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【情報Ⅰ・Ⅱ】将来の情報技術と社会(学習6)QRコードの仕組み・超スマート社会

将来の情報技術と社会(学習6)

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今回は、QRコードの仕組み、電子決済関連など、将来の情報技術と社会について解説していきます。

ICカードやスマートフォンが普及したことにより,支払い方法は変化してきています。内蔵ICと電波で支払いのやり取りをする交通系電子マネー,バーコードを読み取り支払う決済サービスなどが浸透してきています。

バーコードと言えば、このような一次元バーコードを想像する方もいると思います。
バーとスペースの組合せにより、数字や文字などを機械が読み取れる形で表現したものです。一般的なものは、JANコード(ジャンコード)と呼ばれる13桁もしくは8桁の数字が記載されています。

2次元バーコードは、水平方向と垂直方向にデータを持っており、2方向に情報が表示されるため二次元バーコードと呼ばれます。
Quick Responseを略して、QRコードという名称で有名になっています。

QRコード®は、デンソーウェーブが1994年に開発した2次元コードのコードです。親会社のデンソーはトヨタグループに属していて、自動車関連製品などを作っている会社になります。
QRコードが開発される以前は、商品管理に必要な情報が多すぎて1つの1次元バーコードでは足りずに、バーコードを10個ほど並べてスキャンしていました。
それは、作業効率が悪かったため、多くの情報量を保持することができる次世代のバーコードを開発したとされています。
QRコードがここまで広まった理由として、ライセンスフリーということがあります。
通常は、このようなは発明を、他の人が使用する場合、許可を得たりお金を払ったりする必要がありますが、ライセンスフリーは第三者の自由な再利用を許諾したもののことになります。

【参考サイト】

QRコードの特徴について
1次元バーコードとQRコードを比較していきます。

まずは、多くの情報を持つことができるということがあります。
一次元バーコードは13桁もしくは8桁の数字をあらわせますが、QRコードは最大で7089桁もの数字の情報を表すことができます。また、英数字や漢字などの情報も持つことが可能で、英数字なら最大で4296文字、漢字なら最大で1817文字の情報を持つことができます。
QRコードの最小単位は、白または黒のセルになります。
この黒と白の組み合わせで情報を保持しています。以前0と1で表す2進法について説明しましたが、これもコンピュータ上では白を0、黒を1として扱い、その組み合わせによって様々な情報を表現できます。
QRコードはいくつかのバージョンが存在しており、そのセルの細かさによって持てる情報量の上限が変わってきます。
QRコードのバージョン(種類)は、1から40まで設定されており、それぞれのバージョン毎にセル構成(セル数)が決められています。

次に復元機能があります。QRコードが何らかの理由で汚れたりした場合でも、QRコードの中に復元用のコードがあるために、一部のデータが読み取れなくても、復元用コードから欠損したデータを知ることができます。この誤り訂正レベルは何段階かあり最大で30%までの欠損に対して情報の復元ができます。
ただし、3つある大きな四角の1つでも隠れると読取りができないということは覚えておきましょう。

次に、読取り方向についてです。
一次元バーコードは、通常はバーコードと同じ方向にスキャナを合わせる必要があるのに対し、QRコードは360度どの方向からも読取りが可能になります。

このような、様々なメリットがあることから
QRコードは、電子決済だけでなく、チケットなど様々な用途で普及が広がっていっています。

また、情報通信ネットワークが進歩し,高速化したことで,瞬時に決済情報がやり取りできるようになっています。
更に,モバイル通信の料金も安価となり,一人一人がスマートフォンなどの決済機能が付いた端末を持つことによって,キャッシュレスで交通機関を利用できるようになり,自動販売機の利用や店舗での買い物もできるようになって,生活がより便利になっています。

カメラやセンサの技術が進歩したことで,利用者自身が商品のバーコードなどを読み取り支払いまで行う完全セルフレジも普及しています。
また、画像認識AIレジの導入も始まっています。
キャッシュレス決済とともにこれらの技術が普及することにより,レジでの会計時間短縮(経営観点では人件費の削減)や新たな会計システムの開発へとつながっています。

2020年3月からサービスが開始された5Gにより通信速度が飛躍的に向上しています。
5Gには超高速、超低遅延、多数同時接続の3つの大きな特徴があります。

超高速は、最大伝送速度が10Gbpsで前世代の4Gの10倍です。2時間の映画も3秒でダウンロードできます。

超低遅延は、1ミリ秒程度の遅延で利用者がタイムラグを意識することなく、リアルタイムに遠隔地のロボット操作・制御するなど遠隔手術なども可能となります。

多数同時接続は、スマホPCだけでなく、家電やセンサなど身の回りのあらゆる機器がネットに接続できます。

国土交通省では,G7交通大臣会合等で国際協力の提案・合意を得ながら自動運転の早期実用化に向けた取り組みを推進しています。
地域の人手不足や移動弱者の解消に向けた取り組みでもありますが,運転者が原因での交通事故を大幅に軽減する効果も期待されています。

IoT技術を活用してインターネットにつながり遠隔操作ができる家電製品をスマート家電といいます。
子育て世代,高齢者,単身者など,様々なライフスタイルやニーズに合ったサービスをIoTにより実現する新しい暮らしをスマートホームといいます。

話しかけると、音楽を流したり、電気をつけてくれたりするスマートスピーカの他にも、自動掃除機や洗浄機能を備えた浴槽・トイレといった自動ハウスクリーニングや,警報機能付き宅内IoTカメラによるホームセキュリティ等が挙げられます。

高速インターネット、IoTの普及に伴い私たちの生活は益々便利に快適になっていくことが予想されます。

情報通信技術に関して、その他の重要用語を説明していきます。
インターネットやコンピューターを使える人と使えない人との間に生じる格差のことをデジタルデバイド(情報格差)といいます。

デジタルデバイドは、
先進国や発展途上国での国家間に生じる情報格差 の他
年齢・学歴・収入などの違いにより、個人や集団間に生じる情報格差
などがあります。

似たような言葉に、情報弱者があります。
不十分な教育、インフラの不整備、貧困などの理由で情報通信技術の利用が困難な人は「情報弱者」といいます。
デジタルデバイドは、いわゆる情報強者と情報弱者との格差を意味する言葉です。

【参考】

情報Ⅰでも学習しましたが、情報が溢れる現在、放送番組やインターネット等各種メディアを主体的に読み解く能力や、メディアの特性を理解する能力である、メディアリテラシーを身に付けていく必要があります。

ソーシャルメディアなどを通じて、不確かな情報が大量に拡散される現象のことを、「インフォメーション(information)と「パンデミック(Pandemic)」を合わせて、インフォデミックと言います。
ソーシャルメディアで情報を拡散することもあると思いますが、その情報が本当に正しいのかという信憑性を確認をする必要があります。

今回の、将来の情報技術と社会の単元は以上になります。
最後までご視聴ありがとうございました。

解説キーワード

二次元バーコード(QRコード)、ライセンスフリー、5G(第5世代移動通信システム)、スマート家電、、スマートホーム、デジタルデバイド(情報格差)、情報弱者、メディアリテラシー、インフォデミック

【引用・参考文献】

文部科学省 教員研修用教材

https://www.mext.go.jp/content/20200609-mxt_jogai01-000007843_002.pdf

出版各社 情報Ⅱ検定教科書(キーワードを抽出)

経産省/「キャッシュレス・消費者還元事業」加盟店登録申請43万件 | 流通ニュース (ryutsuu.biz) (2019年08月26日 )

QRコードの情報量とバージョン|QRコードドットコム|株式会社デンソーウェーブ (qrcode.com)

「自動運転に関する主な政府方針等について」(国土交通省)

http://www.mlit.go.jp/common/001266402.pdf

「平成28 年版情報通信白書」(総務省)



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