TM-1.3.2 (K2)テスト条件を指定する詳細度に影響を与える可能性がある要因および、詳細にテスト条件を指定することの長所と短所について説明する。

テスト条件の詳細度合いを決める要件

テスト条件を指定するための詳細度合いを決定する際に考慮が必要な要件は以下のとおり。
* テストレベル
* テストベースの詳細度と品質
* システムまたはソフトウェアの複雑性
* プロジェクトリスクとプロダクトリスク
* テストベース、テスト内容、およびテスト方法間の関係
* 使用するソフトウェア開発ライフサイクル
* 使用するテストマネジメントツール
* テスト設計およびその他のテスト成果物に関する、詳細度、および文書化のレベル
* テストアナリストのスキルと知識
* テストプロセスおよび組織自体の成熟度(成熟度が高いほど、高い詳細度合いが必要となることもあれば、低い詳細度合いが可能になることもあることに注意)
* コンサルテーションのために他のプロジェクトステークホルダを利用できる可能性

詳細にテスト条件を指定する場合の利点

* 他のテスト成果物(たとえばテストケースなど)を、より柔軟にテストベースおよびテスト目的に関連付けでき、より適切で詳細なモニタリングおよびコントロールが可能となる
* プロジェクトの早期に実行することで、欠陥の防止に貢献する
* テスト成果物を、ステークホルダが理解できる用語で説明できる
* 他のテスト活動だけではなく、他の開発活動にも影響を与え、活動を導くのに役立つ
* テストの設計、実装、および実行において、詳細な測定と対象をより効率よく網羅でき、より最適化した成果物を生成できる
* あるテストレベルにおける、より明確な水平トレーサビリティのためのベースを提供できる

詳細にテスト条件を指定する場合の短所

* 時間がかかる場合がある
* 環境が変わった場合、保守性を維持するのが困難になる場合がある
* チーム全体で、形式化のレベルを定義し実装する必要がある

詳細なテスト条件の使用が、特に効果的な場合

* 開発ライフサイクル、コストや時間の制約、またはその他の要因に対応するために、チェックリストなどの簡易なテスト設計文書化方式を使用している
* 公式な要件、またはそれ以外の開発成果物が、テストベースとして、ほとんど、あるいはまったく使用できない
* プロジェクトが大規模、複雑、または高リスクであり、単純にテストケースを開発成果物に関連付けることでは提供できないモニタリングおよびコントロールのレベルを必要としている

低い詳細度でテスト条件が指定可能な場合

* コンポーネントレベルのテスト
* テスト内容とテスト方法との間に単純な階層関係が存在する、複雑性の低いプロジェクト
テストを定義するためにユースケースを活用できる受け入れテスト

問題

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