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 高校に入って二度目の夏の夜。勉強に飽きた僕は近所の散策に出ていた。ちょっとした気晴らし。少し遠い自動販売機まで、飲み物を買いに。
 家の冷蔵庫には、麦茶もある。炭酸の効いた甘い飲み物も、たくさんあった。それでも、わざわざ出かけてきたのは運命を感じていたから。なんてことはなくて。ただ、勉強をしたくなくて。飲み物を買いに行くという大義名分が欲しかっただけだった。
 そのついでに、面白い事が見つかったらいいな。という期待は、あったかもしれない。
 深夜なのに、蝉の声がうるさいし。ただ歩いているだけなのに額には汗が浮かんで、服もピッタリと肌に貼り付いてしまう。これは、帰ったら汗を流さないとなー。なんて考えていると。ふと、去年の冬も、こうやって深夜の公園へ向かって歩いていた気がした。あの頃は何をしていたっけ。思い出そうとすると、胸がギュッとしめつけられるようで、何も思い出せなくなる。

 

「やぁ、こんな時間に外にいるなんて危ないじゃないか」
 公園のすぐそばの自動販売機に向かって。何が一番、冷蔵庫のストックとかぶらず。美味しく、量があるか。なんて事を考えていたら。背中の方から優しげな、とても柔らかい。どこか懐かしい気がする女性の声が聞こえた。
「君、同じ高校の人だよね。こんな夜中に出歩くなんて、いけないんだぞ?悪い子だなー」
 そう続いた声は、少しいたずら好きな。こちらをからかっている色を滲ませた声で。僕は、突然話しかけられてビックリしているのか。それとも、背中の女性の声がとても好みだったからドキドキしているのか。わからなくなってしまった。
「すいません。ちょっと勉強してたら飲み物が切れちゃって、一本だけ買いにきたところなんですよ」
 僕はそう言いながら、こないだ買った事を後悔した変な味の炭酸飲料のボタンを押して。続けて、無難そうな緑茶のボタンを押した。
「そうか!実はな、"繧ォ繝ッ繝舌ち"も何か飲もうと思っていたところなんだ。ふっふーん、偶然同じ理由で会えるなんて天才的だな」
 得意気な声をあげる背中の人に向き直り、変な味の炭酸飲料を差し出して
「これで、お互い内緒にするっていうのはどうですか?」
 そう言いながら、なんだか気恥ずかしくて視線を逸らしてしまった。向き直っている時に、チラリと見えたオレンジがかった長い髪の彼女は、とても美人に見えた。気がした
「すまない、"繧ォ繝ッ繝舌ち"はシュワシュワが得意じゃないんだ…せっかく買ってくれたのに。申し訳ない」
 そう言って、本当に申し訳なさそうに俯いた姿は子犬のようにしゅんとしていて。こちらが申し訳なくなってしまった
「もう一本買ったんで大丈夫ですよ。緑茶は飲めますか?」
「緑茶?"繧ォ繝ッ繝舌ち" 実は緑茶は結構好きなんだ。ご飯を食べる時はいつも飲んでるぞ。"繧ォ繝ッ繝舌ち"の好みがわかるなんて、さては天才だな?」
 顔をパーッと明るくさせて、僕の手から緑茶を受け取ってくれた彼女は。こんな事で天才だと褒めてくれた。ただのお世辞だろうと思っていても、なんだか照れくさく感じてしまう。
 でも、さっきから"繧ォ繝ッ繝舌ち"と言っているけど。これが彼女の名前なんだろうか?一人称で自分の名前を呼ぶなんて、結構子供っぽい人だな。
 突然話かけられて、普通なら警戒して逃げ出してもいいはずなのに。なぜか、話をしたい。し続けたいと、そう思った。
「あの、そこの公園で。少しお話しませんか?勉強に疲れちゃって誰かと話をしたい気分だったんです」
 気付いたら、そう口からついて出ていた。
 何言ってるんだ僕は、こんなのまるでナンパじゃないか。はじめて会った人に向かって…いきなり過ぎるし、こんなの
「いいぞ!お話しようじゃないか。あの公園にはお気に入りのベンチがあるんだ。そこに座って話そう。"繧ォ繝ッ繝舌ち"友達がいないからこうして話をするのは久しぶりかもしれない」
 


























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