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生きて

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料理とは関係ない話ですが。

とある小学校で「あなたの長所は何ですか?」と生徒全員に質問をして、たくさんの回答があった中、ある1人の生徒が「生きている」と回答したという話を記事で見ました。
「生きている」という事実がどれだけすごい事なのか、ちゃんとご両親はその子に伝えられているんだなと感動しました。
今を生きているという事が、もうそれだけで本当に素晴らしい事なんだと思っています。

たぶん、それは全ての人に当てはまる。

僕はほぼ毎日店のキッチンに立ち、集中し、最高の物を作りたい一心で料理をしています。
仕込みも納得がいくまで、気が付けば朝なんて事もしょっちゅうで、忙しい時には週に2回徹夜、なんて事もあります。
そして営業中はまた料理に集中し、可能な限り体を早く動かす。
本当に料理人は体力勝負。

今の働き方が10年後もできるとは思っていません。
では、どうするか。
品数を減らして、仕込みを簡略化して、もっと効率よく・・・あり得ませんね(笑)
それはもう僕のやりたい料理ではなくなってしまう。
正直、将来の仕事の仕方については、ほとんど何も考えていません。ノープランです。
でも不安は全くありません。

初めて飲食店で働き出した時のことを今でも覚えています。
初めて作ったのは、サラダでした。
食材を盛り付けてお客様にお出ししただけだけど、僕が作った物を食べてくれた感激は今でもはっきり覚えています。
そこから僕の料理人人生ははじまり、その頃から一貫して「もっと喜んでもらいたい!もっと美味しい料理が作りたい!」その一心でたくさんの料理書を読み漁り、自宅で試作をする毎日。
もっと深く勉強したいと調理師学校に入り、更に専門分野の勉強をしたいと辻調理技術研究所へ。
毎日全ての時間を料理に打ち込み続けました。

毎日「絶対美味しい料理を作れるようになるんだ!」と必死だった当時の僕に渡されたバトンはしっかり今の僕が受け取り、昔の僕を裏切らない仕事をしていると思っています。
未来の僕にバトンを渡すべく、今の僕は今できることを全力でやっています。
今までそうであったように未来は未来の僕がきっとうまくやってくれる。
僕は僕を信じています。不安はありません。

今を生きているということは、ちゃんと過去の自分から渡されたバトンを未来の自分へ渡している最中。
未来を作っている。

様々な人がいて、様々な人生があるから、僕が言ってる事が必ずしも全ての人に当てはまるとは思っていません。
でもちょっと僕のケースをお話ししてみました。
文字にしきれない部分も、まだまだあるのですが長くなってしまって、失礼しました。

とにかく、今を生きているだけで意味があり、それは本当に素晴らしい事なんです。
だから、生きて。

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