色のない変死体の多い国

この国には、奇妙な死体が多い。みんながみんなとういう訳ではないが、とても多い。僕は、そこに行き原因を突き止めた。その国には、ハコがたくさんあった。

どれぐらいか？

国の全体にはそれがあって、それを卒業することが会社に入る人間にとっては必須条件だった。

ハコの卒業生は色がない変死体のようにみえる。アルバムの写真も、髪型も、服装もパステルカラーの様な鮮やかな色がない。ハコの周りも中にも変死体で溢れている。

でも、中にはカメレオンがいる。彼らは、自分の置かれている状況を察知し、上手いこと溶け込む。彼らは、ハコの中で自分の色を出そうとすると村八分にされることを知っている。彼らは、前者と比較すると身体が柔らかい。それを知っているから、周りに馴染む。だから、みんな色のない変死体。

カメレオンの寿命はバラバラ。遺伝子組み換えでホントに色のない変死体になるものも居れば、他方ではカメレオンの機能を壊しに来る前者を上手く交わして、思い思いの色を自分のスケッチブックやお絵描き帳に描いてるものも居れば、上手いこと前者の力を借りつつ進んでいるものも居る。

前者は、カメレオンにはなれない。

自分の道の何処かで、自分若しくは誰かに目を潰されたから。

カメレオン全員が持っているものがある。それはカメレオン達のアイデンティティみたいなもの。それは、大きな夢。

それは、前者にもあると思いませんでしたか？

ええ…あることにはありました。ありましたよ。

でも、それを前者が何処かで消したのです。
その原因は歳かもしれないし、才能かも、若しくは金かも。そう、彼ら変死体は何処かで夢との折り合いを過去につけたんです。

これじゃできない　できないって思ってる。

前者が視線を少しズラすと、後者がそれに向かって進んでいるところが見える。だから、前者はそうする。よって、この国の変死体の割合（かず）が多くなる。

そうこれが原因だ。