TM-2.5.2 (K2)テストの見積りに影響を与える可能性がある要因を理解し、例を示す。

見積りでもっとも重要な要素

テスト実行が一般的にプロジェクトのクリティカルパスになるため、見積ったテスト実行のコスト、工数、特に期間はマネジメントにおいてもっとも重要な要素になることが多い。

ただし、ソフトウェア全体の品質が低い場合や未知の場合は、テスト実行の見積りを作成することが難しくなり、しかも信頼性に欠けることが多くなる。

テストの見積りに影響をおよぼす要素

* システムに求められる品質レベル
* テスト対象となるシステムのサイズ
* 過去のテストプロジェクトの履歴データ
* プロセス要因。テスト戦略、開発または保守ライフサイクルおよびプロセスの成熟度、プロジェクト見積りの正確性など
* 物的要因。テスト自動化およびツール、テスト環境、テストデータ、開発環境、プロジェクトドキュメンテーション、再利用可能なテスト成果物など
* 人的要因。マネージャおよび技術リーダ、管理職および上級管理職の責務と期待、プロジェクトチームのスキル、経験、態度、プロジェクトチームの安定性、プロジェクトチームの関係、テストとデバッグ環境サポート、優れた請負業者やコンサルタントの利用可能性、ドメインの知識など
* プロセス、技術、組織の複雑さ、テストに関わるステークホルダの数、サブチームの構成と場所
* 著しい人員増によるトレーニングやオリエンテーションの必要性
* 新しいツール、技術、プロセス、技法、カスタムハードウェア、各種のテストウェアの適用や開発
* 詳細度合いが高いテスト仕様の作成要求
* コンポーネントの受け入れが時間的に前後する場合
* 使える範囲の限られたテストデータ
* テストに提供されるソフトウェアの品質

アジャイル方式での品質レベルの例

開発者が自動化したユニットテストや継続的インテグレーションなどのベストプラクティスを採用していた場合、コードがテストチームに提供される前に50%もの欠陥が除去される。テスト駆動開発などのアジャイル方式では、テストに対して高い品質レベルが提供されていることが、一部で報告されている。

理想的な見積り

品質、スケジュール、予算、フィーチャの点で、組織とプロジェクトの目標において優れたバランスを表したもの。

見積りの注意事項

すべての見積りが、その時点で利用可能だった情報に基づいていることに注意すべきである。
つまり、プロジェクトの初期では、十分な情報が利用できないことがあり、プロジェクトの初期に利用可能な情報は、時間が経つと変化する可能性がある。

正確性を維持するには、新しい情報と変更された情報に基づいて、見積りを更新する必要がある。

問題

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