名古屋フィルハーモニー交響楽団 第521回定期演奏会

日時:2024年3月16日(土) 日本特殊陶業市民会館フォレストホール
会場:15:15
開演:16:00
終演:18:20

・演奏:名古屋フィルハーモニー交響楽団
・指揮:松井慶太
・ヴィオラ:アン・レイレフア・ランジロッティ*

【ロビーコンサート】
・Vn:川上裕司
・Vn:平田愛
・Vla:今村聡子
・Vc:アイリス・レゲヴ

・大フーガ(L.v.ベートーヴェン)

【曲目】
・ハイドンの主題による変奏曲(J.ブラームス)

・ヴィオラ協奏曲「ウェイファインダー」(藤倉大)*【管弦楽版世界初演】

~ソリストアンコール~
・ko’u inoa (コウイノア)(A.L.ランジロッティ)

—休憩20分—
・交響曲第7番(L.v.ベートーヴェン)
 第1楽章「Poco Sostenuto-Vivace」
 第2楽章「Allegretto」
 第3楽章「Presto」
 第4楽章「Allegro con brio」

2023-2024年シーズン名古屋フィル最後の定期演奏会に足を運んできました。プレコンサートがベートーヴェンの大フーガで始まり、メインがベートーヴェンの交響曲第7番ということもあり、ベートーヴェンで始まり、ベートーヴェンで終わるというプログラミングでした。
プレコンサートで大フーガという超贅沢な公演をして下さり、嬉しかったです。古典音楽(というか全ジャンルそうですが・・)は勉強不足なので色々と発見がありました。

急遽、指揮者が松井慶太さんに代わりましたが交響曲第7番が感動的でした。ブラームスの作品もそうでしたが、古典の佇まいが確固とされており、往年の名作を真価を遺憾なく発揮された音楽でした。演奏中、指揮棒を持たず音楽を導いていらっしゃったのは、豊穣な表現の賜物ではないかと感じております。細部まで拘った演奏でした。

藤倉大さんの作品は、アンサンブル版は初演と録音されておりますが、管弦楽は今回が世界初演となります。
不安定な音というより、浮遊感を強く感じました。ショスタコーヴィチのヴィオラ・ソナタを拝聴した時の感覚に陥りました。別次元の世界に飛ばされてしまった印象です。(本作品との関係性はないですが・・)
藤倉大さんの作品はそこまで追えていないので、勉強不足ですね。せめて、アンサンブル版を拝聴してから本公演に臨むべきだったと少し後悔しております。ですが、本作品のカデンツァは忘れられない響きと演奏でした。

アンコールは、ソリストのランジロッティの自作自演。ハワイの言葉で、「I am」「my name is」といった意味だそうです。ハワイの夕日が沈む間際、海辺の温もりのある波のような音楽(表現に無理があるかw)。
繰り返される同音型がホールの温かく包み込みました。

古典音楽2作と現代曲1作というプログラミングは、どんな公演になるだろうかとドキドキしていましたが、水と油のように分離することなく一本筋の通った公演でした。

今月末で、コンサートマスターを務められた日比浩一さんが退任されるということで、最後に花束贈呈とうちわで感謝の気持ちを。23年間で約884公演を名古屋フィルと一緒に作って下さったことは感謝しかございません。本当にありがとうございました!


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