あんまりいないから。デカい顔できる確率の方がはるかに高い。何で1万人超えたか、「ネタツイ」である。「ネタツイ」、ネタツイート。とにかく面白いツイートをしたらいいのだ。フリーの大喜利のようなものだ。それで俺は1万人の大台を突破した。これがかなり自信になっている。もしこの世にオーラなるものがあるのなら、俺がバイト先に出勤した時、バックヤードが俺のオーラでパンパンになって、隅々までオーラがいきわたるくらいパンパンになって、逆にオーラなんて見えず、しかしオーラによってむわっとサウナみたいに薄く湯気めいたバックヤードになったであろう事は容易に想像できる。俺は1万人にかこつけて生大喜利に参加している。生大喜利とは生で大喜利をする会の事だ。基本的には素人さんが集まってやっているが、最近では芸人さんが素人さんと一緒になってやることも多々ある。なぜ今俺が「素人‘‘さん‘‘」と言ったのか。俺は素人‘‘さん‘‘とは違うからである。フォロワーが1万人いるからである。ゆえに、素人‘‘さん‘‘との間には、明確に、『ノミ』と、『黄金の騎士』くらいの隔たりがある。隔たる事が礼儀だと思っている。俺は芸人さんが居る生大喜利や、有名な生大喜利会には参加しない。「デカい顔が出来ない」からだ。芸人さんとなるとやっぱり芸能人なのでそれなりにフォロワーがいるし、有名な生大喜利には何万人フォロワーの方もいらっしゃる。俺は生大喜利をしたいわけじゃない。「デカい顔がしたい」んだ。「ぬるま湯に浸かりたい」んだ。だから全然有名じゃない生大喜利会に参加する。そうしたら「大体勝てる」。大体勝てたら、『デカい顔が出来る』。大喜利終わりで「ゼンブイーネさんですよね?サイン書いてくれませんか?」なんて言われることもある。俺は「ちす。」ってカンジでサインを書く。片手で首を「仕方ないな~」ってカンジで触りながら「ちす。」ってカンジで書く。俺はこれら全ての行動をマジで何も恥じない。なぜならこれは、「俺がネタツイを頑張った褒美」だからだ。有名な生大喜利会に行くと「俺がネタツイを頑張った褒美」が貰いにくいから行かない。あまつさえ、俺が無視されて他の奴のキャッキャしてる光景を指くわえて見てるなんて事が多々あるであろう。万が一めちゃくちゃウケて芸人さんに認められても「いやいや、芸人さんには敵わないです。。」と謙遜しなくてはならない。本当に敵わないので本心なのだが、そんな事は関係が無い。俺は『デカい顔をしたいだけ』なのだから。『ぬるま湯』で無ければ『意味が無い』のだから。俺はどこまでも貪欲だ。貪欲で異常に潔癖だ。生大喜利に参加すると当然だがたまにスベる。俺はそもそも有名ではない生大喜利会に行ってちやほやされている状態なわけでその状態からスベると恥ずかしい。「え。フォロワー1万人なのに意外とつまらないんだ。」とか思われるのが耐えられない。名誉が下がった感じを1ミリも感じたくない。だから俺はバネを持参する。バネを持参して、スベったらバネに乗って大ジャンプして窓を割ってその場から消える。天井の時もある。とにかくスベったらすぐにバネを出して、思いっきり乗って会場を突き破って強制的に生大喜利会から消える。今まで23回生大喜利に参加して17回バネを使って消えた。うち12回は最初のお題で消えた。タッグでチームを組んで大喜利をするタッグ大喜利会の時に2回消えた。消えた後は振り返らずに思い切り走ってバスか電車に乗って家に帰る。そのあとはXを3か月更新しない。3か月更新しなければなんとなく収まる。俺は10個の生大喜利会に出禁になってしまった。俺はもう、有名な生大喜利会しか出る会が無くなってしまって仕方なく出た。その時に思い切りスベってしまって即座にバネを使った。が、さすがは有名な生大喜利会、会場も良い所だったようで壁や窓が分厚く俺は思い切り頭をぶつけてめちゃくちゃ潰れて平らに平らになってまさかの『フリップ』になってしまった。きっちり『フリップ』になってしまった。しっかり角のある、周りを額縁みたいに少し囲ってある、書く面は何度でも書き直せる加工になっていたりの、きっちりとした『フリップ』になってしまった。それ以来俺は生大喜利会でフリップとして生きている。。
信じられないだろうし、これは適当に締めるのだが、因果応報とはこの事である。


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