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推しが逮捕されたときの話


はじめに

前略、世の中のオタクよ。推しのニュースに泣かされたことはあるか。推しの結婚報告で狂うオタク、公式からの特大供給に泣かされるオタク、理由はどうあれ狂ったオタクを人生のうちで幾度となく目にしてきた。それが私の場合、逮捕だったと言うだけだ。そんな他愛もない話を、どうか書き綴らせてほしい。文章をつらつらと並べることには不慣れなため、多少の読みにくさはご愛敬ということでよろしく頼む。(ついでにnoteでの投稿も初めてなので機能も全くわからん。)

ついでにこのnoteを書こうとしたことに深い意味は無い。ただ少し、特異な状況での自らの感情の変化を文字にしておきたかっただけだ。

以下、ほぼ日記

今までは派手に公式に狂わされることもなく、時折出てくる新曲に耳を傾け、それ以外はSpotifyか何かで好きなアルバムを垂れ流し、推しを好きなだけスローペースで推す、そんなぬるま湯に浸かっていた。
何かを生み出すにはエネルギーがいる。音楽を生み出すのも同じだ。だから供給はめちゃめちゃ多いわけではないし、だからこそ新曲の重みは大きい。ミュージシャンを推すって多分そうだろう。その頃、私はまだ幸せだった。

さて、私のことについても少々書かせていただこう。普段は二次元にハマることが多いゲーマーの私だが、また別の好きなアーティストからの繋がりでとある音楽グループにハマった。そのリーダーであった我が推しを現在までだらだらと追い、Twitterをフォローし、耳に毎日のように音楽を流し込んでいた。そんなわけで、三次元でリアルタイムで好きなものを追える喜びを久しぶりに実感したのであった。

それも今日までの話である。2021年某日、愛用のノートPCを起動し、青い鳥が舞うTwitterのアイコンをダブルクリックした。タブが開くと、画面右側に鎮座するトレンドに目が自然と惹きつけられた。そこに推しの所属するグループ名があったからである。ついに彼らの時代が来たか。なんかテレビとか出たんかな〜見逃したかな〜ヤベヤベと思ってほくそ笑んだ私は、惹きつけられるようにその項目をクリックする。

だが現実は甘くない。想像をいつだって裏切る。
口角が上がりっぱなしの私の目前のスクリーンに写った文字は、「逮捕」。…何がなんだかわからず、マウスのホイールを走らせた。…グループの公式アカウントが謝罪文を投稿している。EPの発売が中止されている。数日前、新しく公開されたMVが非公開にされた。パトカーから出てくる見知った顔の映像。容疑者、と不名誉な肩書がくっついた彼の本名。クリックするマウスが立てるカチカチという乾いた音が、やけに無機質に響いた。

スペースキャット、とでも形容すればわかりやすいだろうか。その時の私は、まさにそんな風であった。動揺しすぎて「だからなんなんだ」という発想しか出てこなかった。あまりにもポンコツである。落ち着きを求めた私は、何を思ったか数ヶ月前に制作をやめたLive2Dのモデルを開いた。そうして2時間ばかりを溶かしてやった。まあ要するに、現実逃避というやつである。非常にしょうもない。
だって逮捕なんてあまりにも遠い世界だったもの。

その後、今度はニュースサイトへつながるリンクがぶら下がったツイートを目にした。誰だよ、とかそんな感じのリプライを見て「お前この人知らないとか人生損してるぞ」とこの期に及んで思う。布教したいめんどくせえタイプの魂(ソウル)である。

そしてそんな事件の2週間後(たぶん)、彼がメジャーデビューしたあとの音楽たちはyoutube上からもSpotify上からも消滅した。ついでにCDの店頭販売中止とか出荷停止とか。訳わかんなくて100回ググッた。レーベル側が消したらしい。おい。
もっと早く彼らの魅力に気づいて、もっと早くCDを買っておけばよかった。貧乏かつドケチなしょうもない学生である私は、CDに払うたかが数千円を渋っていたのである。そんな過去の私を許せない。このやろう。

正直なところ、「犯罪やったからもうお前らは切り捨てでーす」みたいなCD会社の対応には不満しかないのが正直なところである。ふむ、他の会社もそんなものだろうか。だとしたら私は社会に出たくないな。(社会不適合者ムーブ)

結論

確かに私の推しは法に背く行為をした。だからといって、彼の音楽は規律に違反するわけではない。アーティストと作品は時に別物なのだから。もしも私が彼という人間を好きでいられなくなったとて、彼の生み出した音楽は今まで通りそばにあり続けるだろう。彼のしたことが発覚する前、彼がわるい事をした時と何ら変わらない。それでいいのではないだろうか。世間が「駄目だ」と言ったとて、好きならば好きであっても、それでもいいと思う。

また彼らが彼らのまま歩き出せることを切に願う。まとまりのない駄文で申し訳ないが、好きなものは好きだと言ってほしい。結局はこれだ。
そして、これはよく言われることではあるが、「推しは推せる時に推せ。」これが無様なオタクからのメッセージである。オタ活はこれが全てだ、と知る条件は推しを推せなくなることなのだから、それをよく知った私はやっとこの台詞を口にできた。
クソガキは、またひとつ世の中を知った気になったのだった。

追記

年が開ける前、推しは釈放された。そして私は記事に追記をするのを忘れた。
この追記を書き連ねているのは年明けの1月17日。
まあなんやかんやあって彼はシャバの空気を吸うことが出来たらしい。
グループのメンバーから公式に声明文は出ているが本人からは未だ出ていない。
(とはいえ私自身が学業の関係で多忙を極めているためSNSをチェックできていないので出ていても多分見逃している)
正直なところ本人の声が聞きたい。

だが、釈放されたからそれでただよかったねって手放しに喜ぶ無条件の肯定だけをするファンにはなりたくない。
自傷だの死だの、私らのアイドルのことだのをバースに乗せ続けてきた彼はたぶんそんなゆるしは求めていないと思う。面倒臭いモンペですまんな。

あとがき?

あとがき、とはいっても大したことは書けない。私の持つLIKEの気持ちをあとがきに封じこめてもうおしまいにすることはないし、できる限り簡潔にいきたいものだ。小説とか読んでてもふと思う、この好きを文章に落とし込んだら忘れちまうんじゃないかってたまに不安になる。結局のところ精神論だ。

ここまで頑なに推しのことは個人名を出さずに記事を書いてきたがそのうち彼らのラップのオススメナンバーでも晒す記事を新しく書いてやろうと目論んでいる。
まあここでは直接的には出さないが、いずれまたビットの世界でお会いできたらと思う。
お読みいただきましてありがとうございました。

※また何かこの件について動きがあれば追記する可能性があります
※なんとなく推しの察しがついても個人名を出すことはお控えください

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