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なぜ1・2塁での送りバントは3塁側へ転がさないといけないのか。 2021/6/26 今日のワンプレー
タイガース1点リードで迎えた5回表のベイスターズの攻撃。ノーアウト1・2塁の場面で打席に入ったのはピッチャーの阪口。ベイスターズとしては絶好のチャンスをさらに拡大し一気に逆転を狙いたい重要な場面である。
1・2塁時の送りバントは3塁前に転がすのが定石と言われているのをご存知だろうか。それを証明するようなプレーがこの場面で見られた。
送りバントを試みた阪口の打球は、捕手梅野の前に弱く転がった。梅野はすぐさま素手でボールを拾って3塁へ送球しセカンドランナーをフォースアウトに、その後1塁に転送されダブルプレー成立となった。
さてこの場面、阪口がバントしたボールが3塁手によって処理されたとしたらどういう状況になったであろうか。実際にこの場面を振り返りながら見てみよう。
これは私が外野スタンドから撮影した動画である。角度的に状況が不明瞭なのはご容赦いただきたい。
阪口がバントをする直前の野手の動きに注目してほしい。
1・2塁のバントは大変なんですよ、やる方も。 pic.twitter.com/HD5z0txtJU
— 虎講師 (@toraho) June 26, 2021
・一塁手マルテは打球を処理するために前進
・二塁手糸原はマルテが前進したことによって空く1塁へベースカバーに走る
・(直前の動きは映像の外だが)遊撃手中野は2塁へベースカバーに入る準備
・三塁手大山は2塁ランナーを3塁でフォースアウトにするため三塁付近で待機
である。
そして阪口がバントした直後、今度は大山の瞬間の動きを見てほしい。一瞬打球を処理するために前進するような動きをしたのちに3塁のベースカバーへと向かう。
三塁手は当然自分が処理するべき打球であれば前進しなければならず、瞬間的にはその可能性もあると判断したのであろう。しかし、すぐに捕手が処理できると判断したために3塁ベースへと戻ったのだ。
もし、阪口のバントが強い打球となりサード前に転がった場合、サード大山はそれを捕球しファーストへ送球する。送りバント成立である。
また、サード大山が捕球したタイミングで大山が振り返り、サードへ送球すると2塁ランナーをアウトにできるタイミングであればどうだろう。残念ながらこの場合でも2塁ランナーはゆうゆう3塁に到達することができる。
なぜなら、ショート中野は2塁のベースカバーに入らねばならず、ピッチャーはサードとともに打球を追うため、2塁ランナーより先に3塁に到達することはできない。つまりサードが打球を処理するイコール、3塁はガラ空きフリーパスとなる。
まとめると、「1・2塁のケースの送りバントは三塁手に処理させろ」なのである。
この時点ではこのゲーム最大のピンチと思われた場面をダブルプレーで切り抜けたタイガースであったが、その後失策も絡み失点を重ね連敗。2位との差は3.5と縮まった。打線も拙攻。ペナントレース中盤戦の正念場を迎えている。
De 0 0 0 0 0 0 2 1 0 3
阪 神 0 1 0 0 0 0 0 0 0 1
【DeNA】 ○阪口(2勝1敗) エスコバー 山崎 S三嶋(13セーブ)
【阪神】 伊藤将 馬場 ●及川(1勝1敗) 斎藤 岩貞 石井大
[本塁打] 桑原6号(D)
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