TM-2.4.1 (K4)提供されたテストポリシーとテスト戦略のサンプルを分析し、これらのドキュメントに対して完全性と一貫性のあるマスターテスト計画書、レベルテスト計画書、およびテスト成果物を作成する。

テストマネジメントドキュメント

* テストポリシー - 組織のテストに関する目的と目標を記述する。
* テスト戦略 -プロジェクトに依存しない組織の一般的なテスト方法を記述する。
* マスターテスト計画(またはプロジェクトテスト計画) - 特定のプロジェクトに関するテスト戦略の実装について記述する。
* レベルテスト計画(またはフェーズテスト計画) - 各テストレベルで実行する特定の活動を記述する。

テストポリシー

テストポリシーは、組織がテストを行う理由を記述する。つまり、組織が達成する必要があるテストの全体的な目的を定義する。

記述する内容
* 組織がテストから得られる価値を要約する。
* ソフトウェアの確信度合いの構築、ソフトウェアの欠陥の検出、品質リスクのレベルの軽減など、テストの目的を定義する。
* これらの目的を達成するためのテストの有効性と効率性を評価する方法について記述する。
* ベースとして一般的なテストプロセスの概要を記述する。たとえば ISTQB が示す基本的なテストプロセスを使用するなど。
* 組織がテストプロセスを改善する方法を指定する。

テスト戦略

テスト戦略は、組織の一般的なテスト方法を記述する。
プロダクトおよびプロジェクトのリスクマネジメント、テストレベルへの分割、およびテストに関する上位の活動を含む。

テスト戦略の他、 テスト戦略に記載されるプロセスおよび活動も、テストポリシーと一貫していなければならない。

テスト戦略に記述するような一般的なテスト方法
* 分析的戦略(リスクベースドテストや要件ベースドテストなど)。テストベースを分析して、カバーするテスト条件を識別する。
* モデルベースド戦略(運用プロファイルなど)。実際の状況または予想される状況に基づいて、システムが存在する環境、システムに対する入力と条件、および本来のシステムの動作方法の各モデルを作成する。
* 方法論的戦略(品質特性ベースのものなど)。テストチームは品質標準(たとえばISO 25000 [ISO25000]など)の事前に決定した一連のテスト条件、チェックリスト、あるいは特定のドメイン、アプリケーション、またはテストのタイプ(たとえばセキュリティテストなど)に関連する汎用的かつ論理的な一連のテスト条件を使用する。
* プロセス準拠または規格準拠戦略(米国食品医薬品局の規定の対象となる医療システムなど)。規格委員会または他の専門家達が定義した一連のプロセスに従う。
* 対処的戦略(欠陥をベースにした攻撃の利用、探索的テストなど)。テストチームはソフトウェアを受け取るまでテストの設計と実装を待ち、テスト対象の実際のシステムで対処する。
* コンサルテーションベースの戦略(ユーザ主導のテストなど)。一人以上の主なステークホルダの入力に依存して、カバーするテスト条件を決定する。
* 回帰的テスト戦略(広範囲の自動化など)。回帰のリスクをマネジメントするさまざまな技法(特に 1 つ以上のレベルにおける機能/非機能回帰テストの自動化)を使用する。

テスト戦略で示すこともある内容
* 統合手順
* テスト仕様化技法
* テストの独立性
* 必須の標準および任意の標準
* テスト環境
* テスト自動化
* テストツール
* ソフトウェア成果物およびテスト成果物の再利用性
* 確認テスト(再テスト)および回帰テスト
* テストのコントロールおよびレポート
* テストの測定指標およびメトリクス
* 欠陥マネジメント
* テストウェアの構成管理アプローチ
* 役割と責任

マスターテスト計画

マスターテスト計画では、特定プロジェクトへのテスト戦略の実装方法(テストアプローチ)を記述する。

また、テストポリシーおよびテスト戦略との間で整合性がとれていなければならない。

マスターテスト計画の代表的な内容
* テストするアイテムおよびテストしないアイテム
* テストする品質特性およびテストしない品質特性
* テストスケジュールおよび予算
* テスト実行サイクルおよびソフトウェアリリース計画との関連
* テストを行う人々や部署と他の人々や部署との関連性と提出書類
* 記述している各レベルで、どのテストアイテムが範囲内でどれが範囲外かを示す定義
* それぞれのテストレベルに対する個別の開始基準、継続(中止/再開)基準、終了基準、およびテストレベル間の関連性
* テストプロジェクトリスク
* テスト活動の全体的な管理
* 各テストレベルを実行する責任の所在
* 各テストレベルにおける入力と出力

レベルテスト計画

レベルテスト計画では、それぞれのテストレベルで実行する特定の活動を記述する。マスターテスト計画でカバーしていないスケジュール、タスク、マイルストンの詳細についての情報をレベルテスト計画で提供する。

アジャイルプロジェクトでは、スプリントテスト計画またはイテレーションテスト計画が、レベルテスト計画の代わりになる場合がある。

例題

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