『Hello,light. ~loundraw art works~』感想

 ハープです。
 私は時々、画集やイラスト集、ゲームやアニメのビジュアルファンブックなどが欲しくなるときがあり、その都度Amazonや書店で悩みながらお気に入りの一冊を選んでいます。これから紹介する画集(イラスト集)もそんなふうにして買ったもののうちの一つです。

『Hello,light. ~loundraw art works~』はイラストレーター(現在はアニメ制作などもしています)のloundrawさんの画集(イラスト集)です。そのうち、私が特に気に入ったイラストを紹介します。小説などの表紙になっている絵もありますが、その本自体を私が読んでいないこともあるので、そういった文脈は考慮しません。単純に絵として好きかどうかをメインに選んでいます。loundrawさんへのインタビューなども全てを見ているわけではないので頓珍漢なことを書いていたらすみません。イラストのタイトルは画集のINDEX準拠です。ちなみに、この画集は現在(2021年時点)、Amazonなどで比較的手に入れやすい状態になっている(中古)他、イラストによってはpixivなどで見ることができます。

『世界が記憶であふれる前に』
 最初このイラストを見たとき、きれいな絵だな、と思いました。そして悲しい絵だとも思いました。個人的に、この絵の女の子がいるページの空には雲がほとんどない、というところがお気に入りです。勿論女の子の後ろに雲を描くと絵的にごちゃごちゃしてしまって見づらいから、というのもあると思いますが、なんとなくこの女の子の心理描写なのかな、という気もします。

『虹を待つ彼女』
 loundrawさんはよくpixivで「#青の衝撃」タグがつけられるほど綺麗な青色の使い方をしますが、そう言われるのも納得します。本当に綺麗な青色です。細かく見ると白や紫の色も入っており、そっとグラデーションになっている部分もあって綺麗です。

『HOW MUCH』
 この絵は初めて見たときに悲しくて衝撃を受けました。obさんという画家の『Melting Flower Flows Away』という画集があるのですが、その中の『柘榴』という絵を思い出しました。

『ふわふわさんがふる』
 この絵は個人的にloundrawさんの中では珍しく、ちょっと不思議で天然な感じがします。作風が広いな……と思いました。なんともいえない愛らしさがある絵だと思います。

『カーディガンと午後』
 loundrawさんの描く絵やキャラクターは、先ほども書いたようにどこか悲しそう・寂しそうに感じられるものが多いのですが、この絵は温かく、ほっとするような印象を受けます。シチュエーションも日常の一コマといった風で、ほのぼのします。人物の顔を見せずにこういう絵が描けることは月並みな表現ですがとてもすごいと思います。

『2.5D×Real Sound presents GIRLS DON’T CRY vol.3 宣伝用イラスト』
 浜辺で女の子が笑っている……という、普通ならとても幸せそうな瞬間のはずなのに、loundrawさんの普段の作風によるバイアスがかかっているのか、儚げな印象を受けます。というか、幸福は確かに今この瞬間この絵の中にあるのだけれど、それがいつか失われてしまうということが分かっている笑顔、のような気がします。私が深読みしすぎているのだとは思いますが、どちらにしてもこういうイラストは好みです。

『I wait for the dawn.』
 この絵からは、一言でいうと不穏さを感じます。この絵のキャラクターの表情から感情を読み取りにくい(目が若干虚ろに感じる)からかもしれないし、影の使い方の影響かもしれません。こういう不穏さは私はかなり好きです。

『記憶屋Ⅱ』
 記憶屋シリーズの表紙は毎回構図が面白いのですが(読んだことはない)、個人的にはⅡが好きです。どちらかというと、実写でありそうな構図というか表紙だなと思っていて、実験的に見えて面白いです。

『また、同じ夢を見ていた』
 この絵も青色の使い方が好きです。虹を待つ彼女では青を基調としながらもカラフルな色づかいであることは先ほど書きましたが、こちらはどちらかというと暗めの青です。でも絵自体は暗い絵ではなく、むしろ開放感のある絵になっているところが好きです。

 まだまだ紹介したいイラストはたくさんありますが、長くなってしまうのでこの辺で。ここまで読んでくださってありがとうございました。

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