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【思索】格率の違いと謝罪後の報復について

今日、入院中の中、急遽会社に封筒を出す必要が生じたのだけど、手元に封筒などがないために院内のコンビニに買いに行かなければならなくなった。
しかしコンビニへの外出にはいろいろ制限があるので、やむを得ずコンビニで封筒を買ってその場で宛先を書いて出そうと思ったのだけど、店内に書く場所がない。仕方がないので隅っこのかなり狭いところで書いていたら、付き添いの看護師さんが、
「こっちの方が広いですよ。」
と給湯器が置いてある台の上を指す。
(いやそっちで書いてたら給湯器を利用する人が困るんじゃないかなあ。)
と思ったのだけど、雰囲気的にそっちに移動して書いてたら、書き終わる頃に若い男から小声で声をかけられた。
「お湯使いたいんスけど。」
どうも彼は私が給湯器の前で書き終わるのをずっと待ってたらしい。言われて気付いた私が2, 3秒で片付けて、
「どうもすみませんでした。」
とかなり低姿勢で謝罪したら、急に相手の態度がデカくなって、ストレスをぶちまけるようなかなり強い口調で、
「事前に書いて来いや。」
の捨て台詞。

若い男性によくあるのだけど、こちらに些細な非に対して、意思表示をしないままイライラを募らせて、痺れを切らしたところで普通に声をかけてくる。気が付いた相手が急いで対応し低姿勢で真摯に謝罪すると、急に態度がデカくなって、追い討ちをかけるようにこちらを傷つける意図で捨て台詞を吐く。そういう人っているんですよね。個人的には数年に一度ぐらいの確率で、こういうトラブルが起きる。

以前も似たようなことがあった。
こちらの例の方がわかりやすいだろう。
あるとき電車に乗ったら、シートの左端が空いてたので座ろうとしたのだけど、電車が急発進したのでよろけて隣のスーツ姿の若い男性の革靴の先に自分のつま先がやや強く当たったんですよ。でお詫びして座ったのだけど、先方は俯いたままヘッドフォンで音楽を聴いていて気に留めてない様子だった。ほっとしてシートに座ってると、だんだんその若い男が左端の私に体を押し付けてくる。最初は気のせいかと思ったのだけど、どんどん強くなってきて明らかに仕返しをしているらしかった。しかしこちらに非があるので黙ってると、しばらくしてその若い男が吊り棚から荷物を下ろそうとし始めた。黙ってみていると、突然、露骨に私の靴の上を思い切り強く踏んづけた。流石に故意で行き過ぎだと思ったので、
「それはないんじゃないですか。」
と冷静に言ったら、相手は最初トボけてたんだけど、途中から、
「お前が俺の足をわざと踏んだ。謝罪もない。」
と怒り始めた。
「電車が急発進したからつま先が当たっただけじゃないですか。それに謝罪もしましたよ。ヘッドホンをされてたから聞こえてなかったんじゃないですか。」
とやんわりと言ったら、
「いや、お前はさっきわざと踏んづけた。」
と言う。それで私が、
「知らない人の靴をいきなりわざと踏んづけるわけないじゃないですか。逆にあなたこそ、今わざと踏み返しましたよね。」
と冷静にやんわりと尋ねたら、その若い男は言葉を濁していたのだけど、突然開き直って、
「そうだよ、わざとだよ。お前がわざと踏んだからわざと踏み返したんだよ。それの何が悪い。
おい、お前、次の駅で降りろ。駅員に突き出してやる。」
と言い出したので、
「靴先がぶつかったのは申し訳ありませんでしたが、私のは単なる事故で、謝罪もしましたよ。
それに対してあなたは今わざと踏み返したとご自分で認めましたよね。それはいわゆる『報復行為』でこの国では『違法行為』ですよ。
駅員に突き出しても、捕まるのはあなたで、会社もクビになりますよ。」
と言ったら、その若い男はドアが開くなり、黙ってると降りて行った。

こういう場合、自分に非があるだけに何も言い返せないのだけど、私の個人的な性格では「こういう人と状況」が「路上などで身近に起こり得ること」の中で一番苦手です。

「泥棒にも三分の理」と言うけれども、上のような状況は、「私刑(リンチ)」と同じで、これが体罰だったら過剰防衛だと思うんですよね。

上のような状況を考えた場合、私だったら、自分がうっかりやってしまった場合でも、やられた場合でも、第三者的立場でも、いずれの立場で考えても、そう思いますけどね。

ただ、人によって「格率」って違いますからね。
「格率(かくりつ、独:Maxime)とはイマヌエル・カントによって提唱された哲学用語。」

格率

例えば、会社でも学校でも先輩との上下関係があって、上下関係や礼儀作法を重んじる先輩とそういうことを気にしなかったり嫌がるフレンドリーな先輩っていますよね。どちらも上下関係に矛盾がないだけに、それぞれへの対処を切り変えなければならず、面倒な思いをしたりすることがありますよね。

例えば、差別発言にしても「意図的な場合」と「そうでない場合」では、個人的には対処の仕方は変えるべきだと思います。後者に対して前者に対するような態度をとるのは、かえって差別問題をややこしくしてしまうだけだと思うからです。


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