【寓話】幸福と不幸と普通

ある小学校に、Aくん、Bくんという二人の男の子がいた。

その小学校では毎日お昼に給食が出ていた。

Aくんは給食が大嫌いで、「毎日、こんなまずいものを食べなければならないなんて、僕はなんて不幸なんだろう」と言っていた。

Bくんは給食が大好きで、「毎日、こんなうまいものを食べられるなんて、僕はなんて幸福なんだろう」と言っていた。

ある日、BくんがAくんの家に遊びに行った。

Bくんはお昼をご馳走になることになり、Aくんのお母さんの料理を食べると、Aくんに言った。

「Aくんはこんなおいしい料理を毎日食べられて、なんて幸福なんだろう。」

するとAくんは言った。

「そうかな。普通だと思うけど。」

また、別のある日、今度は、AくんがBくんの家に遊びに行った。

Aくんもお昼をご馳走になることになり、Bくんのお母さんの料理を食べると、Bくんのお母さんがいないときにこっそりBくんに言った。

「Bくんはこんな料理を毎日食べなければならないなんて、なんて気の毒なんだろう。」

するとBくんは言った。

「そうかな。普通だと思うけど。」

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