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ランチェスター戦略

大手がやらない事


さて、今回は個人起業家の戦い方としての考察を掘り下げてみましょう。「競争地位別戦略」でご紹介したリーダーは一般的に市場の
シェア率が26.1%以上の企業であると言われています。

↓ 競争地位別戦略」の詳細はコチラ ↓


市場(マーケット)の世界では、それ以外は全て「弱者」と
呼ばれていて、リーダーが持つ戦略は全て、リーダーが
より有利になるようなモノばかりが勢ぞろいしています。

これが「勝ち組がより勝てる社会」が示す資本主義の原理であり
世の中の格差を広げている理由でもあります。

ではボクらのような弱者はこのまま太刀打ちできずに
終わってしまうのでしょうか。
いいえ、決してそんな事はありません。
弱者には弱者の戦い方がちゃんとあり、これを実践する事で
リーダーとの差別化を図る事ができます。


それが「ランチェスター戦略」と呼ばれる戦略で
中身はザックリ言いますと「大手企業がやらない事」の
大全集ですね。ただ、これらの戦略は万能武器という
わけではありませんのでこれさえ知っていれば絶対に
リーダーに勝てるというわけでもありませんが、逆に
「これを知らなければ勝てる戦も勝てなくなってしまう」
事は十分にあり得ると思います。


大手がやらない5大戦略


さて、大手が「やらない」と書きましたがまずは
「なぜやらないのか」を簡単に紐説いてみましょう。
ランチェスター戦略に含まれる戦い方というのは
どれも地道で地味です。

大手はリソースが潤沢にある分、大量に同じ物が早く出来上がるので
全ての行動が効率的で早いんです。一気に大量のリソースを
たくさんの場所に配置できるのが大手のメリットです。
ですので、それに準じないような「手間がかかる」
「用意に時間がかかる」ような戦略は「無駄が多い」と
判断される為に「やらない」選択肢になってしまうんですね。

それを踏まえて中身を見てみましょう。


1.局地戦

自身が扱うビジネスの「数量」や「地域」「種類」などを
限定してしまう戦略です。
例えば商品の1つ1つにコストをかけて「数量限定」にして
しまったり「地域限定」にしてしまう手法です。
また、1種類に極端にコストをかけてしまって
「この1種類だけ」といったノンバリエーションもこの
局地戦に含まれるようです。

こういった戦略が取れるのは品質第一のニッチ領域が
有利かもしれません。まずは「最高のクオリティ」である事が
前提条件になるこの戦略は、老舗の有名和菓子店のような
歴史ある店舗や、全く目新しい物を作って拡販したい
「クラウドファンディング」で出資を募ったような企業が
販路・認知の拡大の為に取れる効果的な戦略でもありますね。


2.一騎打ち

これはお客様1人1人とヒザを突き合わせながら
「認知度や人気」を獲得していく戦略になります。
こちらはどちらかと言うとフォロワー戦略に向いている
戦略になります。ニッチ領域ですと早々にかけたコストを
回収する必要に迫られますので、この戦略では少し効率が悪く
最悪の場合間に合わない事も想定されますので、やはり
「個人が何かを発信したい」時の起爆剤として活用する時に
最大効果を発揮できると思います。


3.接近戦

こちらは一騎打ちに近い戦略と言えますが「オンライン・画面越し」
ではなくお客様とFace to Faceで「直接会って」認知の機会を
増やす戦略です。やはり実際に会う事は人間の信頼関係を深めます。

高級レストランで客人が「シェフに直々に御礼を言いたい」と
お願いしたり、ホテルの接客係の神対応が話題になったりするのは
やはり直接お客様と触れ合える距離にいるからです。
こちらは完全に接客業が有利かと思いますが、ボクらのような個人
で行う事業であっても「現地でセミナーを開催」したり
どこかの講演会へお邪魔させて貰えたりすると、この接近戦は
成立すると思います。


4.一点突破

これはもう至ってシンプルです。投下するリソースを限定的に
絞ってしまい、逆にその他の事には一切使わないようにという
節約型の戦略です。

ボクなんかは「時間リソース」をフル活用して「お金リソース」の
投下を控えてあります。これは機を見て投下させる為に残してある
もので、決して老後の生活費に溜め込んでいるワケではありません。

また逆に先に店舗を建ててしまう「お金リソース」に一点投下
してしまって、立ち上げまでの時間を大幅に短縮する事もできます。
こちらは自身が「何屋さん」なのかが決まっている方が打てる
戦略であり、ハコさえ建ててしまえば後は運転するだけという
有利な状況が作れると思います。


5.奇襲攻撃

こちらは「王道製品」に対しての「変化球」になりますね。
変わったフレーバーのドリンクだったり、見た事もない食べ物だったり。

諸外国で流行のソウルフードである事が多く、得てして
写真写りの良いモノはSNSでバズったりしますので小規模店舗の
一発勝負的なニュアンスに近いかもしれません。

世間のニーズの変化は想像以上に激しいので、この変化球は
そう何度も通用するものではないと心得て良いと
ボクは個人的に感じています。


個人の戦略


さて、このどれもが大手企業(リーダー)がやりたがらない
戦略になります。その答えは至ってシンプルで
「割に合わない」からです。同じ物が大量に早く作れる
リーダーにとって「効率」は何をりも重んじられます。

であれば我々個人事業主は、自身の立つ地位によって
これらの戦略を使い分ける事で弱者としての立場を
続ける事が可能になるのではないでしょうか。

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