見出し画像

愚かしさここに極まれり

何もなかったように事が進む東京2020大会(…になる訳もないと思うけど…)
もともと、今回の五輪に関しては誘致不正疑惑あり、多くの人が抱える不安を無視したコロナ禍での強行開催の問題があり、そしていまこの時点で、愚かしさここに極まれりといった感じ。
思考停止も甚だしく、“いかにも”な浅はかさが満載。

障害のある同級生や外国にルーツがある同級生への“いじめ(暴力)”を原因として辞任したコーネリアスの小山田氏に続き、今度は東京2020大会開閉会式のショーディレクターを務めていた元ラーメンズの小林氏がホロコーストを揶揄するコントでの表現を原因として解任。
人権尊重や歴史的事実に対する思慮の無さ、他者を傷つけるその暴力性を考えればそれは当然だと思う。それが過去の言動だったとしても、曲がりなりにも“平和の祭典”である“オリンピック憲章”や東京2020大会が掲げる“大会ビジョン”を重視するのであれば尚更だ。

組織委員会会長の森氏の女性蔑視、開閉会式のクリエーティブディレクターの佐々木氏による容姿差別…。
厚塗りしたメッキが次々と剥がれていく東京2020大会。
その剥がれた中身には、僕ら一人ひとりが生きる日本社会が抱える他者への蔑みの精神や態度、歴史に対する認識の浅はかさが詰まっている気がしてならない。

そもそも、今大会の誘致を進めてきた中心人物達のあり様を見ていると、悲しいけれど今の状況に帰結するのも当然の事なのかもしれないと思える。
ホロコーストを揶揄する、自分と異なるルーツの人や障害のある人を虐げる、それと同列になるような、歴史の否定、多様性の否定を繰り返す人達(都合よく歴史歪曲する安倍氏と菅氏、ここで再び登場の“神の国発言”の森氏…)が今大会の中心にはいるのだから。そして、そういった人物達を、政治や企業社会の中心に据えてきたのが今の日本社会であり、僕らの姿なのだと思う。

神政連や保守派の有力団体「日本会議」は、選択的夫婦別姓は「日本の伝統的な家族観の破壊につながる」と反対し、安倍氏も反対派として知られる。背後には「男系男子による皇位継承」を揺るがすという考え方がある。神道政治連盟国会議員懇談会の議員が語る。
<菅義偉衆院議員(神奈川) 9回にわたる「若手議員の会」の勉強会を通じて(中略)有識者の皆さまの検証によって、「従軍慰安婦」の強制連行など実際にはなかったことが明らかになっているにもかかわらず、それが堂々と中学生の歴史教教科書に載っているのは、非常に問題であります。「従軍慰安婦」に軍が深く「関与」していた、という誤った情報を教科書に載せているだけでも問題ですが……(後略)>
首相就任後の同年5月には、神道政治連盟国会議員懇談会で「日本は天皇を中心にした神の国」と述べた。天皇を中心とする戦前の国家主義をうかがわせ、現憲法が定める政教分離や国民主権に反すると、激しい批判を浴びた。しかし、6月の演説会では「(無党派層は)寝ていてくれればいい」と、有権者を軽んじる発言をした。

表向きには、今回の東京2020大会の“大会ビジョン”や“オリンピック憲章”に基づくキレイな言葉がこれまでも、きっとこれからも数々、僕らに刷り込むようにメディアでは連呼され、残念ながらコロナ禍で無理矢理に大会が開催され進められる中で、選手たちの競技での功績やそれによりもたらされる“感動”で、メッキはさらに厚く塗られようとするかもしれない。

でも、それらは単なるメッキ。すぐに剥がれるし僕らは惑わされてはいけない。大会の場から、森氏、佐々木氏が居なくなり、小山田氏、小林氏が居なくなり…それで全てが良しとなり問題が消えて無くなる訳がない。
むしろ、ここから僕らは何を学び考え行動しなければいけないのかが問われてる。それにしても、本当に嫌気がさす状況。あぁ未来ある子供に見せられたモノじゃない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?