FKQ2-余四郎の記録

0.Fate Killer Queen IIとは

キラークイーン村とFate世界観を掛け合わせたもの。
この記事は自身の忘備録を兼ね、記録をするために作成しているため、詳細な説明は省略する。
Fate Killer Queen IIのネタバレを大いに含んでいるため、これから村ログを読む人は注意して欲しい。構わない人のみ次項以降へ。

1.余四郎というキャラクター作り

とらすけのキラークイーン参加者としての初回は「ろくでなし リー」を使った。この時は『PL=とらすけが素に近いままRPが出来る』『強めの言動を行える』という、長期人狼においてとらすけが狼希望をして野良村に入るときのような選び方をした。
結果、犯人側の首魁と見られたのもあり、自身の命を狙う人物の動きを察知できなかったのもあり、4日目処刑という形で死亡した。無念。

星狩の宴での経験を踏まえ、『とらすけが素に近いままRPが出来る』という面は非常に大きく『話しやすさ』に繋がったが、『強めの言動を行える』という点は良し悪しであったと言えるだろう。

あまりRPは得手ではないが、敢えてRP色を強めるため、『幕末の時代からやってきた土佐訛りの侍』という設定を与えることにした。喋り言葉は全て土佐弁、という縛りである。
レイシフトで集められたという村の設定上、過去の時代からやってきたという設定も、異国の事情を知らないという設定もRPに落とし込めば、ぐっとRP色が強まるだろうという目論見だ。
また、あまり動き回らずとも印象的なキャラクターとして他参加者に記憶されるだろう、という目的もある。
なおこの設定で行くためにGMへ「江戸時代から参戦しても構わないか」「帯刀はアリか」などなど、世界観にそぐわないであろう部分は大量に質問をした。良い子の皆は真似しないように。

2.FKQ2に挑むための下準備

まず大きい事前情報としては「事件入り」ということだろう。詳細はリンク先を参照して頂きたい。
Fate Killer Queen IIにおいてコミットのルールは『原則使用禁止』であること、短期決戦KQにおいて相性があまり良くないであろうことから、【悪夢】および【不満】【熱意】を入れるのは難しいだろう。【降霊会】も墓場から地上へ情報が渡るため、少々考えにくい。またサーヴァントになぞらえて配布情報を作るという性質上、【亡霊】また【二重スパイ】【妖精の輪】など、ランダムな人物へシステムスキルの改変をせざるを得ない事件が入っている線も薄い。【聖者のお告げ】はそもそもランダム恩恵である「決定者」を入れなければならず、こちらもサーヴァントの仕様を改変する必要があるため、可能性は低く見積もれる。

ここから残る事件で村中に判断材料に成り得るのが【四月馬鹿】である。この日には一部の役職が入れ替わることと、絆を結んだ相手にしか投票できない・能力が使えないという点が大きなポイントである。絆役職入りの場合、この事件は入らないだろうと踏む。
また入れ替わる役職は固定されており、「賢者←→魔女」「守護者←→長老」「賞金稼←→少女」というように変化する。つまりこれら6役職が見当たらない場合、おそらく【四月馬鹿】は入っていない。逆に言えばこれらの役職を見つけたときには、この事件が入っていることを警戒すべきであろう。
その他の事件は入る可能性がどれもあるだろう。

また、Fate Killer Queen IIのWikiには幾つかのキーワードが存在した。

「3年前、1888年に起きた”ある猟奇的殺人事件”、それを連想させるかのような、女性をターゲットとした刃物での殺人事件。」
「あの名探偵、シャーロック・ホームズさえいれば!」
「また、この時代の倫敦には、名探偵と対となる巨悪が存在した。」

これらをサーヴァントで当てはめてみると、それぞれ「ジャック・ザ・リッパー」「シャーロック・ホームズ」「ジェームズ・モリアーティ」となる。「シャーロック・ホームズ」は犯人役の全滅、「ジェームズ・モリアーティ」は自身を除く全員の敗北――つまりキラークイーン役、「ジャック・ザ・リッパー」は女性サーヴァント全員の死亡が死亡の犯人役、と予測を立てた。

が、邪知の代名詞たるメインGM某Jigoh氏のデザインするキラークイーン村でそのような安直なことがあるだろうか? 否である。
そこで一つの仮説として、「シャーロック・ホームズ」が配布されるのは二名、うち一名は変装した「ジェームズ・モリアーティ」であり、3日目のタイミングでそれぞれ自らの正体を知らされる、というギミックを考えた。
具体的な配布情報は以下の通り。

【サーヴァント情報】
 クラス:アーチャー
 真名:ジェームズ・モリアーティ
 属性:混沌/悪
 性別:男性
【役職】狼血族
【勝利条件】自身のサーヴァントを除く全てのサーヴァントの敗北。
※あなたは【犯人役】【聖杯所持者】です。

【宝具・スキル情報】
スキル「真名隠蔽」常時
 あなたは「真名」を調査されたとき、
 『シャーロック・ホームズ』と相手に通知する。

スキル「魔弾の射手」日跨ぎ
 このスキルは「特殊襲撃スキル」として扱う。
 他の「襲撃スキル」と干渉せず、毎日1人を選んで殺害できる。
 使用できるのは最大7回まで。
 このスキルは「終局的犯罪」使用後、破壊される。

スキル「邪智のカリスマ」常時
 あなたは参加者全員のクラスと役職と勝利条件を知っている。

スキル「蜘蛛糸の果て」常時
 あなたはいかなる理由により死亡した場合でも、
 ゲーム中1度のみ、即座に蘇生される。

宝具「終局的犯罪」日跨ぎ/真名開放
 ゲーム中1度のみ。表ログで自身の真名/宝具/対象を宣言して使用する。
 このツールの申請は21:00までに行う。
 スキル「魔弾の射手」の残り使用数までの人数の相手を宣言し、
 その相手のサーヴァントの真名が合致している場合、殺害する。
【サーヴァント情報】
 クラス:ルーラー
 真名:シャーロック・ホームズ
 属性:中立/善
 性別:男性
【役職】村人
【勝利条件】犯人役全員の敗北。
※あなたは【探偵役】です。

【宝具・スキル情報】
スキル「仮説推論」日跨ぎ
 このスキルは『調査』として扱う。
 毎日1人を選んで、相手の真名を知ることができる。

スキル「天賦の見識」日跨ぎ
 このスキルは『調査』として扱う。
 毎日1人を選んで、相手の役職を知ることができる。

スキル「陣地作成」常時
 あなたはGMスキルの効果によって殺害されない。

スキル「明かす者」常時
 あなたは全ての『事件』を知っている。

宝具「初歩的なことだ、友よ」即時/真名開放
 ゲーム中1度のみ。表ログで自身の真名/宝具/対象を宣言して使用する。
 宝具「終局的犯罪」の効果を無効化する。
 無効化に成功した場合、あなたは宝具「終局的犯罪」の
 所有者の全ての配布情報を知る。
 このツールの申請は21:30までに行う。

この二名を軸として、架空のロンドン構成を練ってみたところ、悪くない出来映えとなった。シャーロック・ホームズが生きている限りジェームズ・モリアーティが勝利する線はなく、シャーロック・ホームズさえ死んでいればジェームズ・モリアーティが勝利する。シンプルな図式である。ツールが多いのはとらすけの趣味である。

3.騙りサーヴァントの準備

次に行った事前準備は「騙りサーヴァントの準備」である。例えば「ジャック・ザ・リッパー」を引き当て、真名を名乗ればまず間違いなく瞬殺されるであろう。ということでざっくりと予習を行った。
まずFate/Grand Order、第四特異点に登場した14騎のサーヴァントは出てくる可能性が高い。また「シャーロック・ホームズ」「ジェームズ・モリアーティ」が存在する可能性もあるだろう。第四特異点でも時計塔の存在に触れられていたことから、「諸葛孔明〔エルメロイⅡ世〕」「司馬懿〔ライネス〕」「グレイ」も登場する線は十分ありそうだ。
合計で19騎、多くもないが少なくもない、微妙な数となった。

そこで『被っても構わない騙りサーヴァント』と『被りたくない騙りサーヴァント』に分け、準備を行うことにした。
全ての配布サーヴァントには最低でも宝具とスキルが一つ以上存在することはWikiに明記されているため、一つずつ設定しておき、必要に応じて後から付け足しやスキル内容の改変などを行うつもりだ。

『被っても構わない騙りサーヴァント』は上述の19騎から作る。仮に同じサーヴァントが別の誰かに配布されたとき、こちらから騙りであることを晒しても構わない場合に用いる。
次に『被りたくない騙りサーヴァント』は上述19騎以外から引っ張って来る。完全に真名を隠匿したい場合に用いる。
用意するサーヴァントは「ジャック・ザ・リッパー」の存在を懸念し、男性サーヴァントもしくは性別不明サーヴァントのどちらかが望ましい。そして簡単に用意したものが下記の4騎である。

【サーヴァント情報】
クラス:キャスター
真名:ハンス・クリスチャン・アンデルセン
属性:秩序/中庸
性別:男性
【役職】村人(ほか無能力者であれば何でも構わない)
【勝利条件】宝具「貴方のための物語」を使用した相手との生存。

【宝具・スキル情報】
宝具[貴方のための物語] <メルヒェン・マイネスレーベンス>  
※GMスキル/アクティブ/真名開放
 ゲーム中1度のみ。表ログで自身の真名/宝具/対象を宣言して使用する。
 対象に指定した相手を翌日の発言待機時間中に蘇生する。
※この宝具は21:00までに宣言しなければ発動しません。

スキル[人間観察] ※GMスキル/アクティブ
 毎日1人を選んで、相手のサーヴァントの
 属性・性別を調べることができる。
【サーヴァント情報】
クラス:キャスター
真名:メフィストフェレス
属性:混沌/悪
性別:男性
【役職】人狼(ほか犯人役職であれば何でも構わない)
【勝利条件】宝具「微笑む爆弾」により、2名以上を殺害する。

【宝具・スキル情報】
宝具[微睡む爆弾] <チクタク・ボム> ※システムスキル/アクティブ
 襲撃スキル。毎日1人を選んで殺害できる。
 ただし複数の襲撃スキルがあった場合、発動するのは1つだけ。

スキル[道化の大笑] ※GMスキル/アクティブ
 ゲーム中1度のみ。任意の人物一人を指定し、
 その人物は翌日一日のみ、GMツールの効果を一切受けなくなり、
 勝利条件を満たしても投票保護状態にならない。
※このスキルは21:30までに使用申請をしなければ発動しません。
【サーヴァント情報】
クラス:アーチャー
真名:ロビンフッド
属性:中立/善
性別:男性
【役職】邪魔之民(ほか何らかの能力持ちの人間を想定)
【勝利条件】スキル「破壊工作」の発動に2回成功。

【宝具・スキル情報】
スキル[破壊工作] ※システムスキル/アクティブ
 1日1回、毎日使える。任意の人物一人を指定し、
 その人物を占いから包み隠す。

宝具[顔のない王] <ノーフェイス・メイキング> ※GMスキル/アクティブ
 ゲーム中1度のみ。表ログで自身の真名/宝具/対象を宣言して使用する。
 自身を含めた任意の人物一人を指定する。
 その人物は本日投票されなくなる。
※この宝具は21:00までに宣言しなければ発動しません。
【サーヴァント情報】
クラス:バーサーカー
真名:クー・フーリン〔オルタ〕
属性:混沌/悪
性別:男性
【役職】一匹狼(騙りが必要だと感じた場合用)
【勝利条件】8人以上の死亡。

【宝具・スキル情報】
宝具「噛み砕く死牙の獣」<クリード・コインヘン> ※システムスキル/アクティブ
 特殊襲撃スキル。毎日1人を選んで殺害できる。
 他の襲撃ツールと互いに干渉しない。

スキル「矢避けの加護」※システムスキル/パッシブ
 あなたは襲撃スキルによって死亡しない。

ハンス・クリスチャン・アンデルセン、メフィストフェレスは被っても構わないサーヴァント。対し、ロビンフッド、クー・フーリン〔オルタ〕は被りたくないサーヴァントとして準備した。
Wiki情報によるとそれぞれのサーヴァントには「願い」が設定されているらしく、クリア条件に関わってくるという。どのような配布が成されるか未知数であるため、また騙り用サーヴァントの準備完了がプロローグ当日まで遅くなってしまったために、ひとまずは保留する形になった。

そしてプロローグ開始、村建て日を迎える。

4.いざプロローグへ

前回参加したキラークイーン星狩の宴での「ろくでなし リー」とは動きを変え、こちらから積極的にエンカウントを仕掛けに行くのではなく、あまり動き回らずにじっくりと一人一人との会話の密度を上げていきたいという指針を持つことにした。

が、少年Aと遭遇して絡んだ結果、「なんとなくコイツとがっつり縁故を結ぶと本戦入る前にメッチャ情湧きそうな気配あるわ……逃げとこ」という理由により、居座る予定だったアビ・ハウスから脱出。
移動としては、アビ・ハウス→パブ→カフェテリア前→アビ・ハウス、というだけだったが、直接会話を出来たのが11人中8人という結果であった。当初の目的はどこに消えてしまったのか。
なんとなくの流れに乗ったままプロローグを過ごすとこういうことになるんだなあ、ということを学んだ。順調に喉を枯らして1日目開始に備える。

5.1日目開始、サーヴァント配布

引いた役職は『衰狼』。衰退の仕組みが分かっていないところに当たったらどうするつもりだったのか、と思いながら配布文章を待っていると、なんと【聖杯所持者】を言い渡される。配布されたものは以下の通り。

サーヴァント:沖田総司/セイバー/中立/中庸/女性
役割:【襲撃者】かつ【聖杯所持者】。【真犯人】ではない。
勝利条件:自身のサーヴァントを除く全てのサーヴァントの敗北。

【宝具情報】
宝具[誠の旗] ※GMスキル/パッシブ/真名開放
ゲーム中1度きり。
この宝具が発動した場合、全体に真名の公開が行われ、[誠の旗]は破壊される。
進行中にこのサーヴァントが【衰退】で死亡した場合、直後に蘇生する。
但し、その日にゲームが終了していた場合は発動しない。
※衰退と処刑、襲撃、GMスキルによる殺害が重なった場合、蘇生処理は行われません。

宝具[無明三段突き] ※GMスキル/アクティブ/真名開放
ゲーム中1度きり。表ログで自身の真名、宝具を宣言して使用する。
その日に限り、[縮地]に以下の効果を追加する。
・システムスキルによる襲撃スキルの無効化を貫通し、無効化が行われていた場合、
 無効化を行ったサーヴァントと襲撃対象のサーヴァントの2体を殺害する
・複数の襲撃スキルがあった場合でも、確実に発動し襲撃対象の殺害を行う
また、この宝具が発動した場合、[誠の旗]は破壊されて使用不可となる。
※この宝具は21:00までに宣言しなければ発動しない。
※システムスキルでの襲撃に失敗した場合に、相手をGMが手動で殺害します。
※使用宣言の後に必ずGM宛秘話で襲撃先の通知を行ってください。宣言後、襲撃先の変更は禁止です。
※倫敦が霧に包まれている場合、効果を発揮しません。
※この宝具の発動を妨害するスキルまたは宝具が存在します。
※発動のタイミングでこのサーヴァントが死亡している場合、この宝具は発動しません。

【スキル情報】
スキル[縮地] ※システムスキル/アクティブ
襲撃スキル。毎日1人を選んで殺害できる。
ただし複数の襲撃スキルがあった場合、発動するのは1つだけ。
このスキルで殺害を行った場合、殺害方法は【斬殺】となる。

スキル[病弱] ※システムスキル/パッシブ
このサーヴァントは(生存する襲撃者の数+2)日目の朝、死亡する。

特殊スキル[聖杯] ※GMスキル/アクティブ
毎日1回、対象と「属性とサーヴァント名」「属性と役職」「属性とサーヴァント名と役職」
のいずれかをGMに宣言し、その組み合わせが一致している場合、以下の情報を得られる。
・属性とサーヴァント名指定:対象の役職
・属性と役職指定:対象のサーヴァント名
・属性とサーヴァント名と役職指定:対象の勝利条件
また、特殊スキル[抑止力]が発動した場合、
このスキルは以降使用不可となり、ある【順序】に関わる情報を得られる。
※このスキルは21:00までに宣言しなければ発動しません。

特殊スキル[抑止力] ※GMスキル/パッシブ
ゲーム中1度きり。衰退による死亡をしなかった場合、[誠の旗][聖杯]が破壊され、スキル・宝具の強化が行われる。
※「病弱」の説明にある「スキップ」が成立した際に発動します。
【強化後のスキル情報】
詳細不明

色々感じたことはあるが、まず最初に思ったことは、
「いや、土佐訛りRPで沖田総司引きましたって幾らなんでも胡散臭いがな」
ということであった。ということで急遽騙り用サーヴァントを考える。
候補にあったメフィストフェレス、クー・フーリン[オルタ]、
両名とも役職『衰狼』が似合わない。そうだ、アンリマユで行こう。
そんな見切り発車で発言解禁時間を迎える。

まずコンタクトを取ったのは、プロローグで比較的縁が深かった三人。
キャロライナ、ミタシュ、少年A。自分のことはエクストラクラスの男性、宝具発動が条件であり、発動のためにサーヴァント情報と役職を知りたい、【真犯人】がおそらく敵である、という体で話を進めていった。おおむね嘘しか云っていないところからして酷い話である。

しばらく話をしていった感触として、少年Aからはやや距離を感じ、ミタシュからは『熟練者』のオーラを強く感じた。ミタシュとは情報交換をする取り決めを交わし一旦別れたあと、狂信者ロイエから襲撃者であることを指摘される。
狂信者なら仕方ない、と思いつつ、襲撃者の数は最低でも把握しておく必要があるため、ある程度自身の情報を開示した。その後キャロライナに「おんしの正体が何であれ、一緒に生きちょう思う」と、襲撃者であること、『衰狼』であることを明かし、見た目上組むことに決めた。この約束が、自分を含めた襲撃者側全員にとって、悲劇の幕開けだったことは間違いないだろう。

残バッテリー量200程度まで使い倒した長い一夜が明け、情報を整理した結果。エクストラクラスが多すぎること、狂信者かつエクストラクラス/混沌/悪というロイエからの自己申告に違和感を覚えたこと。この二点から一つ、賭けをしてみることにした。
どうやら役割は【聖杯所持者】以外にも、【黒幕】や【真犯人】が居るらしい。事前に考えていたマイロンドンでも、ジェームズ・モリアーティに【黒幕】を当てがったのもあり、「ロイエはジェームズ・モリアーティではないか?」という推測を立て、聖杯を使用。
正解していれば協力者のキャロライナともより強く結び付きやすくなる。この時点ではまだキラークイーンとしての処刑や襲撃について全く考えていなかった。このことが後から致命打となってやってくることになる。

6.2日目開始、モリアーティvsアンリマユ戦争勃発

聖杯を使用した結果、ロイエはジェームズ・モリアーティであった。エクストラクラスでも何でもなかった。人は嘘ばかり吐くものである。
黒幕を探していたキャロライナ、ポーチュラカ、ボイドに情報を速攻で売り払いながら、どうやら1狼生存でも組めそうなバラダギ、ミタシュと再度コンタクトを取る。バラダギとの共闘は取り付けられたが、ミタシュの条件とツールではどうやら共存不可ならしく、一旦引き下がることに。ツェンはどうやら女性サーヴァントを始末して欲しいらしく、ミタシュを生贄に捧げるか、などと考えていた。

そして、黒幕を殺害したいと言っていたポーチュラカから何故かメッセージの返答が来ない。おかしいな、と思いつつその夜は眠った。
起床後、バラダギからポーチュラカ処刑に票が集まりつつある旨を聞かされる。吊られたくなかったので、それに乗ることにし、キャロライナにも伝達を行った。
そして、何故か表発言で堂々とロイエがジェームズ・モリアーティであることを自分からバラしていたのである。こちらの視点としては「???」である。そしてよりにもよって自分、ヨシローを名指しして処刑したい、と言っている。確かに聖杯所持者である以上、いつなんどき疑われてもおかしくはないのだが、何か情報を抜かれたのだろうか。

せっかくなので表で騙りサーヴァントを披露しよう、と偽宝具『偽り写し記す万象』の起動を宣言。処刑先をポーチュラカに指名する。これならば殲滅側の票も集まってくれることだろう。
そう思った矢先、ポーチュラカまでもが表ログで真名の名乗りを上げる。彼女のサーヴァントは「ヘシアン・ロボ」であるらしい。なるほど確かに、ジェームズ・モリアーティとコンビを組んでいそうなサーヴァントである。

こちらとしては何としてでも死にたくないので、必死でAct合戦に応戦しつつ、「いやこれ初回吊りで死んだかな……」という気分でいた。バラダギもキャロライナも「ポーチュラカ吊れるよ、大丈夫」と言ってくれていたものの、こちらの【聖杯所持者】がバレていたら確実に死が待っている。
そもそもアンリマユであること自体が嘘なのだ。勝利条件も当然偽りのものであり、所有スキルに関しては隠しごとしかない。
キャロライナから全く具体性のない「ヨシローは絶対大丈夫!」との声援を受け、直後キャロライナがActで涙を流しているところを見て、「アッこれわし死んだわ」と思い、辞世の句の準備に取り掛かることにした。
喉は尽き、Actも使い切った。もう出来ることは何もないが、やれることはやりきった。運を天に祈る。

7.3日目開始、事件『日蝕』

投票はポーチュラカ7票、ヨシロー4票。なんと生き残ったのである。ガッツポーズである。聖杯の結果はボイドがシャーロック・ホームズであり、人犬であることが無事判明。名探偵の場所も特定した。
そして『襲撃に枷がある』と自称していたはずのもう一人の襲撃者、少年Aがキャロライナに牙を向けていたのが見えた。この時点ですでにヨシローの心情としてはかなりキャロライナに心を動かされており、「きゃろるを狙ったな? 日蝕なんて土佐訛りの前には関係ねえ! 表発言で全部ぶちまけて殺す!」と、キラークイーンとしての勝ち筋を考える前に、発言解禁直後、表発言で少年Aに対し啖呵を切る。これが最悪であった。

一通りの返答を終え、一度キラークイーンとしての勝ち筋を描いてみることにした。そして気付く。今日少年Aが処刑された場合、確かに自分は衰退をスキップすることが可能にはなるが、どう考えても明日の襲撃者側の票数が不足することに。
気付くのが遅かったが、どうにかこうにか連絡を取り、栄一・ロイエ・ツェン・バラダギと自身の計五名でヨリックを処刑する算段がついた。が、このうち一人でも裏切り者が居た場合、栄一は処刑され、明日自分の命はほぼ確実にない。念には念をと思い、キャロライナからの票も抱き込むため、必死で頭を回して「キャロライナと生き残るルートはヨリック処刑である」というように出来る説得内容を考えていた。

しかし、連絡が来ない。21時、まだ来ない。これは自分は切られたのか? そう思いながらも、21時30分になると同時に説得のためのメッセージを送信した。……その直後、向こうからもメッセージが来た。しかもかなり真面目に考え尽くされた、「ヨシローとキャロライナが同時生存出来得るルート」である。そしてこのタイミングまで、言ったつもりでいた、衰退しても蘇生が可能な旨を伝えていなかったことが判明する。致命的である。
さらに本人曰く、票はツェンから委任されているらしい。どういうことだツェン説明しろ。そんな戯言を言っているヒマなど当然なく、どうにかヨリック投票にしてくれ、頼む、と心から叫びつつ、最後までバッテリーを使い、キャロライナを説得に掛かった。キャロライナからのメッセージは一つ一つが悲痛な叫びであった。実際ちょっと涙腺に来た。
キャロライナからの少年A吊りは、聖杯所持者視点では絶対に飲めない。頼む投票を変更してくれ、と祈りを捧げながら、22時を待つ。毎日が綱渡りである。

8.4日目開始、抑止の守護者、唸れ煉獄

投票結果は3対6、少年Aが処刑される。ヨリックにセットしていた襲撃も失敗。衰退スキップにより宝具とスキルが強化されたが、処刑耐性や吊り保護の類は貰えず。
この日の事件は『影響力』、全員の投票が見える日である。日付更新後、誰からも秘話が飛んで来ない。無言で自分に投票されていく。客観視点詰みでないことは確かだが、自視点は99.99%負けであることはよく理解できた。つらい。

どうせならハッタリをかましてみるか、と思い、全員の真名・役職・勝利条件当てをやってみた。後から分かったのだが、真名と役職までは全問正解だったのである。自分でも驚いた。
しかしこのハッタリは何も状況を変えなかった。まあ、尤もである。自分が逆の立場でもただのハッタリだと思うだろう。

さて、まだ何か足掻けることはないだろうか。そんなことを考えながらキャロライナと雑談しつつ、前回のFKQでホラとして噂されていた「聖杯の泥」のことを思い出す。
確かに、サーヴァントが死亡していれば宝具は起動しないだろう。スキルも起動しないだろう。だが、それ以外のものなら?
Wikiにもこう記されていた。【配布情報(宝具・スキル)にはサーヴァントが持つ宝具やスキル以外のものも存在する可能性があります】と。つまり、モノであればあるいは、死後も発動すると思って貰えるかも知れない。

そこから4時間ほど掛けて構想を練り、出来た大法螺は魔人・沖田総司の持つ刀、【煉獄】。影響力の日に特殊スキル抑止力を使っており、まあなんかなにかしらの情報が正答率これくらい以上なら起動する、自身の死後も発動する殺人剣。おおむねそんな設定にした。
スキルの使用申請の締切は21時まで。つまり、特殊スキル抑止力によって【煉獄】が発動可能になるかどうか分かるのは、21時以降でなければおかしい。GMに対して小細工を入れつつ、表発言で【煉獄】の使用を宣言した。

しかしながら、当然とも言うべきか。誰一人投票先を変更しなかったのである。そもそも二日目にハッタリをやっているので、それはまあ二度目三度目のハッタリは通用しないのも道理である。後にログを読んでみると、もしかしたら発動するかも、と案外思われていた様子であった。
だが投票は変わらなかった。現実は非情である。ヨシローは死んだ。

9.振り返り、沖田さん弱くね説について

まず、最後まで悪足掻きを続けた点は自分を褒めたい。道中は連日「今日死ぬの俺では?」と疑念を抱き続け、常に薄氷の上を歩いている気持ちだったし、四日目にボイドが推理を正答した時点でヨシローが勝利する可能性は限りなくゼロに近くなってしまった。それでもなお、【煉獄】などというホラを生み出せた点は偉かったと言えよう。表ログの盛り上がりにも寄与でき、なかなかの取れ高だったように思う。

さて。改めて振り返ると、勝敗を分ける分岐点は幾つか存在したと考えられる。

三日目、ヨリック処刑が通っていれば(キャロライナへの説得が出来ていれば5票集まり殺せた)四日目の動きもまた大きく変わっていたであろう。
二日目、ポーチュラカとヨシローとの一騎打ち状態にならなければ、三日目の過ごし方も大きく変わっていたであろう。
聖杯に初回で「ジェームズ・モリアーティ」の情報を抜いてしまったこと自体もあまり良くなかったと言える。

では、そもそもの過ちの起点はどこだっただろうか。振り返って考えてみるに、初日にキャロライナと手を結び、『黒幕と真犯人を倒す』という共通目的のもと大きく動き過ぎてしまったのが敗因の起点であろう、と考えている。
そもそも何故キャロライナと手を組もうとしたかと言えば、ガチ的な意味では『この人のクリアのためにこれだけ頑張っているヨシローは聖杯所持者ではない』と認識して貰うためだ。RP的な意味でキャロライナというキャラクターに魅了されていたことは敢えて横に置いておく。
だが、その『黒幕と真犯人を倒す』という目的に没入し過ぎてしまい、【聖杯所持者】として誰をどの順番でどのように殺していけば自身が最後に生き残れるか、という計算を並列にしていくことが出来なかったのが大きな敗因だろう。条件を配られて最初に狙おうと思ったのは「二日目襲撃or処刑で狼1を落とし、三日目処刑で狼1を落とし、衰退スキップ」というものだったが、襲撃者側に無条件で協力できる条件の人物はあまりにも少なかった。元が弱かっただけに、宝具強化・スキル強化に期待を寄せてしまったのもある。

もし仮に、初日のうちにロイエ、ポーチュラカ、栄一ら襲撃者サイドときちんと連携を取れてさえいれば、ロイエの条件を抜くこともなく(この場合は次点で情報が揃いつつあったボイド・シャーロックホームズで提出し、役職を確認しに行ったことだろう。そしてその手土産はロイエ、ポーチュラカ、栄一には歓迎されるものだったろうことは想像に難くない)、襲撃者側で徒党を組む方向で初回処刑を殲滅サイドから削れていたら、何もかもが変わってきたことだろう。
方針を切り替えるべきタイミングはやはり、狂信者ロイエからのコンタクトがあったタイミング。この時点で襲撃者団結に向かわず、『黒幕と真犯人を倒す』という名目上の仮面を被ったまま動いてしまったのが致命的だったと言える。

こうして文章に起こし振り返ってみると、なんということもないシンプルな反省点だが、実際に【聖杯所持者】、キラークイーンとして動こうと思ったときには必ず視点の偽装が必要となってくる。そしてその上で、その視点偽装とはまた別に、【聖杯所持者】としての勝ち筋はどれが最適解なのかを常に考えるということは非常に困難だった。
例として唯一キラークイーン勝利が起きたキラークイーンSSSでは、キラークイーン役に対しアドバイスで『村人を騙れ、ツール起動成功が鍵だと偽れ』というGMからの明確な視点の偽装提示があった。こういったことが含まれていると、非常に大きな指針として動くことができ、キラークイーンとしての勝ち筋を考える余裕も生まれる。
今回のFKQ2では一見すると「衰退スキップを狙え」というアドバイスに取れたため、役職「衰狼」という弱い役職、さほど強くない宝具、ただの襲撃スキル、パチモンアレクサ(キラークイーンpeaceを参照のこと)な聖杯、という貧弱沖田さんが元であったがために、狼を2日連続で落としてスキップすれば何とかなるのか? と思いきや、後から聞いたGMの想定では「スキップを狙うより衰退して復活したほうが勝ち筋がある」という話であった。非道なGMである。

今回のFKQ2では、【聖杯所持者】沖田総司の勝ち筋はそもそも非常に細かったと言えるだろう。だが【聖杯所持者】に必要不可欠な、『視点の偽装』と『勝ち筋としての最適解』を同時に探っていくのは非常に困難であることも実感できた。
【聖杯所持者】、あるいはキラークイーンを引いたときには、少しだけPDAを弄る手を止めて、どのような選択が自身の勝ちに繋がるのかを熟考する振り返りのターンを設けることが必要となる、という感覚だ。時には一度決めた方針を捨て、別のルートを探る必要が出て来るときもある(今回の自身の動きの例として、三日目栄一処刑から打って変わってヨリック処刑を狙ったのは「別のルート」に細いながらも勝ち筋が見えたからである)。
両立することは非常に難しいが、それが【聖杯所持者】に課せられた使命である。達成できなければ死あるのみ。

正直に言って二度と引きたくない役回りであるが、もし、もしも仮に二度目があった場合は、より上手くより的確な動きが出来るだろうと確信している。機会がないことに越したことはないが、次にキラークイーン役を貰ったときには『視点の偽装』と『勝ち筋としての最適解』、この二つを両立させながら動いていきたい。

この記事が今後、キラークイーン役を引いた者の心掛けとしての手引書になるとは思ってはいない。プレイヤーの数だけプレイングがある、それがキラークイーンゲームの面白さでもあるからだ。
しかし万が一、この記事が今後キラークイーン役を引いた者への助けになれば、それに勝る喜びはないだろう。

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