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MLMが多用される理由

【ネットビジネスとMLM】


さて、フロントエンドとバックエンドの順番がいかに大事か
という事をご紹介させて頂いたところで、ネットビジネスの
流行りについて少し触れてみましょう。

ネットビジネスと言えばMLM!これはもうド定番ですね。
※MLM:Multi Level Marketingの略(日本語では連鎖販売取引)

世の中には様々なビジネスモデルがある中で、ナゼこんなにも
MLMが主流なのか。まずはMLMの特徴を挙げてみましょう。

MLMの特徴

一般的にMLMはマルチ商法とも呼ばれその組織手法としては
特に違法性はありません。MLMと聞いてまず最初にピンと
くるのは「ア〇ウェイ」だと思いますがその他にもカーディーラー
や保険外交員さんなども結局は同じ組織体系で成り立っている
業種と言えるのではないでしょうか。
他にも化粧品や健康食品を扱うような「特約店」や「販売代理店」
などを置いている業種は、こういった連鎖販売取引の体系を
採用しているところも珍しくありません。

特徴としては、まずこういった体系を取っている組織
というのは基本的にはピラミッド構造になっている事が多いです。
トップがいて、その配下に幹部が数名いて場合によっては各幹部の
下に複数のリーダーがいて、その各リーダーの下にはたくさんの
方々がいるといった形式のピラミッド型の組織ですね。

そして最大の特徴は、こういった方々は「商品を扱う販売員である」
という事だと思います。会社の営業部門だけが独立して独り歩き
しているような感覚でほぼ間違ってないと思います。
#要は販売員さんです

なので当然「売り上げ」によって評価や報酬に違いは出ますし
たくさん売れればそれだけメーカーからの報酬も高いのが特徴
でしょう。これは「物を売る」というスキルが単独で成り立って
しまうほど世の中に対して影響が大きい事を意味していて
ハイリターンを求める方々がこぞって参入するのも頷ける話ですね。

では次に、このMLMのメリットについて触れてみましょう。


MLMのメリット


「初心者が簡単に始められる」
これがMLMの最大のメリットでしょう。MLMは基本的に誰かの
成功定義をそのまま普及させる活動ですのでやる事が決まっています。
特に大手はキチンとマニュアル化されていて「読めば分かる」ところ
まで行動に落とし込んであるのではないでしょうか。

これによって、初心者でも迷わず作業に掛かれます。
また、先輩や師匠に当たる人の作業の一部を担当するような
軽作業から入る所もあるようです。今までネットビジネスどころか
企業へ就職しか経験のない方にとって”何をすればいいのか”というのは
結構核心的な心の問題で、これが明確でない組織へ勧誘されると
やれ宗教だの詐欺だのと疑われる事が多いです。


「紹介料としての収益」
MLMはその性質上、自分の支配下の人が上げた売り上げ実績の何%かが
自身の懐に返ってくる仕組みになっている事が多いです。
よって、ある程度自身の配下に人員が増えれば自分で売り上げを
上げる必要がなくなり、実質管理職に近い状態を造り上げる事が可能です。また、ピラミッド構造を採用した事により先輩・後輩の立場が
生まれますので自動的に「権利フィー」などの難しい計算方式は
先輩が一緒に付き添って説明するパターンになります。その後は
自分の配下に誰かがやってくるまでに商品の説明とその計算式を
覚える事がメインの業務になり、手厚いフォローの連鎖が生まれます
ので、これも初心者のハードルをより一層下げる事に繋がります。

少し情報は偏っているかもしれませんがこの辺りがMLMの
長所と言えるでしょう。そしてこれらはMLMの勧誘広告を見れば
勧誘文句としてデカデカと書かれている事が多いですね。

ただ、これらは全て起業畑の初心者にとってはメチャメチャ有難い
項目で、モチベーションというよりはボルテージMAXで走り始める
事ができるのです。


MLMのデメリット

ではデメリットについても触れてみます。

「ねずみ講になりがち」
これが一番大きな短所だと思います。MLMとの大きな違いは
「商品販売」が目的かどうか。マルチはセールス業である事は
先にもお伝えしましたが、販売員を増やす事にボーナスを付与して
いる組織も少なからず存在しています。そうなると
「自身の部下を増やす」に収益を特化させる人が続発する事になります。
#物を売るより配下を増やす方が早い

こうなると最早セールスではなくなりますので、違法行為となって
しまうんですね。起業・副業を目指す初心者が入るMLMの多くは
だいたい”売る物”があるハズです。それを売る事で組織もしくは
メーカーに還元しましょう!が本来の目的であり企業もしくは組織が
作った商品の斡旋販売に力を入れる活動がメインのハズなのですが
先にもあったようにこういった組織には大抵「新規加入販売員」
獲得時の権利収益が設定されています。

よって、その組織内で”上を目指したい”人にとっては、商品を
地道に宣伝してお客さんに買ってもらうよりも、自分の配下を
増やした方が”楽”だと思ってしまいがちです。これは自分が
売って稼ぐより、部下が売って稼いだ収益の何%かを貰った方が
不労所得に近付いた気になれるという動機が起こす事故だと思います。

そうなると当然、宣伝材料は「商品」⇒「権利収益」に変わっていき
ターゲットも「顧客」⇒「お金が欲しい人」に変わっていきます。
ただ”商品”が実際に動かないシステムは本当に「ねずみ講」に
なりますので”入会権利”として入会希望者には最初にその組織の
商品を「必ず買う」というルールになっている場合がほとんどですね。
※ねずみ講は犯罪です

また、もう1つのデメリットとして
「機長症候群になりやすい」というものが挙げられます。
これはあまり聞きなれない言葉だと思いますが、簡単に言うと
『権威の発言は絶対』といった状況が生まれやすくなるという事です。
先述にもあった通り初心者は「自分には知識がない」と思い込んでいます
ので、自分を引き入れてくれた先輩もしくは統括する人を「権威」
として認識します。すると「権威」=「間違いない」とも思い込みます。

この”機長症候群”はその昔アメリカ空軍で実際起こった悲劇を基に
作られた言葉だそうです。当時駆け出しのパイロット生が当時超有名だった大佐の補佐(副機長)として飛行機に同乗した際に、鼻歌混じりに
大佐が首を縦に振ったのを「離陸の合図」だと勘違いして機首を
上げてしまい墜落したという痛ましい事故が起きたのだそうです。

確かに”大佐と新人”ですので経験や知識の差は大いにあるものの
その根底にある問題点は『自分で考える事を放棄する』という
誰もが気付かない内にやってしまっている思考そのものです。
ひとたびこの状況が生まれると、人は状況判断を全て
「権威に丸投げ」してしまいます。「正解は権威が握っている」
と思い込んでしまい、質問も「これでOK?」or「これはNG?」
のような単調なモノになってしまう上に究極は「指示待ち」の
状態が常習化してしまいます。これでは人は育ちません。

また、この状況を知った上で配下の人々を自分の意のままに
コントロールする人も出てきます。


そしてもう1つ。
「正解・不正解が明確」というもの。
これは一見すると良い事のように見えるかもしれません。
「やらなければならない事」が決まっていて「やってはいけない事」
も決まっている。初心者にとってはこんなに走りやすい環境は
ないですね。ですが、これが逆に上記の「機長症候群」を生み
配下をコントロールするのに最も適した環境を生み出します。
「自分が考えたように」「自分の思うように」といった自己成長を
潰すシステムが「ルール」ですので、この状況に縛られ過ぎると
人は成長を止めてしまいます。「なかなか実績が上がらない」
これは様々な原因が考えられますが、一番大きな要因は
「権利収入」を売りにしている事ではありませんか?

今、多くの方が”消費”に使う買い物はだいたいAmazonや楽天などの
大手が握っています。よってマーケティング知識のない
初心者がこれらのマーケットリーダーと同じ売り方をしても
顧客に相手にされない事も珍しくありません。これが「権利収益」に
走る原因にも繋がるのですが、今度はこちらに走るとほぼねずみ講
と同じになる為ターゲットが”顧客”から”友人・知り合い”に変わって
しまいます。つまり自身の周囲にしか話せない

内容になってしまう為に、なかなか実績として
実らない結果になる事は多いです。


安易にMLMに走る前に、自身がやりたかった起業人生は
「セールス」だったのか。一度立ち止まって考えてみる
というのははいかがでしょうか。

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