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いつだって甲子園

あなたの「カキン!」を聞かしてよ。人生に甲子園は何回行けると思いますか?最高でも5回だろって?うううん。答えは、『何回でも』。あなたが望むならね。歳?歳なんて関係無い!バッターボックスは、いつだってあなたを待ってる。
熱い夏、熱い球場で振り抜いたあなたの「カキン!」、あなたの心の中の甲子園の「カキン!」聞かしてよ。ちょっと待って焦らないで。焦らないで!!!まずはボクの「カキン!」を聞いてください。


『前のめり涙ぐみのガムシャラカキン!』を。。。。



横から白熊が二足歩行で歩いてきてオルゴールを開く、ネジを巻く、金で出来た山田邦子がこれまた金の大きなカブを引っ張り、抜けカブと共に後ろに倒れる。山田邦子が笑顔になる。それと共にオルゴールの音が流れ出す。

(金色の羽根が生えてる小さな妖精みたいなヨッシーが飛び回りながら金粉で文字を書いていく)
『あなたは、あなたのソレは、誰かの何かを変えるナニカですか…?』





【いつだって甲子園】




2019年、世界の上空に黒い傷のようなものが出来た。黒い傷は特に何をするわけではないが毎日数センチずつ拡大しているらしくニュースでは毎日取り上げられ、オゾン層がどーのこーの、磁場の影響がああだこうだ騒がれていたが一部では『この世の終わりだ』と声を上げる者達も居た。高校生の僕には世界はいつまでも続くと思ってるふしがありどうでもいいと思ってしまっていた。無気力に毎日を消化し、そのくせ待っていれば何もせずとも幸せは適度に降って湧くと思っていた。



「紳助さんを復帰させるでしょう。」



完全にちびまるこちゃんの花輪くんをモチーフにした口調で謎の宣言をしたこの人は僕たち神奈川第一オールバックピンク高等学校3-2の担任、ピンクのスーツ、オールバックの井脇ノブ子先生。みんなからはノブちゃん先生と呼ばれている。朝の朝礼を始める前にノブちゃん先生は黒板にチョークで「島田ちん助」と書き、太くし、ワンピースのロゴにかかってる縄を「島田ちん助」に描き、こちらを向いて「先生は島田紳助さんを芸能界に復帰させたい。私が願う事はあなた達も願う事だから君達は紳助を復帰させるでしょう。」と告げた。
僕たちは受験を控えた高校3年生。島田紳助の復帰?あの何年か前に引退した人??島田紳助どころか他の人間にだって構う暇なんて無かった。意味もわからないし。僕たちはノブちゃん先生に無言の圧をかけていると先生はこう言った。

ノブ「空の傷、あれは紳助さんが関わっています。」

ざわつく僕ら

ノブ「少し前に明石家さんまさんがテレビのインタビューでこう言ってました。『紳助は(芸能界に)もう戻ってこない、俺と考えも気持ちも違うし、もう無理やな』、と。
あの空の黒い傷は"紳助”と“さんま"の“心の差”により発生したものなんです。私はそう確信している。紳助が芸能界に復帰しないのであれば、あの傷が広がり、この世は闇に包まれるでしょう。皆さんの力が必要です。では私が起きるまでに準備をして下さい。カチャ…」

コーンフロストのトラが気おつけしてるマスコットが持ち手のスタンガンで自分の股間に撃って眠ってしまった。倒れたノブちゃん先生の服が少しはだけてお腹が見えていて脇腹の辺りに「東京喰種の絵柄で描かれた井森美幸」という文字の刺青がされていた。


僕らはノブちゃん先生の熱にほだされて紳助を芸能界に復帰してもらうように頼みに行く事になった。


島田紳助が完全に居る場所、『石垣島』。完全に居る。全国民が知っている事実。僕らは3-2の面々は飛行機とフェリーを乗り継ぎ石垣島へ着いた。

僕「先生、これからどうしますか?」

ノブ「最初はシンプルに頼んでみましょう。優しく、社会人ぽくね。」

僕らは80パーセント居るであろう紳助が経営してる石垣島のカフェへ行った。
居た。紳助だ。テレビで見た人だ。週刊誌で見た格好だ。長髪のサーファーみたいな紳助だ。緊張が走る。なにせあの紳助だ。僕らみたいな若者にもわかる一流のオーラ。僕が緊張で何も喋れないでいると学級委員の宮崎和佳さんとノブちゃん先生が先頭に立ち紳助に切り込んだ。

宮崎和佳「すいません、島田紳助さんですか?」

紳助「そうですよ」

ノブ「げぇぇいのぉうかぁいにぃぃぃぃッッッッッッ スーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(息を吸う音) ふッッッッッッッッッきしてくぅだぁさぁい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!(号泣)」

紳助「?」

ノブ「恐竜は隕石で絶滅したんじゃありましぇん!!!!!!!!!!!!紳助さんが居なかったから絶滅したんです!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!ふッッッきしてくださぁい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!(号泣)」

最初はシンプルにやんわりとファンとして復帰しないか聞いてみるぐらいの予定だったはずなのにノブちゃん先生は気持ちが先行して感極まって学校へ行こうの何倍もの声で叫んでしまった。

紳助の隣には真っ黒の人型をしたナニカが居た。紳助の隣でボディガードのように腕を組んで仁王立ちをしている。この真っ黒のナニカ、空の裂け目と同じ色をしている。何か関係があるのか…?
紳助が「ありがたいのですが…」と言葉を続けようとした瞬間、その真っ黒のナニカはノブちゃん先生を思っ切りビンタし、宮崎さんを担いで遠くへ放りなげてしまった。

紳助「おい、そこまでせんでええ。」

紳助がそうナニカに告げるとそいつは大人しくなった。

僕らは吹っ飛んでシーサーの下で泣いてぐったりしてるノブちゃん先生とさとうきび畑ででんぐり返しになってる宮崎さんを抱えて紳助に会釈をしつつ一旦その場を離れた。

空の黒い傷が少し広がる

僕「やっぱり怒らせちゃったじゃないですか。もう無理ですよノブちゃん先生。諦めて帰りましょうよ」

ノブ「いやだ、諦めない。」

僕「そんなこと言ったって…」

宮崎さん「先生、あの黒いの、空の傷から現れた“民(たみ)”でしょうか?」

ノブ「違う。」

宮崎さん「(黙る宮崎さん、仏頂面すぎて感情が読み取れなかった)」

ノブ「あれは、空の傷から現れた、“民(たみ)”だ。」

宮崎さん「(感情は読み取れなかったが仏頂面だった)」

僕「あの黒い奴どかさないと紳助さんとろくに話も出来ませんよ」

井脇「大丈夫、紳助が復帰に気持ちが傾けば傾くほど空の傷と共にあの黒い奴は弱っていくはずだわ。集中しましょ。………そうだ、テレビの紳助さんからこんな事聞いた事がある。『愛というのは、好き - エッチ = で残ってたものである』って。紳助さんに性欲が無い状態で好きというのを伝えられたら考えを変えてくれるかもしれない!」

僕「すいません、どういうことだかわかりません」

ノブ「そうだ、それがいい!たったったったっ…」

行ってしまった。僕らクラスのみんなは先生に着いて行くしか無かった。宮崎さんが「そういう事ね…さすがだわ井脇先生…」と呟いていた。

ノブちゃん先生は紳助の前に立っていた。黒い奴が「タチサレ…」と言いながら小さいビンタをノブちゃん先生に何発も喰らわせている。ノブちゃん先生は微動だにせず真剣な顔つきで紳助を見つめている。

ノブ「紳助!!!!これ見て!!!!!!!!!!!!ピタゴラスイッチ隊!!!!!!!!!!!!」

タタタタタ

ノブちゃん先生がそう叫ぶとクラスの何人かが「救急箱は青春の味!!」と叫びながら前に出て井脇の前にピタゴラスイッチを組み立て始めた。

ノブちゃんへ続くピタゴラスイッチの途中にはピタゴラスイッチでは見た事がないゾーンがあった。ノブちゃんに似た老婆や若い女性のモノクロの写真がプリントされたヌリカベくらいデカい石版がドミノ倒し状態で並んでいた。

ピタゴラスイッチ隊「準備オッケー!!!!」

ノブ「サンキュー!ピタゴラスイッチ隊!!紳助、ちゃんと見ててね、ピタゴラスイッチスタート!!!!」

ピタゴラスイッチ隊のマユミちゃんが人指しで最初のドミノを倒すとパタパタと勢いを増しピタゴラスイッチは進んでいった。よく見るとドミノには1つずつ三浦のボイラーのCMの紳助がプリントされていた。紳助ドミノが回ったり上下したりした後で倒れるドミノが段々大きくなりついにモノクロの写真ゾーンに入り巨大な石版が倒れ始めた。


ドッッッッ!!!!ドッッッッ!!!!ドッッッッ!!!!ドッッッッ!!!!ドォン!!!!ドォン!!!!ドォン!!!!ドォン!!!!!!!!


ノブ「これは私の母さんやおばあちゃんやひいおばあちゃん達!!!!あなた(紳助)は私の血筋を通り抜け、最後は私にたどり着く!!!!!!!!」

ノブちゃん先生は全裸になり、M字開脚をして待機、加速した井脇の先祖がプリントされた巨大な石版がそのままM字開脚でクリトリスを剥きまくってキラキラした目で待ってる井脇を容赦無く踏み潰した。


ノブ「ッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッアアアアアアアアアアーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ノブちゃん先生は絶叫した。絶叫したあと瓦礫の中で「全員で水無しでどこまで生活出来るかやってみようぜ!!!!!!なあ!!!!!!」と叫んでいた。僕たちは石版のガレキを退け、中から先生を引きずりだした。先生はひとしきり「水無しでやってみようぜぇ…………」と言いながら白目でビクビク痙攣したあと汗びっしょりで「その後に全員で飲むレンタル水、、、、、、、、、、、うっめぇぜぇ…………?」と言った後ものすごいスピードで立ち上がり紳助に顔1センチまで近づきフリーザ編で助けに来た悟空みたいな顔つきで「紳助さん、私いま、イッた後です。直後です。血筋総出の性欲です。それでも紳助さんに復帰して欲しいです。私井脇家全ての性欲を引いたら、あなたが1000パーセントで残りました。
しぃんすけさぁん!!!!!!!!!!!!!げぇぇいのぉうかぁいにぃぃぃぃッッッッッッ スーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(息を吸う音、この時点で泣いている) ふッッッッッッッッッきしてくぅだぁさぁい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!(号泣)」


紳助「なんやお前…復帰復帰って…おれにはもう無理や…無理なんやーーーーーーーー!!!!!」

黒い奴「バチーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!!!!!!!(井脇にビンタしたあと先端がセスナに繋がってる鼻フックをかけ、セスナ発射、泣きながらどこかへ飛んでいくノブちゃん先生)」

僕らは紳助に会釈しノブちゃん先生が飛んでいった方向を探すとソーキそば屋の店内か店内じゃないかぐらいらへんでうずくまってうめき泣いているノブちゃんを発見した。先生がいつまで立ってくれないのでアイスキャンディーをちらつかせると「んー チュッチュッチュッ、フェラチオを想像させるのによく使われるやつ…」と言いながら立ってくれたのでそのまま誘導してベンチに座らせた。

僕「紳助さん、何か辛そうでしたね。」

ノブ「きっと紳助さんも絶対戻りたいのよ。もう少しだわ。」

僕「でもこれ以上どうしたらいいか僕にはわかりません。」

ノブ「いい?マコトくん?いつか誰かに、または何かに特殊な攻撃をされ石化してしまうことがあるわ。その時、金の針を持って無かったら?万能薬、エリクサーを持って無かったら?エスナを使える人が居なかったら??または仲間が居なかったら????(首を振る)それでも耐えるの。負けちゃダメ。誰かが金の針を使ってくれるまで仲間が来るまで敵を睨みつけるのよ。」

よくわからなかった。よくわからなかったがなんとなくは伝わった。
ノブちゃん先生は去年違う学校をクビになってここに来た。クラスの誰かがなんでクビになったのかと聞くと「プールの水を全て飲んだ」と答えた。みんなは嘘だ〜だのバケモノだ〜だのワーワー騒いでたけど僕はその学校に知り合いが居て、なんでプールの水を飲んだのか実は知っていた。
その学校の奴「俺はタダシ(そのクラスの奴)の周りの水が茶色に染まりかけていたのを見た。漏らしたんだな。あーやっちまったと思った瞬間、ノブちゃん先生はみんなにバレないように咄嗟にプールの水全部飲んだんだ。ラーメン食べるみたいに飲んでたよ。もちろんみんな大騒ぎ。カービィみたいに丸くなって動けなくなったノブちゃん先生を駆けつけた他の先生達が責めていた。ノブちゃん先生、『いやぁ、自分、根がカービィなんで(照)』ってそればっかり。カッカッカと笑ってた。俺最後まで抗議したんだけどな。お前が羨ましいよ。ノブちゃん先生の生徒になれて。」

僕はその話を思い出していた。空の黒い傷はどんどん広がっている。

僕「わかったよノブちゃん先生。先生が諦めないんなら僕達も諦めない。でもどうするんだよ。」

ノブ「仲間…そうだ、さんまさんだ…」

僕「えっ?」

ノブ「紳助の親友さんまに危機が迫っていればさんまを助けるために芸能界に戻ってくるはず!!」

僕「でもどうするんですか?」

ノブ「そうだそれが良い!たったったったっ…」

行ってしまった。走っていくノブちゃん先生からビーフジャーキーの匂いがしたのを感じながら後をついていくことにした。


追いつくとそこには学級委員の宮崎さんが黒い奴を仏頂面で睨みながら立っていた。視線を紳助に移す。

宮崎さん「島田紳助さん、明石家さんまさんは親友ですよね?」


紳助「そうや。それがどないしてん?」

宮崎さん「あれを見てください」


紳助を含む僕らが東の空を見るとそこにはハゲワシ4匹に手足を引っ張られながら眠ったペニバンと出っ歯のマウスピースをした全裸のノブちゃん先生が浮いていた。身体にはマジックで「東京喰種の絵柄で描かれた井森美幸」と書いてあった。ノブちゃん先生はさらに全身を灰色に塗っていた。


紳助「………あいつやないか」

宮崎さん「(紳助に金の針を渡して)紳助さん、さんまさんは石化してしまってます。石化を解くのはあなたしか居ません。」

紳助「あほらし…(少し涙ぐんでいる)」

ノブ「……………(石になりきっている)………」

宮崎さんがか細い声で「おねがいしまーす!」と言うとハゲワシ達が咥えていた紐を外し、出っ歯ペニバン全裸のノブちゃん先生はレレレのおじさんのジェスチャーをしながら落下し、下には100人くらいのイベントで作るような巨大なプリンがあり、そこに突っ込むように足から落下した。少し経つとボブッ!という空気音が聞こえオナラの臭いが周囲にかすかに臭ったと思ったら先生が溺れた人みたいに上がってきて「骨折した!!!!骨折!!!!!コッ!!!!!」と言いながらバタバタしたあとプリン釜が倒れてプリンと共に足がくの字型に折れ曲がったノブちゃん先生が飛び出してきて地面に流れた。

拡声器を持った宮崎さん「紳助さん、その金の針、刺してください!!!!」

紳助「俺は……俺は!!!!ツカツカツカ…(井脇に近づく、金の針を振り上げる)ドスッ!!!!!!!!!!!!(井脇の顔横に刺さる金の針、刺してくれなかった事実に悔し泣きの井脇) 俺は戻らへん。こいつもさんまやあらへん。…お前らの気持ちはよう伝わったけどな、俺は戻らへんねん。」

ノブ「(号泣)」

黒い奴は黙ってこちらを見ていた。

空の傷がまた広がり、黒い奴が一回り大きくなった気がした

僕らは先生を抱えて紳助に会釈しその場を後にした。
僕らはもう諦めていた。紳助さんはここでちゃんと楽しそうだった。長髪だしサーファーで幸せそうだった。それを無理やり芸能界に戻れなんて無理だ。

僕「…………先生、もう帰りましょう。時代は移り変わるんです。英雄が今幸せなんだからいいじゃないですか。」

ノブ「絶対嫌。この世界にも私にもまだ紳助が必要なの。絶対絶対紳助が必要!!!!」

ピシャーーーーーーーーーーーーン!!!!

その時だった。轟音と共に目玉焼きを作る時の卵を割るように空の傷がバックリ広がった。快晴なのに雷が鳴り響き風が吹き荒れた。

宮崎さん「まずいわ、このままだと本当に世界が終わってしまう。」

僕「そんな、大袈裟だよ。そんな証拠どこにもないじゃないか」

宮崎さん「あの割れ目は磁場をまとってもいるの。これ見て」

宮崎さんは僕たちにツイッターを見せてきた。地球から大分逸れるはずの隕石が空に出来た傷の磁場の影響のせいで地球に引き寄せられているという情報が拡散されていた。

僕「これ…政府が会見してるじゃないか…そんな、、地球が終わるって本当だったんだ…どうしたらいいんだ!」


ノブ「…………任せておきなさいあなた達。ほーらっ!暗い顔しないの!あなた達は紳助が復帰した時の想像をしてればいいのよ。(空の傷の方向を見て小声で) セイシュンは、地球が終わるまで絶やさせはしない。。。地球はまだ終わらないわ!!!たったったったっ!!!!」

先生は行ってしまった。追ってもすごい速さでまかれてしまった。空の傷を閉じさせ隕石を逸らすためには紳助を芸能界に復帰させる他無かった。紳助の所へ行った。紳助が一枚のカードを眺めていた。

紳助「おい、お前んとこの先生こんなん渡してまたどっか行きよったで。」

カードには「夜8時 カービィ先生がNHKで大暴れ」と書かれていた。カービィ先生?NHK?今は夜の7時30分、もうすぐだった。僕らは紳助さんと一緒に近くのテレビが見れる定食屋へ行きチャンネルをNHKにしたまま夜8時を待った。定食屋には僕らのクラス全員と紳助と紳助の友達でぎゅうぎゅうになっていた。黒い奴は外で仁王立ちをしていた。

7時58分、いたって普通のNHKだ。これから8時に何か起きるのか予想付かない。
ノブちゃん先生、一体どうするんだ?

何かの海洋生物の特集が終わりピーーーーというキー音が鳴りながらカラフルな砂嵐が数秒流れたあと政見放送みたいな場所にメタルクウラの姿の井脇ノブ子が映り、テーブルと椅子に座ってこちらを睨んでいた。

メタル井脇クウラ「私が全ての夜を迎えにいく。直々(じきじき)にだ。」

そう言うと絶叫しながら地球儀をめちゃくちゃに回したあと泡吹きながらイスからぶっ倒れた。5分くらいただのテーブルとあっち向いた椅子だけの映像が流れたあと仁王立ちの状態で立ち上がり3分くらいこちらを睨んだあとまたゆっくり椅子に座った。椅子に座ったあと「10しか数えられない人しか居ない国!!!!それッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!ココ!!!!!!!!!!!!」と叫びまた地球儀をめちゃくちゃに回したあとカナダ以外の全ての国を高速で指差し、「カナダ以外じぇんぶ!!!!」と絶叫したあと泡を吹きながらイスからぶっ倒れた。5分くらいただのテーブルと偶然しっかり収まった椅子だけの映像が流れた。その後左の横向きの仁王立ちでゆっくり立ち上がり12分くらい真左を睨んだあと「小ライス下さい」と言って椅子に座りなおし、そのまま後ろに倒れた。

僕はわかりかけていた。“熱さ”だ。紳助は“熱さ”に弱い。ノブちゃん先生はとにかく熱さで訴え続けることによって心変わりさせようとしてるのだ。

紳助「(少し泣いている)」

空の傷が少し小さくなる。

僕「いいぞ先生!!!!その調子だ!!!!」

画面を見るとメタル井脇クウラは政見放送のテーブルと机をどこかへやって片膝ついてヘバッていた。
メタル井脇クウラ「歳いくとこんな事でも疲れちまってダメやなw」
そう言って地面を見つめている先生、僕らはテレビに向かって自然と「ノーブーちゃん!ノーブーちゃん!」と声援を送っていた。


すると背景が変わりモーニング娘。のハッピーサマーウェディングのMVの「ハイハイ!!」の部分の画面になり、その背景をバックにスパイダーマンの糸を出すジェスチャーをピシュッピシュッと左右交互でやる先生、真剣な顔つきでしばらくの間、無音のスパイダーマンをやったあと「アドレナガレッジに夢中になってた隙に下着泥棒にあった人募集しま~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~す!!!!!!!!」と叫び、さらに30分スパイダーマンをやった後「募集締め切りま~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~す!!!!!!!!」と叫んだ。携帯を取り出し「こういう事でもさ、逐一報告しろってうるせぇのよ!w」とフルポン村上みたいな言い方で言った後どこかへ電話し、「しもしも?ダーマ法王??うん、今ドラゴンボールドッカンバトルのゲーム機台の前でブレイクダンスしてたら3万円無くしました。はーい。はーい。ガチャ、ツーツーツー」と言ってしばらく黙ったあと急に「アッ”!!!!!!!!」と叫んで空中にジャンプして背中から受け身なしで落ち、すぐ起き上がり「横浜Fマリノスと、藤子F不二雄のFは“似かよって”いるの~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~????????????」と叫んでまた空中にジャンプして背中から受け身無しで落ちた。仰向けになりながら「ミニオンたちトランプしよ~~~~」と言って少しクネクネしたあと立ち上がりスタスタとフレームアウトし上島竜兵の等身大パネルとおでんを持ってきておでんを手づかみで掴んで上島竜兵の等身大パネルにキレたとんねるずみたいに投げまくり、パネルを玉子で突き破ったあと突き破った穴に後ろから手を入れカネゴンみたいにヒョコヒョコ歩き回ってるとブルドーザーがやってきて画面から井脇もろとも全て一掃した。あんまり聞こえなかったけど画面外で「わしゃ吉本新喜劇か!!!!!!」と叫んでいた。
5分何も無いスタジオが流れた後「let it be」の前奏とウッディの服装でゴールデンフリーザの特殊メイクをした井脇がマイクを持って現れた。

井脇「♪When I find myself
in times of trouble
Mother Mary comes to me
Speaking words of wisdom,
うんこ

And in my hour of darkness
She is standing right
in front of me
Speaking words of wisdom,
うんこ

うんこ, うんこ
うんこ, うんこ

下痢ピー 肛門アナル

ちんこ

And when all the
broken hearted people
Living in the world agree
There will be an answer,
うんこ

For though they may be parted
There is still a chance
that they will see
There will be an answer,


うんこ うんこ
うんこ うんこ

下痢ピー 肛門アナル

ちんこ


うんこ うんこ
うんこ うんこ

下痢ピー 肛門アナル

精子


And when the night is cold
There is still a light
that shines on me
Shine on until tomorrow,

うんこ



俺たちは意外に“編集しずらいから早く座って”

っていう流れ笑った事ないんだ
俺たちは意外に“編集しず
let it be〜〜♪

俺たちは〜〜 意外に〜〜
誰かが〜〜スベって〜〜
“編集しずらいから早く座って”っていうの
let it be〜〜〜〜♪

俺たちは〜〜意外に〜〜
本当に〜〜
意外に〜〜

“編集しずらいから早く座って”っていうの

笑ってな〜〜い



スタジオの誰かがスベって誰かがその人に向かって言う

“編集しずらいから早く座って”

っていうの意外と僕らは

笑ってな〜〜い

スタジオの誰かがスベって誰かがその人に向かって言う
“編集しずらいから早く座って”

って言うの意外と僕らは

笑ってな〜〜い

俺たちは 俺たちは
意外と そういうの
ただただ悲しくなるから
笑ってないんだ〜〜



スタジオの誰かがスベって誰かがその人に向かって言う
“編集しずらいから早く座って”っていうの意外と僕らは
笑ってな〜〜い


だからってスベった人に対して
どうしたらいいのかわからないけれど
けれど

俺たちは 意外に

本当に 意外に

“編集しずらいから早く座って”

っていうの
笑ってな〜〜い

怖く なっちゃう
寂しく なっちゃう
誰も悪くないけど
けれど





まっちゃんが言う“編集しずらいから早く座って”的な事は〜〜

全然普通に まじで
笑う〜〜〜〜



前にダウンタウンDXでスマイレージがめちゃくちゃ喋った後に

“オンエア見てごらん 芸能界の厳しさわかるから”って言ったの

笑た〜〜〜〜〜〜



笑た〜〜〜〜 笑た〜〜〜〜

まっちゃん〜〜 おもろい〜〜〜

まっちゃん 悟空 まっちゃん

悟空〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」



let it beの替え歌を披露した井脇は「ありがとうございました」みたいに小声で「小ライスください」と言いながらお辞儀したあと机を持ってきて上に乗り「キャンキャン(お笑い芸人の)!!!!!!!!」と言って大ジャンプし、背中から受け身無しで落ち、入れ歯が外れたあと拾って遠くへ投げ絶叫しながらお尻ペンペンしたり単純にドスンドスンジャンプしたりしながら走り回り竜巻旋風脚をしながら画面外へはけた。画面外から“前宙をして失敗して地面に叩きつけられた音”だけ何回も聴こえてきた。 しばらくして井脇は何気無い顔で人が全部入る水槽を運んできて中に入った。


3分間水中でお辞儀をする井脇


どこからかとんねるずの「情けねえ」が流れ始め、ノブちゃん先生は水中でとんねるずのマネをしながら歌い始めた。スピーカーからはみなさんのおかげでした最終回の情けねえが流れていた。

先生「ボゴボゴボォッッ!!!!(情けねえ!!!!)」

……嘘だろ…!?????無茶だ!!!!水中で情けねえを歌うなんて、5分以上あるんだ!!!空気だって漏れてるし!!先生無理だ。無理だよ!!!!

ふと紳助を見ると紳助は泣いていた。大粒の涙が止まらなくなっていた。

ウォウォウォウ ウウォ ウウォ ウウォ

バラエティを

ウォウォウォウ ウウォ ウウォ ウウォ

滅ぼすなよ

先生「ゴボゴボゴ!!!!ボゴォ!!!ボゴォ!!!!!ボゴボズナボ!!!!」

僕「先生もういいよ!!!!紳助居なくても僕らでなんとかする!!!!!!がんばるよ!!!!だからノブちゃんもう!!!!!!!!」

紳助は伏せて泣いていた。紳助も苦しんでいた。

その時だった。背景に【実は】というデッカい文字が現れた。次に【2014年3月31日】という文字が現れ、場面が切り替わり映ったのはあの『いいともの最終回』だった。最終回ではまさにまっちゃんの呼びかけにとんねるずと爆笑問題がスタジオに乗り込んだ歴史的場面だった。

【実はあの裏で先生は・・・】

そう文字が出るといいともの舞台裏に場面が切り替わり、そこにはなんと、通路でたこ焼き屋をやっているノブちゃん先生がいた。

【たこを焼いていた・・・・】

たこ焼き屋を開きながら通路のスタジオが映るモニターをボーッと見てる先生。なんと伝説的な場面の裏で先生はたこ焼き屋を開いていたのだ。熱くなったのだ。居ても立っても居られなくなったのだ。でも出ていけない。自分は関係ない。だからたこ焼きで、せめてたこ焼き屋で、応援させてください。そんな気持ちだったのだ。

紳助はもう喘いで泣いていた。「そうやったんや」と泣いていた。

背景が戻る

ウォウウォウウォ ウォウ ウォウ ウォウ

フジテレビを

ウォウウォウウォ ウォウ ウォウ ウォウ

おちょくるなよ



井脇「ボゴボゴボゴボォ!!!!!!!!・・・・・・(貴明のむちゃくちゃかっこいい睨み)・・・・・」

全員泣いていた。あの時の先生の気持ちと、今の紳助の気持ちがリンクした紳助は大粒の涙が止まらなくなっていた。黒い奴は消え空の傷ももう擦り傷程度だった。

僕「あともう少し!!!!!先生あともう少しです!!!!!!!! 」

すると画面が暗くなり【紳助さん、ちゅら国際競技場へ来てください】という文字が出てきた。僕たちはちゅら国際競技場へ移動することにした。



ちゅら国際競技場に着いた紳助と僕らは驚いた。トラックの2〜7コースに人が並んでいた。

2コースに明石家さんま、3〜4コースにダウンタウン、5〜6コースにとんねるず、7コースにさっきの人が丸々入るぐらい馬鹿でかい水槽(滑車付き)に入った井脇ノブ子が居たのだ

紳助「お前ら・・・・」

すると競技場のスピーカーから音が流れ出し、とんねるずがマイクを構え始めた。『情けねえ』だ。涙ぐむ紳助。ウォウォウォウ ウウォウウォウウォの後を『紳助を』『みくびるなよ』に変えていた。とんねるずが歌い終えバーイセンキューをすると浜ちゃんがマイクを構え『WOW WAR TONIGHT 〜時には起こせよムーヴメント』が流れはじめた。「お前らほんま…」と言いながら泣く紳助。もう出す水無いぐらい泣いたのにまだ涙が出ていた。恥ずかしそうにする松本、「BUSAIKU HAMADA」を「BUSAIKU SIMADA」に変えて歌い上げた。最後にさんまがマイクを構え『笑顔のまんま』が流れ始めた。奥からヘキサゴンファミリー全員が走ってきて一緒に歌いはじめた。紳助はもう腕を顔から離すことは無いぐらい泣いていた。さんまが「おれを残して 引退をする そんなおまえは ほんまにアホや」と歌いながらアホらしほんま…みたいな笑顔で紳助へ近づき頭を叩き、腕を掴んで“空いていた1コース”へ連れてきた。歌が終わると学級委員の宮崎さんが競技用のピストルを構えて撃った。走り出す紳助、さんま、松本、浜田、石橋、木梨。ピストル音と共に井脇の入った水槽がなぜか後ろに倒れガラスが割れて水が全部出て「いっつもこーだ…」と言いながらピクピクする井脇。すでに走り出していたが後ろを振り返り「面白そうだ」という顔をして戻って井脇を蹴る木梨。コラー!!みたいな感じで走り出す井脇。走ってる間ずっとオナラを鳴らしていた。膝を全部アゴに当てる走り方をしていた。みんな楽しそうに走っていた。紳助とさんまが1番楽しそうに走っていた。他の5人は途中から主役を譲って軽く走る程度になっていた。こういう大人になりたい。これを見ている全員がそう思っていた。全力で走る紳助とさんま、一進一退、ゴールテープを切るのはどっちか、、、



さんまだ!!!!!!!!!!!!



すぐ紳助、その後に石橋、木梨、松本、井脇、浜田がゴールした。



さんま「紳助、年末まんま(SP)やるから。そこでええな?」

紳助「ああ…」



紳助が復帰した



僕らは無気力に生きるのを辞め今と未来をしっかり見るようになった。若くてパワーのある僕らでも誰1人叶いそうにない人達を見て、一瞬でもあの人たちの何かを超えられるぐらいの人間になろうと思った。まずは勉強だ。頭蓋骨を外して脳みそ丸出しで脳みそのシワの間に小さいアイアンマンのフィギュアが腹まで刺さってるノブちゃん先生が教室に入ってくる。



ノブちゃん先生「あなたたちは生の27時間テレビを復活させるでしょう」



顔を見合わせて笑う僕ら。

宮崎さんが手を挙げて大きな返事をしている。

カキン!!

よし、やるか。いつだって今が僕らの甲子園だ。

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