見出し画像

休憩のひととき


長い道のりを歩いている途中の渉(わたる)と葵(あおい)と僕がいた。渉と葵は周りと同じ様にただ長い道のりを一方通行の道を歩いている。

僕は休憩をしようとした時、渉と葵が僕を見るなり、殴りかかって僕は倒れた。僕は葵にこう言われた。

「前を見てよ。あなたと同じ様な怪我を背負いながら歩いているじゃない。だから、あなたも同じように歩きなさいよ。さぁ立って。」

それを聞いて僕は立った。その時僕はまた渉に殴られた。僕を殴った後、渉はまた歩いて行った。


僕のそれはどんどん大きくなっていった。もう歩けない。そう思って僕は彼らの目を盗んで休憩しようとした。僕は後ろに嫌な気配を感じた。僕が振り返るとアイツらがいて僕はまた殴られた。
痛かった。心も身体も。


僕の後ろ歩いていた人間が僕にこう話してきた。
「何を休憩しとんのじゃ。休むな。歩け。早く歩け。」そう一方的に話しかけてから、僕を抜いていった。僕のそれはまた大きくなった。

僕はどうしたらいいんだろう。

僕が止まっている間に、幾多の人間が僕を抜いていく。みんなせっせと同じように道を歩いている。

僕の心は病み切っていた。僕はみなと同じことができないと思って、新しい道を作ろうと試みた。すると、またアイツらが来た。それでまた僕は殴られた。僕のHPがゼロになった。僕の行動が誤っていたのか。違うことをやったら怒られるのか。僕は分からない。そう思いながら僕は死んだ。



僕が死んだ後、他の人間が僕の屍を越えて僕が生前作れたかもしれない道を彼らが作っていった。
そのおかげで、道の分岐点が多くなった。


もう一方通行では無くなった。それはまだ表面的なものだった。まだあの道を歩いている人間が多数派だった。その道には休憩所がない。
休憩しようものなら殴られて死ぬまで歩くしかない。今の僕は休憩中。この怪我を癒してから別の道を歩こうと思う。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?