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花言葉の無い花に花言葉つける 詩人に懲役18年判決 青田地裁

青田県音仲町で昨年、長らく花言葉の無い花として親しまれていたナンヨウタオリの花に花言葉をつけたとして、特別指定動植物愛護法などの罪に問われた二重県池市在住の自称詩人、福原豊被告(65)の裁判員裁判で青田地裁は4日、求刑通り懲役18年の判決を言い渡した。

ナンヨウタオリ =音仲町遠浅川河川敷(周藤咲月撮影)

判決によると、福原被告は23年11月25日、青田県在住の女性写真家が撮影し、自身のSNSに掲載したナンヨウタオリの写真に「花言葉が無いことで知られているが、この可憐な姿はさしずめ"純真"という感じですね」などとコメントし、ナンヨウタオリの意味付けられない権利を侵害した。

飯島武史裁判長は判決理由で「ナンヨウタオリの"解釈されない権利"は、これまで多くの人々の良識によって守られてきた。その善意の不可侵領域を安直な言葉で踏みにじった犯行は非常に悪質」と指摘。「自らの承認欲求を満たすためだけに、ナンヨウタオリの自己定義権とこれまで積み重ねられてきた尊い歴史を貶めた。傲慢で酌量の余地は無い」と断じた。

判決言い渡し後、飯島裁判長は「あなたのやったことは取り返しがつかない。個人の芸術活動より優先される権利があることを学ぶべきだ」と説諭。被告は険しい表情で一礼し、刑務官に連れられ退廷した。

なお二重県にナンヨウタオリは自生しておらず、被告人は実物を見たことがないという。(周藤咲月)

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