マスターズ・ブラス・ナゴヤ 第8回定期演奏会

日時:2024年4月21日(日) 愛知県芸術劇場コンサートホール
会場:14:30
開演:15:30
終演:17:20

演奏:マスターズ・ブラス・ナゴヤ
指揮:喜古恵里香
コンサート・ミストレス:箱﨑由衣
プログラムノート:谷口史洋

【曲目】
・祝典序曲(D.ショスタコーヴィチ/D.ハンスバーガー)

・パッサカリアとフーガハ短調(J.S.バッハ/O.レスピーギ/D.マクレイン)

・バレエ音楽「三角帽子」より(M.de.ファリャ/森田一浩)

—休憩20分—

・組曲「展覧会の絵」(M.ムソルグスキー/高橋徹)

~アンコール~
・主よ、人の望みの喜びよ(J.S.バッハ/A.リード?)

愛知県のプロ吹奏楽団は名古屋アカデミックウインズさんと御楽団の2団体で、年に1回定期演奏会を開催されます。
御楽団は音大生からフリーランス奏者、音楽大学の講師などで構成される楽団。『伝統と革新』を追求し、さらなるクラシックファンの裾野を広げることを目的とされて活動されています。
私が、御楽団の公演に足を運ぶのは今回で3回目。今回は、オールアレンジ物というプログラミング。プロの吹奏楽団がアレンジ物なんて・・と思われるかもしれませんが、私は鑑賞出来て良かったなと感じております。

指揮者の喜古恵里香さんは、女傑という言葉が相応しいエネルギッシュでパワフルなバトンテクニック。ただ、力任せなバトンテクニックではないことは確かです。

まずは、ショスタコーヴィチの祝典序曲で華やかに幕開けです。コンサート・ミストレスである箱﨑さんのソロが素晴らしかった。吹奏楽にありがちな「うるさい」サウンドではなく、要所を捉えた響きを体感できました。

続いて、BWV582。本演奏が今回の公演の白眉と感じております。原曲はオルガン曲ですが、エルガー、ストコフスキー、オーマンディと管弦楽に編曲されていることを、プログラムノートを拝読して初めて知りました。
今回の版はレスピーギが管弦楽に編曲した版を、アメリカの音楽教師であるマクレインが吹奏楽にトランスクリプションした版。編成にチェロが4名入っており、普段では拝聴することが出来ないサウンドを体感できました。
各楽器のパートで演奏する人数を増減しながら創られており、立体的な音楽であったと感じております。最低限、本作品を勉強してから足を運ぶべきだったと少し後悔しております・・。

プログラム最後は、展覧会の絵。吹奏楽編曲ではハインズレー版が有名だと考えられますが、今回は高橋徹さんの版です。ラヴェルのオーケストラ版からの編曲ではなく、ピアノ曲から発想を膨らませた編曲であり、生演奏で鑑賞したかった版です。(中橋愛生さんの版もいつか鑑賞したい)
CDで拝聴したことがありますが、生演奏を鑑賞すると色々と発見がありますね。勉強になりました。吹奏楽を鑑賞している要素と管打アンサンブルを鑑賞している要素が綯い交ぜとなり、楽しかったです。

アンコールもアレンジ物でした。

自分にとっては生演奏を鑑賞する機会が少ない、プロの吹奏楽団の公演が愛知県で開催されるのは嬉しい限りです。第9回定期演奏会は2025年4月29日(火・祝)となります。指揮者は横山奏さんです。来年はどのようなプログラミングになるのか。発表が待ち遠しいです。

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