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学生時代の話:大学編

これは自分の記録用に書いています。今の人格形成の原点にあたるであろう大学時代の寮の話。

2011年3月。高校を卒業した4日後に東日本大震災が発生した。一部の大学では始業式が延期の中、何故か始業式は中止だが授業は通常の予定通りスタートという謎仕様になったため、半ばゴリ押し?で宇都宮大学の男子寮「雷鳴寮」へ入寮することが決まった。
地元に対して何もしない・できないまま単身出てきたことで個人的に後ろめたさをずっと感じていて、行動に移したのはまた別の機会に。

通過儀礼

入寮が決まった雷鳴寮は隣の陽東寮と隣同士、ほぼ同じ寮だった。約120人程が住むこの寮の新入生に必ず課せられる、所謂「通過儀礼」があった

・ハンコ周り
先輩の部屋へ挨拶に行き、その証としてハンコをもらうのだ。バイトでほとんど不在だったり、中にはクイズを出してきたりと、基本的に全てのハンコを集めるのはほとんど不可能だった。

・対面式
普段寮には住んでいないが寮を監督している「舎監さん」なる偉い(らしい)方を呼び一人一人を挨拶する。その日までに全てのハンコを集めるように命じられた。

「〜さんのハンコもらった?」「どんなクイズ出してきた」といった情報交換を同級生としつつ、頑張ったものの結局全員が先輩全員分のハンコを集めることができないまま、最終日の対面式を迎えた。
ちなみにこの日まで(この日以降も頻繁にお世話になった)お昼や夜ご飯は先輩に近隣の飲食店に連れて行ってもらいご馳走してもらった。大体全部大盛りだった。

対面式

対面式では旧食堂という名のイベントスペース的な場所に一人一人座らせられ、そこから廊下で少ししたところにある、舎監さんが待つ雷鳴寮の談話室に行く。
上級生は舎監さんの到着を外で待っている。
「ブンブンブン!!!ブオオオオオオォォォォォン!!!!!」というバイクの音と共に先輩たちの絶叫に近い音量で繰り返される挨拶の声が聞こえる。これは大変なところに来てしまったと思った。

挨拶は事前に決められた席順通り。トップバッターの同級生が舎監さんへ挨拶に行き部屋に入った瞬間怒号が聞こえる。ほどなくして戻ってきた同級生は震えながら泣いていたかも。
そんなこんなで自分の番。
ド緊張しながら扉の前に立ち大声で
「失礼しまーーす!!!」
「声が小せんだよ!!!」バンバンバン(扉が叩かれる音)
「失礼しまーーーす!!!!」
「早く入れええええ!!!!!」
大声で自己紹介した後、頭が高いとのことで以降土下座状態。ハンコが何で集まってないとかお前にとって寮生とは何だだの質問を受ける。
「寮生は家族でええぇぇす!!!」と言ったが、我ながら良い回答だったと思う。
一通り質問が終わると舎監さんから「行け」の一言。「早くでろおおぉぉぉ!!!」と急かされ部屋を後にする。

部屋の中はこんな感じ

その後も順番に寮生が挨拶を済ませ、最後の同級生の番が来た。
ここでトラブル発生。最後の同級生が舎監さんを怒らせ、挨拶の途中で旧食堂に走って戻ってきた。先輩たちがなだれ込んでくる。
「どうなってんだよおおお!!!」「舐めてんのかああああ!!!???」
全員土下座で「すいませんでしたあああああ!!!!!」の絶叫

「ああ、ここで人生終わりか」と思っていると
「早く顔をあげろおおおおおお!!!!!」



「パン!」
クラッカーがはじけた
「嘘でした~~~舎監さんなんていませ~~~ん」

舎監さんなんて人は最初から存在せず、ハンコ周りも意図的に全部集められないように先輩たちが仕組んでいたのである。この機会というか通過儀礼を通じて同級生や先輩と仲良くなることが目的だったのだが、今思うとどこかの企業の新人研修かな?とも思える。ともかくホッとした。

すると突然、一緒にハンコを集めていた同級生が中央に出て自己紹介を始めた。2年生、先輩だった。4人ぐらいいた。同級生の中に先輩がスパイとして紛れ込んでいたのである。

ネタばらしの様子はこんな感じ

どうやらこの「ウソコン」と呼ばれるこの取り組みは全国の寮でも行われている(行われていた?)らしい。
同級生の中にスパイを仕込んだ目的は、みんな仲良くやれているか、つまづいていたりあまり話せていない奴がいれば間を取り持ってサポートするためだった。
人によってはめちゃくちゃ嫌悪感を覚える人もいると思うが、少なくとも私は楽しかったしこの機会を通じて寮生と仲良くなれた。(と思っている)
今もやっているかはわからない。

一通りネタばらしした後

その後

その後学科ガイダンスという名の限界を知るイベントや神輿を作って市内を一周する寮祭なるイベントが毎年あったが、バイトを終えては決まった同級生の部屋に集まり、外が明るくなってきた頃に自分の部屋に戻る生活を送った。
学祭に寮として出店したこともあった。処分が面倒なので最後は3円でカレーを売った。
免許取り立ての時はみんなで海に行った。秋だから人が誰もいなかった。
一緒にライブも見に行った。
ほぼ毎週中庭でBBQした時期があった。
ドラム缶でピザ窯を作った。
TSUTAYAで借りてきた映画を部屋を真っ暗にしてみんなで見た。
百戦錬磨ーズ(1勝もしたことはない)として球技大会にも出た。
寮長になって好き放題した。(学生支援課のあらいさん、その節はすいませんでした)
書ききれないほどの思い出がある。(コンプライアンス的に書けない、も含む)

この時の寮生とは今も定期的に会うぐらいには仲が良い。

正直、学部学科の思い出はほとんどない。多分、もう一度学生生活をやり直せたとしても同じことをしていると思う。
学生時代の話:学外編は気が向いたら書こうかな

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